めったに贈り物など受けとったことのないルポライター、浅見光彦のところに大きなダンボールの包みが届いた。中味はなんと姫鏡台。差出人は浅見の初恋の女性、夏子だった。なぜ夏子は姫鏡台などを送ってきたのか?淡い初恋の思い出をたぐりよせるように、浅見は夏子の嫁いだ文瀬家の豪邸を訪ねるが…。さまざまな鏡をめぐり、浅見の名推理が冴える傑作短編集。表題作ほか2編を収録。
角川文庫(本のカバーから引用) |
内田先生は、極端に短編が少ないのですが、その理由を先生は嫌いだし下手だと書いていますね。もうひとつの理由はプロットたてないで書き進めるものだから、あらかじめ枚数を決められると困るようです。 でも、「鏡の女」に収められた3つの短編は実におもしろかったですね。 「鏡の女」「地下鉄の鏡」「透明な鏡」の3作品ですが、「鏡の女」がおもしろいです。と言うより女の怖さがよく書かれていて、気の弱い人なら悪夢にうなされるかもしれない。そんな気がしました。 阿刀田高のエッセイで、できのいい順に作品をA、B、Cとするなら、B、A、Cと並べるんだというようなことを書いていました。 つまり、なかなかおもしろい、ほんとにおもしろい、まあまあ、という順に並べると、全部読んでくれるのだそうです。 この鏡3作品はどうだったでしょうか? 私は、最初からA、B、Cの順だと思います。(^.^) 1998.11.3記 |