No.2 片島吉章

9月某日
 どこかに行きたい病発病。いつも人でごった返してる渋谷を抜け出したい。クラウデッド・ハウス「ドント・ドリーム・イッツ・オーヴァー」は確かにイイ曲だけど、クラウデッドな渋谷の風景には似合わない。
 とにかく休日には渋谷を脱出!エスケイプ・クラブ「ワイルド・ワイルド・ウェスト」! そして行って来ました滑川温泉。福島にほど近い山形の山奥にある温泉でございます。真夜中の露天風呂で、すぐそばに流れる滑川の清流の音を聞きながら、空に流れる天の川の星流を眺める。ああ、頭の中でヴァージンVS「星空サイクリング」が…ほんとは音なんて無くっていいっちゃ。
 翌日、最寄りのさびれた駅で、駅の番をしている犬公に出会いました。ほとんど人の往来のない駅でじっと佇む犬。その姿は一人感漂うスワンプ・シンガーを彷彿させます。でも犬公のお前にはスリー・ドッグ・ナイトのヒット曲をBGMにくれてやろう。この曲知ってるか? 犬:「ワン」

 

振り返る犬公。まるで無人駅の番犬のようですが、ほんとはそばのお土産屋さんちの犬。
 


10月某日
 どこかに行きたい病治らず。秋の空気を求めて相模湖そばの陣谷温泉へ。平日だったからか、車で世田谷を出てから湯舟につかるまで1時間! 速い速い! ザ・フー「マイ・ジェネレイション」がBGMだったからかもしれません。到着したけど、さすが平日、誰もいない。そして温泉を独占。西日を受けながら入る温泉ほど癒されるものはないでしょう。

 

歩道橋
ふぅ〜…。  


 その日の夜は昼間とがらり趣向を変え、夜の新宿へ。とあるライヴ・ハウスで聴いた「シンギン・イン・ザ・バスタブ」に、まさにバスタブの角で頭を打ったような衝撃を受けました。
憧憬や衝動、そして酒は人の力を何倍にも増幅させます。新調したというアンプは、ギターには繋がらず、彼らに直結されていたのか! そんなことを痛感したパンクな一夜でした。

 

名もない(ほんとはある)バンドの勇姿。まさに自宅の風呂で鼻歌を歌っているような自由度の高いパフォーマンスでした。  


10月某日
 どこかに行きたい病治らず。今度は甲府のほったらかし温泉へ。温泉ばっかりですな。そういや昔、「ラジウム音泉」(FM大阪)という素晴らしいラジオ番組がありました。あのころのFMは良かった…と感慨に耽りつつ、甲府盆地の向こう側に顔をのぞかせる富士山を見ながら入る露天風呂。標高700m、絶景かな「フジヤマ・ママ」「ラジオ・パパ」「レディオ・ガガ」「ホノルル・ルル」。しかし混みすぎです。クラウデッド・バスタブ。

 

富士山とススキ。富士山は世田谷からも見えるし、大台ヶ原(奈良県・三重県)からも見えるそうです!  



10月某日 
 どこかに行きたい病治らず。しかし今日は自宅療養。スターシップ「シスコはロック・シティ」を爆音で聴きながら小声で熱唱。しかし未だに、あの早口のところは歌えません。現在、ロック・シティはどこにある? 気分転換がてら洗濯物を干しにベランダへ出ると、原チャリ上で呆けてる猫と目が合いました。「何かいいことないか子猫ちゃん」。

 

ほとんど見えないけど右下の原チャリのシート上でこっちを向いている猫。ふてぶてしい。  






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