MONGOOSE RショックユニットOH
まったく動かない問題のRショックユニットのOH。
図面もなにも無い状態からのOHです。
プッシュプル方式ですから、オリフィス解放でスプリングを外せばシリンダー部分が手で動くはず・・。
でも、まったく動かない(注:最初に入手したユニットも後からのNICOLAIも症状はまったく同じ)。
ロッドシールとダストシールは特に硬化もしていないし傷もない・・?
ピストンリング(Oリング)も正常だし・・・?
プッシュプル式オイルダンパーなんだから、無負荷なら手で動かないと・・・。
このユニットは分解ついでに内部構造を図面化しました。作動原理を理解することができ、メーカー資料よりもすごいかも(ちょっと言い過ぎか・・・)
オイルは8番フォークオイルを使用(友人が某ショックメーカー工場勤務のため入手できた)。
Rショックユニットです。オリフィス(コンプレッション)ダイアルの形状がマイナーチェンジしていました。
2台あるユニットは全く同じ症状でしたのでここでは1台のみを取り上げます。
とにかくすべてバラバラにします。油圧回路・製品の知識があれば問題ないでしょう。油の流れが理解できれば外した順番をわすれても大丈夫です。
こいつがコンプレッション(オリフィス弁)を調整しています。上右はルーロン(オイルレスブッシュ)、左上はロッドパッキンとダストシール。
ロッドを旋盤でつかんで廻してみると・・・、中央のピストンを境におのおのが偏心しているではありませんか。
ダンパーが解放で動かなかったのはここが原因でした。手で回しながら振れを取り(ここが難しいのだが)、ロッド表面にバフをかけ、摺動面を磨きます。
各部品を手直し・洗浄後に組み立てです。エアーを抜くバルブ等が見あたらないので、オイル内(オイル浸け状態)で組み立てを行いました。これならエアーの混入はありませんから・・。
ダンパー組み立て完了。
この状態で、ロッドがスムーズに動けばOK。
コンプレッションとリバウンドダイヤルを少しずつ締め込んで、ダンパーの負荷が変化するかチェック。
スプリングを組んで終了。
リザーバーにはとりあえず8Kかけておきました。後は組んでからの調整です。
完成品。もちろん磨きも忘れてはいませんよ。