メモリー増設の手引き
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パソコンのハードで最も初歩的な増設、それがメモリーの増設です。そこで、メモリの増設手順と豆知識をご紹介いたします。始めは本体カバーを開けることに抵抗があるでしょうが、気をつけて行えば、とても簡単な作業です。メモリーを増設することにより、PC動作がスムーズになれば、PCを使うのが楽しくなるかも知れませんね。
パソコンを使っていて、頻繁にフリーズしたり、ソフト起動にやたらと時間がかかったりすることがある方は、必見です。動作のスピードに不満がある方や、さらにパソコンを使いこなしたい方も、メモリ増設をしてみてはいかがでしょうか?

 メモリーの豆知識
・メモリーとは
メモリーとは、一時的にデータを保管する部品です。CPU(中央処理演算装置)の働きを助けて、短時間の記憶を処理します。電源を切ると、記憶情報は消えてしまいます。メモリー容量が多い方が処理速度が速く、高性能と言われています。
機能としては、複数のソフトを同時に使う時や、画像処理・動画処理などの、情報量の多い作業をするときに大きく影響します。仕事に例えれば、机の広さに相当し、「どれだけ多くの書類(ウィンドウ)を同時に開けるか?」と言う事になります。 また、他に例えれば、自動車で言えば排気量、人で言えば肺活量にも例えられます。
メモリーが増えると、どうなるの?
メモリーを増設することにより、ソフトの起動が早くなります。さらに、画像処理や動画処理を行うときには、処理速度が向上します。インターネットをするときにも、ページの表示速度が向上します。 とくに、CPUのスペックが小さいPCや、多少古くなったPCなどには、とても効果的な増設方法として定着しています。
メモリーが足らないと、どうなるの?
メモリー容量が足らないと、確実に動作が遅くなります。さらに足らないと、頻繁にPCが止まったりします(フリーズ・ハングアップ)。とくに、動画処理などをして、編集結果がスムーズに表示されない場合などは、メモリー不足が原因の場合がほとんどです。
ハードに一日中PCを使用する場合や、動作の重たいソフトを使う人も、メモリーが足らないと、思わぬトラブルの原因になりかねませんので、注意が必要です。
しかし、最近のPCで、普通の人が普通の使い方をする場合には、特にメモリー増設の必要は無いのが、一般的です。
メモリーの種類
メモリーの種類は、大きく分けて、その形状と処理方法、メモリー容量で区別されています。特に、デスクトップPCとノートPC用のメモリーは異なるので、購入時には、しっかりと確認しましょう。 PCに合わないものは使えませんので、気をつけてください。さらに、形状の異なるものを無理に付けようとするのは、禁物です。基板を傷めてしまうことがあります。
メモリーの選び方
実際にメモリー増設をするとなると、まず、取り付けるべきメモリーが必要です。使えるメモリーにも幾つか種類があり、それぞれに特徴があります。

◆購入方法
・メーカー製メモリー: メーカー純正の為、動作確認は安心だが、高価な場合が多い。
・メーカー対応メモリー: 周辺機器メーカーから販売されているモノ。周辺機器メーカー側で、PCとの動作確認を行っており、価格もお手ごろになっています。
最も一般的な購入方法で、初心者におすすめです。
・バルク品/ノンブランド: 上級者向けのメモリー購入方法。価格は安いが、保証が無いのが普通。初心者にはお勧めできません。

◆メモリー容量の目安
        windows(98/Me) Macintosh(9.X)
普通にワープロや表計算、インターネット・メールなど 初級者 64MB 64MB
絵の多い文書や長時間のインターネット、私用の画像処理(デジカメ等) 中級者 96MB 96MB
仕事用の重要な文書や表計算、私用の動画処理(デジタルビデオ等) 中級者 128MB 128MB
CG・CAD・グラフィック主体の使用、3Dゲームや大きなデータや重たいソフトを多用する場合 上級者 256MB 256MB
仕事用の画像・動画処理、グラフィック ソフト複数を同時に使う場合 上級者 512MB 512MB
注)メーカー製のパソコンには、メモリー増設の最大容量が決まっている場合があります。それ以上の容量は認識しない場合がありますので、ご注意ください。

メモリー価格の推移
最近は、急激にメモリー価格が下がっています。昨年の今頃では2万円程度していたものが、今は1万円を切っていることも珍しくありません。参考にメモリー価格の推移を表にしてみました。今がメモリーの買い時ですね。
32MB 64MB 128MB 256MB
'97/10 24,000 47,000 90,000
'98/10 12,500 24,000 45,000 80,000
'99/10 8,000 15,000 35,000 60,000
'00/10 5,000 10,000 20,000 40,000
'01/04 3,000 7,000 12,000 23,000
'01/06 1,500 3,000 5,000 10,000
PC-100規格対応のSDRAM DIMM のメモリの推移  2001年06月:現在
★大まかに計算すると、1年で約30%〜50%の値下がりがあるようです。
★今後は増設用メモリーの規格自体が変わる可能性があるため、このまま値下がりするかは、これからの動向に注目です。


