レビュー5
パナレーサー フットポンプ FTP
評価:★★★★★
「悪くない。楽だし。」
以前購入したフット式のポンプが鼻糞同然の出来だった。そのときに北斗七星に誓ったものだ…もう二度とフット式ポンプは買うまいと…これからは安易な道に走らず真っ当に生きるのだと。…にもかかわらず、喉元を過ぎ去った熱さを忘れ倒してしょーこりもなく買ったフット式のポンプがこれだ。
結果として、この選択は悪くなかった。
プラスチックでできたボディは軽いがしっかり感があるし、各部も壊れにくそうな感じ。実際にゴリゴリ使い倒してても壊れてないし。バルブ形式は標準で米式バルブに対応し、付属のアダプターを装着することによって仏式にも英式にも対応するので特に心配する必要はない。押し下げ圧はフットポンプなので、ペダルに体重を乗せるだけでスコスコと上限まで入ってくれる。真夏に汗だくになって、サブタンクすらついてない空気入れで空気を入れていた時代とは隔世の感がある。
エアゲージもついているので、あとでいちいち別体のエアゲージを装着して計り直す必要もない。実に快適である。価格もそう高価い物ではないのに、実によくできた物である。大変よくできました。ほめてとらすぞ開発者。しかしそのエアゲージなんだが…ちょっとこれは見づらい。押さえ→エアゲージ→フットペダルという具合に並んでいたら空気を入れつつ目を下に落とすだけで目盛りが見えるけど、この配置だと身体をよじって覗かないといかんのが辛い。
エアゲージは7気圧まで表示されているので、このあたりまでは大丈夫ということなのだろう。7気圧も入るならばマウンテンバイクやママチャリなどに空気を入れる分には必要十分。しかしロードレーサーなどの高圧タイヤを使用する場合にはさすがに使えない。本体は高圧に耐えるかもしれないが、エアゲージが破損をしてしまうかもしれないし。
そしてフットポンプ全般の弱点としてだが、空気が入れやすいかというとそうでもないということはある。片足でポンプの「押さえ」を踏んで片足でペダルを操作するとなると、快適に使用するには周りにコンクリの壁などのしっかり手をつける場所がないと安定してペダルを踏み込めるような状況とはならない。砂地など地面が柔らかかったりすると不安定でかなり辛い。体勢としては事実上片足立ちでやってるようなもんだしなぁ。
ペダルを伸ばした高さは30センチ近くもあり、実際に足をぴったりと並べた状態から片足立ちになって30センチの高さに足を上げたり下げたりしてみれば、その体勢がどれほど不安定かという事を実感できると思う。ゴムボートを膨らませるために砂浜とかで踏み込んだら、どえらい事になりそうな予感だ。まぁ、フツーは車や自転車への空気入れがメインだろうから、車のボディや自転車に手をついてスコスコやればいいので問題ないといえば問題ないのでどーでもいいかね?
そのほか悪い点としては、本体は丈夫そうな感じなのだがホースとバルブ取り付け部に少々剛性感が足らず、本当にこれでいいのかという印象を受ける。半年ほど毎週一回は使用した時点で今のところ壊れてはいないのだが、将来はどうなるか分からん。それと下部にゴム足がついているのだが、これがよく取れてしまうのもマイナス。別にあってもなくてもかまわないような物なので、おいらは取り外してしまっているが。あと、やはりフットポンプゆえにストロークが短く一回あたりの空気注入量が少なく空気を入れるのに時間がかかってしまうのが残念。押すのは楽でもトータルでの労力は手押しとあまり変わらない感じだ。
全般的に見て、マウンテンバイクやママチャリなどの低圧タイヤを使用する分には十分だろうと思う。お手軽だしコンパクトなので場所も取らないのも好感だ。ただ、これが壊れて次に何か買うとしたらやっぱり手押し式のポンプにするかもしれん。たぶん。
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