メモリーの豆知識 |
- ・メモリーとは
- メモリーとは、一時的にデータを保管する部品です。CPU(中央処理演算装置)の働きを助けて、短時間の記憶を処理します。電源を切ると、記憶情報は消えてしまいます。メモリー容量が多い方が処理速度が速く、高性能と言われています。
- 機能としては、複数のソフトを同時に使う時や、画像処理・動画処理などの、情報量の多い作業をするときに大きく影響します。仕事に例えれば、机の広さに相当し、「どれだけ多くの書類(ウィンドウ)を同時に開けるか?」と言う事になります。 また、他に例えれば、自動車で言えば排気量、人で言えば肺活量にも例えられます。
- メモリーが増えると、どうなるの?
- メモリーを増設することにより、ソフトの起動が早くなります。さらに、画像処理や動画処理を行うときには、処理速度が向上します。インターネットをするときにも、ページの表示速度が向上します。 とくに、CPUのスペックが小さいPCや、多少古くなったPCなどには、とても効果的な増設方法として定着しています。
- メモリーが足らないと、どうなるの?
- メモリー容量が足らないと、確実に動作が遅くなります。さらに足らないと、頻繁にPCが止まったりします(フリーズ・ハングアップ)。とくに、動画処理などをして、編集結果がスムーズに表示されない場合などは、メモリー不足が原因の場合がほとんどです。
- ハードに一日中PCを使用する場合や、動作の重たいソフトを使う人も、メモリーが足らないと、思わぬトラブルの原因になりかねませんので、注意が必要です。
しかし、最近のPCで、普通の人が普通の使い方をする場合には、特にメモリー増設の必要は無いのが、一般的です。
- メモリーの種類
- メモリーの種類は、大きく分けて、その形状と処理方法、メモリー容量で区別されています。特に、デスクトップPCとノートPC用のメモリーは異なるので、購入時には、しっかりと確認しましょう。 PCに合わないものは使えませんので、気をつけてください。さらに、形状の異なるものを無理に付けようとするのは、禁物です。基板を傷めてしまうことがあります。
- メモリーの選び方
- 実際にメモリー増設をするとなると、まず、取り付けるべきメモリーが必要です。使えるメモリーにも幾つか種類があり、それぞれに特徴があります。
◆購入方法
・メーカー製メモリー: |
メーカー純正の為、動作確認は安心だが、高価な場合が多い。 |
・メーカー対応メモリー: |
周辺機器メーカーから販売されているモノ。周辺機器メーカー側で、PCとの動作確認を行っており、価格もお手ごろになっています。
最も一般的な購入方法で、初心者におすすめです。 |
・バルク品/ノンブランド: |
上級者向けのメモリー購入方法。価格は安いが、保証が無いのが普通。初心者にはお勧めできません。
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◆メモリー容量の目安
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windows(98/Me) |
Macintosh(9.X) |
普通にワープロや表計算、インターネット・メールなど |
初級者 |
64MB |
64MB |
絵の多い文書や長時間のインターネット、私用の画像処理(デジカメ等) |
中級者 |
96MB |
96MB |
仕事用の重要な文書や表計算、私用の動画処理(デジタルビデオ等) |
中級者 |
128MB |
128MB |
CG・CAD・グラフィック主体の使用、3Dゲームや大きなデータや重たいソフトを多用する場合 |
上級者 |
256MB |
256MB |
仕事用の画像・動画処理、グラフィック ソフト複数を同時に使う場合 |
上級者 |
512MB |
512MB |
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注)メーカー製のパソコンには、メモリー増設の最大容量が決まっている場合があります。それ以上の容量は認識しない場合がありますので、ご注意ください。 |
メモリー価格の推移
- 最近は、急激にメモリー価格が下がっています。昨年の今頃では2万円程度していたものが、今は1万円を切っていることも珍しくありません。参考にメモリー価格の推移を表にしてみました。今がメモリーの買い時ですね。
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32MB |
64MB |
128MB |
256MB |
'97/10 |
24,000 |
47,000 |
90,000 |
ー |
'98/10 |
12,500 |