  
 増設手順
1.メモリーを購入する。
当然と言っては、当然ですが、増設用のメモリーを購入しましょう。まず最初に考えるのは、何MBのメモリーを買うのか?と言うところです。そこは自分の要求する性能に合わせて購入しましょう。
販売店に行き、店員さんに相談するのも、一つの方法です。しかし、その時には対応メモリーを調べるのに、必要な情報をメモして行きましょう。
PCメーカーのwebサイトやメモリーを販売しているメーカのwebサイトを確認してみのも、良い方法です。webサイトは大変参考になりますよ。

★購入時に必要な情報
・パソコンのメーカー名とタイプ(デスクトップPC/ノートPC)
・型番や形式・モデル名など(マニュアルや説明書を参照のこと)
・どんなソフトを主に使いたいのか?(インターネット/画像処理 等)
2.本体カバーを外す。
メモリーを購入したら、いよいよ増設です。
まずカバーを外しますが、ここでデスクトップPCとノートPCで、作業方法が異なります。
作業前には、PCの電源や周辺機器のケーブル、バッテリー等は、全て取り外しましょう。

・デスクトップPC
PC本体とカバーを止めているネジを外します。
説明書に従った方法で、本体からカバーを外します。
(PCの機種により、横に引き抜く形式のものと、上に外す形式ものがあります。)

・ノートPC
本体の裏に、メモリー増設用のカバーがあります。そのネジを外します。
メモリー増設用のカバーがない場合は、説明書を事前に読んで作業してください。

★ネジは小さいので、無くさないように注意しましょう。
★機種によっては、カバーがとても堅い場合がありますが、そんなときは、特に注意して、あせらず時間をかけて作業しましょう。
3.作業前に静電気を防止する。
静電気は、パソコンには大敵です。ちょっとバチッとなっただけで、二度と起動しなくなる場合があります。そんなトラブルを事前に防ぐには、PC本体内を触る前に、鉄のモノを触って除電(アース)します。自分自身に静電気が溜まっていないようにしましょう。
静電気の起きにくい服を着て、作業するのも大切です。 濡れた手では、絶対に触ってはいけません!(当たり前!!)
4.メモリーを取り付ける。
無事にカバーが開けられたら、いよいよメモリーの増設です。
メモリーの空きスロットに「カチャ」とはめ込みます。こちらも機種によっては、多少堅いものがありますので、ゆっくり丁寧に力強くはめ込みましょう。メモリーにも、裏表があるので、そこにも注意しましょう。
くれぐれも、元の基板を曲げたり、傷つけたりしないように注意してください。もし、基板が宙に浮いているような配置であれば、力のかかるところを、片方の手で抑えながら、作業することをお勧めします。

・デスクトップPC
・SIMMの場合
1.SIMMの切り欠き部分を確認して、メモリーソケットの出っ張りに合わせます。
2.ソケットし対して斜めにメモリーを差し込みます。 
3.接点部分がしっかりと差込まれているかを確認して、ゆっくりと垂直になるまで、起こして行きます。
4.パチンと音がして固定されたら、完了です。
※ツメが折れないように、慎重に作業しましょう。希に傷つけてしまう人も居るそうです。

・DIMMの場合
1.メモリーの裏表を確認して、メモリーソケットに対して垂直に差し込みます。
2.多少堅かったり、きつかったりしますが、ゆっくり丁寧に力強く、最後まで差し込んでください。
3.最後まで差し込むと、左右の金具がパチンとしまります。 しっかりと固定されたら完了です。
※左右に均等に力を入れるのが、ポイントです。

・ノートPC
SO-DIMMの場合
1.メモリーの裏表を確認して、メモリーソケットに斜めからスライドするように差し込みます。
2.接点部分がしっかりと差し込まれたのを確認して、丁寧にメモリーが水平になるように、押し込みます。
3.パチンと音がして固定されたら完了です。

