重症便秘の多くは「弛緩性便秘」と呼ばれる陰性の便秘である。
大腸の組織が緩んで活動が衰え、内容物がスムーズに動かない。
根本原因は、陰性食品の食べ過ぎにある。陰性食品を多量に食べ続けると、
大腸の細胞が弛緩して、伸縮運動が衰える。とくに、砂糖や果物は陰性が強いので、
強く弛緩させる。精製した砂糖はビタミンB1を急激に消費し、ミネラル・バランスを
崩してカルシウム不足を起こす。カルシウムとビタミンB1が不足すると、自律神経の
働きが低下して大腸の弛緩をさらに助長させる。
陰性体質がひどくなると、内臓下垂や虚弱体質をともなう。
●体調の陰陽特性
陰性 | 陽性 |
弛緩・ゆるむ | 緊張・しまる |
寒い・冷える | 暑い・ぬくもる |
沈静・休息 | 活発・働く |
●食物の陰陽特性
陰性食品 | 陽性食品 |
カリウムが多いもの | ナトリウムが多いもの |
体をゆるめる・冷やす | 体を締める・温める |
暖かい気候で育成 | 寒い気候で育成 |
早く育つ | ゆっくり育つ |
大きく育つ | 小さく育つ |
やわらかい | 堅い |
地上でまっすぐ伸びる | 地上で横に這う |
地下で横に這う | 地下でまっすぐ伸びる |
葉が広い | 葉が細かい |
葉が丸い | 葉がギザギザ |
早く煮える | 煮るのに時間がかかる |
熱して軟らかくなる | 熱して堅くなる |
陽性食品がよい、陰性食品が悪い、というわけではないが、大腸の蠕動が弱い
「弛緩性の重症便秘」の人は、極端な陰性体質だから、陰性食品の食べ過ぎを避け、
努めて陽性食品を食べる必要がある。体質が「中庸」に傾けば便秘体質が根本から改善される。
《民間薬による薬草療法》
重症便秘には、毎日、危急の改善が求められ、やむなく下剤が必要になる。
科学新薬の下剤は、必ず副作用と習慣性がともなう。
古くから民間療法で用いられ続けた民間薬の薬草は、試し尽くされているので、
こうしたおそれがなく、安心して使える。
●センナ
古くから世界中で多用されてきた、最も信頼が高い便通民間薬。
作用が比較的強く、習慣性がなく、腸の炎症変化を伴うことがない。
葉と種子は薬効が強過ぎ食味も良くないが、根・茎・葉軸は作用が穏やかで、
食味もおいしい。妊娠初期に多用すると流産しやすいのは、アロエ、
ハトムギ、ジュズダマなどと同様である。陰陽分類では、葉が細い陽性食品。
学術界では、抗ガン作用も報告されている。
●決明子
カワラケツメイやセンナと同じ、カワラケツメイ属の民間薬。
特有成分のアントラキン配糖体に、整腸・緩下作用がある。
●タンポポ
根も葉も、ゴボウと並ぶ、陽性食品の代表格。
根に多量に含まれるイヌリンとペクチンに整腸作用がある。
●チコリ根
タンポポと同じ、キク科の陽性植物。直下に深く伸びる根も、
ゴボウやタンポポと同じ典型の陽性食品。
根に多く含まれるイヌリンに整腸作用がある。
●ギシギシ
新芽が山菜の珍味で人気の野草。新芽、根、葉、種子など、
全草にアントラキン誘導体があり、整腸・緩下作用がある。
●どくだみ
語源は「毒矯み」で、体毒を下す全般作用がある。
長期連用すれば、便秘改善に必ず効あり。
●ルイボス
活性酸素を消去する強力な作用が、体調全般を改善し、整腸作用となって現れる。
ギシギシ ・キダチアロエ ・センナ茎(食用部位) ・大麦・ハトムギ ・決明子・杜仲葉 ・ルイボス |
決明子 ・タンポポ根 ・チコリ根 ・センナ茎(食用部位) ・菊イモ |
キダチアロエ ・ドクダミ・大麦 ・センナ茎(食用部位) ・ハトムギ・決明子・甘草 ・杜仲葉・ルイボス |