Bollandia pacifica/大平山 | |
ボランディア パシフィカ |
酸処理で出て来た胸尾部 |
Subfamily Griffithidinae ( グリフィチデス亜科 ) |
下部石炭系有住統大平層 |
陸前高田市横田町大平山 |
Schizophillipsia otsuboensis が産出する露頭を過ぎ、林道は更に細く険しくなっていった。 ここからは未知の領域である。急な登りにさしかかると道は土砂が流出していて荒れ果てていた。 フリーハブをロックしておかなかったことを悔いたが、登り始めた以上このまま進むしかない。 ところが我が相棒ジム君は2駆のままでガンガン上って行くではないか。改めてジムニーの ポテンシャルに驚く。そう言えば車幅ギリギリの狭く荒れた林道に入ることは多いが、 4駆にして走ったことはほとんどない。必要なのは冬路くらいのものなのだ。 道は平坦になり やがて林道の終点に着いた。ジムニーを置いて、 同行の荒木氏とともに 谷を下りていく。凝灰質砂岩の薄い層を挟む石灰岩の転石が多く見られる。この薄い層の中に よく三葉虫が入っているのだという。私は欲張ってその中でもおいしそうな一抱えもある転石を ジムニーに積んだ。だが、これが風化して化石を取り出せるようになるまで一体何年かかるのだろう。 それまでに こちらは骨まで風化して跡形も無くなっているに違いない。酸処理するにしてもどれだけの 量の塩酸を必要とするか検討もつかない。この石は結局荒木氏の庭石に収まってしまった。 そう、この化石層の特徴として化石を取り出すには石灰分を除かなければならないのである。 凝灰質の不純石灰岩、割ってみても化石が入っているかどうかは判別は難しい。風化面を見て 判断し持ち帰った後、塩酸に何ヶ月も浸けてから割るのだ。当然やみくもに持ち帰っても化石が 入っているとは限らない。 塩酸に浸けること3ヶ月、試しにハンマーを入れたとき出てきたのがこの標本である。 これによってまだ三葉虫が含まれている可能性は拡がったわけだ。この時持ち帰り酸処理した岩は、 まだ大部分はハンマーを入れていない。これから何が出てくるか楽しみである。 |
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【産地情報】小坪沢
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