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倉敷市玉島の山林で、夏井康子が死体で発見された。警察は自殺と断定した。服毒し、死が訪れるまで奏でていたのか、フルートを手にしていた。五日後、康子の婚約者だった戸川健介が吉井川に死体となって浮かんだ。マスコミは純愛物語であるかのように報じた。しかし、演奏会で津山市を訪れ、たまたま事件と関ったヴァイオリニストの本沢千恵子は妙なことに気付いていた。現場写真で見た康子のフルートの持ち方が逆なのである。他殺?千恵子は旧知の浅見光彦に思いを打ち明けた。恐しく哀しい演奏会の序曲だった…。

 

トクマ・ノベルス(本のカバーから引用)

歌わない笛
 この作品を読んで、本沢千恵子の爽やかな美しさが印象に残りました。

 そのほかの感想なんですが...。

 実を言うとこの2週間内田作品を16冊立て続けに読んで、今までにない感情に捕らわれています。

 なにかしら批判的になっている自分に気がついているんですよ!

 それは何かというと、この本で言うと光彦の得体の知れない自信です。今までそんな風には思わなかったのですが...。

ある人は内田作品の推理を論理的でないと言いますが、少なくとも私は、その推理はある種の飛躍を含んではいるが十分論理的だと思ってきたのです。

天賦の閃きと論理、これが光彦の推理だったんですね。ところがこの本ばかりではないのですが、なにか突飛に思えてきたのです。

いや、突飛でもいいのですが、ちょっとやり過ぎではないかというシーンがありました。

そう!笹倉との取引の場面ですね!通常はあそこまではできないはずです。勿論、作家の手によれば、結果はどうとでもなるというか...。(^o^)

少し疲れているのかもしれませんね!

誰か、感想を書いてくれるまで休もうかな...。そんな気分です。

1998.10.27