24,000 |
45,000 |
80,000 |
'99/10 |
8,000 |
15,000 |
35,000 |
60,000 |
'00/10 |
5,000 |
10,000 |
20,000 |
40,000 |
'01/04 |
3,000 |
7,000 |
12,000 |
23,000 |
'01/06 |
1,500 |
3,000 |
5,000 |
10,000 |
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PC-100規格対応のSDRAM DIMM のメモリの推移 2001年06月:現在 |
★大まかに計算すると、1年で約30%〜50%の値下がりがあるようです。
★今後は増設用メモリーの規格自体が変わる可能性があるため、このまま値下がりするかは、これからの動向に注目です。 |
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増設手順 |
- 1.メモリーを購入する。
- 当然と言っては、当然ですが、増設用のメモリーを購入しましょう。まず最初に考えるのは、何MBのメモリーを買うのか?と言うところです。そこは自分の要求する性能に合わせて購入しましょう。
販売店に行き、店員さんに相談するのも、一つの方法です。しかし、その時には対応メモリーを調べるのに、必要な情報をメモして行きましょう。
PCメーカーのwebサイトやメモリーを販売しているメーカのwebサイトを確認してみのも、良い方法です。webサイトは大変参考になりますよ。
- ★購入時に必要な情報
・パソコンのメーカー名とタイプ(デスクトップPC/ノートPC)
・型番や形式・モデル名など(マニュアルや説明書を参照のこと)
・どんなソフトを主に使いたいのか?(インターネット/画像処理 等)
- 2.本体カバーを外す。
- メモリーを購入したら、いよいよ増設です。
まずカバーを外しますが、ここでデスクトップPCとノートPCで、作業方法が異なります。
作業前には、PCの電源や周辺機器のケーブル、バッテリー等は、全て取り外しましょう。
・デスクトップPC
PC本体とカバーを止めているネジを外します。
説明書に従った方法で、本体からカバーを外します。
(PCの機種により、横に引き抜く形式のものと、上に外す形式ものがあります。)
・ノートPC
本体の裏に、メモリー増設用のカバーがあります。そのネジを外します。
メモリー増設用のカバーがない場合は、説明書を事前に読んで作業してください。
★ネジは小さいので、無くさないように注意しましょう。
★機種によっては、カバーがとても堅い場合がありますが、そんなときは、特に注意して、あせらず時間をかけて作業しましょう。
- 3.作業前に静電気を防止する。
- 静電気は、パソコンには大敵です。ちょっとバチッとなっただけで、二度と起動しなくなる場合があります。そんなトラブルを事前に防ぐには、PC本体内を触る前に、鉄のモノを触って除電(アース)します。自分自身に静電気が溜まっていないようにしましょう。
静電気の起きにくい服を着て、作業するのも大切です。 濡れた手では、絶対に触ってはいけません!(当たり前!!)
- 4.メモリーを取り付ける。
- 無事にカバーが開けられたら、いよいよメモリーの増設です。
メモリーの空きスロットに「カチャ」とはめ込みます。こちらも機種によっては、多少堅いものがありますので、ゆっくり丁寧に力強くはめ込みましょう。メモリーにも、裏表があるので、そこにも注意しましょう。
くれぐれも、元の基板を曲げたり、傷つけたりしないように注意してください。もし、基板が宙に浮いているような配置であれば、力のかかるところを、片方の手で抑えながら、作業することをお勧めします。
・デスクトップPC
・SIMMの場合
1.SIMMの切り欠き部分を確認して、メモリーソケットの出っ張りに合わせます。
2.ソケットし対して斜めにメモリーを差し込みます。
3.接点部分がしっかりと差込まれているかを確認して、ゆっくりと垂直になるまで、起こして行きます。
4.パチンと音がして固定されたら、完了です。
※ツメが折れないように、慎重に作業しましょう。希に傷つけてしまう人も居るそうです。
・DIMMの場合
1.メモリーの裏表を確認して、メモリーソケットに対して垂直に差し込みます。
2.多少堅かったり、きつかったりしますが、ゆっくり丁寧に力強く、最後まで差し込んでください。
3.最後まで差し込むと、左右の金具がパチンとしまります。 しっかりと固定されたら完了です。
※左右に均等に力を入れるのが、ポイントです。
・ノートPC
SO-DIMMの場合