独自方式の場合
※各PCマニュアルやPCメーカ-にお問い合わせください。



5.動作確認をしましょう。
さて、やっとのことで、メモリーが設置できても、まだ安心してはいけません。ハード的(物理的)には、はまったかもしれませんが、ソフト的(理論的)に、メモリーが認識されていなければ、本当に増設したとは言えないからです。
ここで注意が必要なのは、ほとんどの人が、メモリ-がはめ込まれたら、すぐにカバーをしようとすることです。もし、再起動しても、メモリーが認識されていなかったら、またカバーを開けなくてはいけません。そうすると、作業も大変だし、時間もかかってしまします。カバーをはめる前に、動作確認をしましょう。ただし、カバーを開けっ放しですので、PCの取り扱いには、十分注意して行ってください。

★動作確認の方法
1)PCを再起動する。
2)windowsの起動時に、メモリーカウントを確認する。(慣れてないと分からないかも..)
3)windowsのシステム プロパティーで確認する(初心者にお勧め)

 [スタート]→[設定]→[コントロール パネル]→[システム]→[パフォーマンス]タブ ここで、メモリに今回増設した分の容量が足されていればOKです。ただし、システムの関係上、数字には多少の誤差がある場合がありますが、それは異常ではありません。


左の画面は、メモリーを64MB+128MB=192MBにした状態です。

システムの計算上、1MB少なく表示されていますが、特に問題はありません。






6.カバーをはめる。
動作確認がとれたら、カバーを元に戻します。たまに、上手くはまらない場合がありますが、ゆっくりと力強くはめましょう。ネジ穴が合わない場合も、無理にねじ込まずに、カバーとネジ穴が上手く合うまで、微調整して作業しましょう。無理にはめ込むと、次回に外れなくなる場合があります。
7.完成です。\(^-^)/
やりました。メモリー増設の完成です。これで、あなたのPCはグレードアップ!!
さぁ、新しい環境で、存分にPCを使ってみてください。どうです? ソフトの起動が少し早くなったような気がしませんか?
でも、調子に乗りすぎると、トラブルの原因になりますから、程々にしましょうね。
  
 上手くメモリー認識できない場合は...
◆共通項目(メーカー製PC/自作PC
・PCに適合したメモリーか?動作確認はとれているか?相性は確認済みか?
・搭載可能な最大容量は超えていないか?
・差込が甘くないか?
・裏表を間違えていないか?

◆自作PCの場合
・PCのマザーボードやBIOSに不具合は無いか?
・ディスプレイアダプターなどに不具合が報告されていないか?
・config.sysの設定が必要でないか? 設定内容は正しいか?

◆複数枚数を増設しようとしている場合
・その不具合のメモリーだけを差して、どのように動作するか?
・別のスロットルに差し込んだら、どうなるか?

※1.どうしても、メモリーの動作を確認したい場合は、そのメモリーに適応した他のPCに差して見るのが、効果的です。
※2.まれにメモリー同士の相性が良くない為に認識・動作しない場合があります。
※3.複数枚を増設する場合は、なるべくメーカーや動作クロックを揃えましょう。

  
 増設時の注意事項 (ポイント)
・メーカー製のPCは、メモリー増設の最大容量が決まっている場合があります。なるべく、メーカー推奨の範囲内で増設するようにしましょう。(ノートパソコン等では、ハイバーネーション機能が使えなくなる場合があります。)

・PCとメモリーの説明書をよく読んでから、作業しましょう。

・作業前には、PCの電源や周辺機器のケーブル、バッテリー等は、全て取り外しましょう

・静電気はパソコンの大敵です。静電気の起きにくい服で作業しましょう。

・PCメーカーによっては、メモリー増設を行うと、メーカー保証の対象外になる場合がありますので、ご注意ください。

主な「メモリメーカ」のサイト
 メモリー増設に興味が湧いたら、さっそくメモリー販売メーカーを検索してみてください。

・I/Oデータ PC周辺機器のメーカ。お使いの機種から、適応メモリーを検索するサービスもある。信頼性の高いメモリーを販売している。PCメーカーもこの会社のモノを推奨してる場合が多い。
http://www.iodata.co.jp/index.htm

・メルコ(Melco)(BUFFALO) PC周辺機器のメーカ。お使いの機種から、適応メモリーを検索するサービスもある。
http://www.melcoinc.co.jp/index.htm

・アドテック(ADTEC) PC周辺機器のメーカ。お使いの機種から、適応メモリーを検索するサービスもある。他社より比較的に低価格なメモリーがある。その他、メモリー基本講座もある。
http://www.adtec.co.jp/



 -免責事項-
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[更新・改定経歴]
・2001年04月23日: 初版 発行
・2001年06月23日: 一部、表現を修正・加筆(購入方法・容量目安・取付方法・認識しない場合は... 等)
 
・2001年07月05日: 一部、表現を修正・加筆(メモリー容量目安・認識できない場合は... 等)
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