1.メモリーの裏表を確認して、メモリーソケットに斜めからスライドするように差し込みます。
2.接点部分がしっかりと差し込まれたのを確認して、丁寧にメモリーが水平になるように、押し込みます。
3.パチンと音がして固定されたら完了です。
独自方式の場合
※各PCマニュアルやPCメーカ-にお問い合わせください。
- 5.動作確認をしましょう。
- さて、やっとのことで、メモリーが設置できても、まだ安心してはいけません。ハード的(物理的)には、はまったかもしれませんが、ソフト的(理論的)に、メモリーが認識されていなければ、本当に増設したとは言えないからです。
ここで注意が必要なのは、ほとんどの人が、メモリ-がはめ込まれたら、すぐにカバーをしようとすることです。もし、再起動しても、メモリーが認識されていなかったら、またカバーを開けなくてはいけません。そうすると、作業も大変だし、時間もかかってしまします。カバーをはめる前に、動作確認をしましょう。ただし、カバーを開けっ放しですので、PCの取り扱いには、十分注意して行ってください。
★動作確認の方法
1)PCを再起動する。
2)windowsの起動時に、メモリーカウントを確認する。(慣れてないと分からないかも..)
3)windowsのシステム プロパティーで確認する(初心者にお勧め)
[スタート]→[設定]→[コントロール パネル]→[システム]→[パフォーマンス]タブ ここで、メモリに今回増設した分の容量が足されていればOKです。ただし、システムの関係上、数字には多少の誤差がある場合がありますが、それは異常ではありません。
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左の画面は、メモリーを64MB+128MB=192MBにした状態です。
システムの計算上、1MB少なく表示されていますが、特に問題はありません。
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- 6.カバーをはめる。
- 動作確認がとれたら、カバーを元に戻します。たまに、上手くはまらない場合がありますが、ゆっくりと力強くはめましょう。ネジ穴が合わない場合も、無理にねじ込まずに、カバーとネジ穴が上手く合うまで、微調整して作業しましょう。無理にはめ込むと、次回に外れなくなる場合があります。
- 7.完成です。\(^-^)/
- やりました。メモリー増設の完成です。これで、あなたのPCはグレードアップ!!
さぁ、新しい環境で、存分にPCを使ってみてください。どうです? ソフトの起動が少し早くなったような気がしませんか? でも、調子に乗りすぎると、トラブルの原因になりますから、程々にしましょうね。
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上手くメモリー認識できない場合は... |
◆共通項目(メーカー製PC/自作PC)
・PCに適合したメモリーか?動作確認はとれているか?相性は確認済みか?
・搭載可能な最大容量は超えていないか?
・差込が甘くないか?
・裏表を間違えていないか?
◆自作PCの場合
・PCのマザーボードやBIOSに不具合は無いか?
・ディスプレイアダプターなどに不具合が報告されていないか?
・config.sysの設定が必要でないか? 設定内容は正しいか?
◆複数枚数を増設しようとしている場合
・その不具合のメモリーだけを差して、どのように動作するか?
・別のスロットルに差し込んだら、どうなるか?
※1.どうしても、メモリーの動作を確認したい場合は、そのメモリーに適応した他のPCに差して見るのが、効果的です。
※2.まれにメモリー同士の相性が良くない為に認識・動作しない場合があります。
※3.複数枚を増設する場合は、なるべくメーカーや動作クロックを揃えましょう。
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増設時の注意事項 (ポイント) |
・メーカー製のPCは、メモリー増設の最大容量が決まっている場合があります。なるべく、メーカー推奨の範囲内で増設するようにしましょう。(ノートパソコン等では、ハイバーネーション機能が使えなくなる場合があります。)
・PCとメモリーの説明書をよく読んでから、作業しましょう。
・作業前には、PCの電源や周辺機器のケーブル、バッテリー等は、全て取り外しましょう
・静電気はパソコンの大敵です。静電気の起きにくい服で作業しましょう。
・PCメーカーによっては、メモリー増設を行うと、メーカー保証の対象外になる場合がありますので、ご注意ください。
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