冬彦さんの名台詞を検証します。                    hide

「はじめてあった時からそう考えていました。・・・・いけないかな、花を見て最初に綺麗だと
 感じるように結婚を考えては。」

  
  第1話で美和にプロポーズした時の言葉。後々の彼からはちょっと想像できない、まともでかつ恐ろしく歯の浮く台詞。このドラマは冬
  彦さんというキャラが途中から一人歩きする中でストーリーはかえていったのだろうが、この台詞は結果的には冬彦の幼少時の出来
  事につながる、という展開は見事。

「味噌汁はひどかったね。味噌を変えて。母に聞くといい。」
 
  第2話で美和と冬彦の新婚最初の朝食後に出た言葉。笑みさえ浮かべながら言い放った。味噌汁をけなすだけならまだしも、何の抵
  抗もなしに「母に聞くといい」と最後に付け加えるところがこの台詞のポイント。「マザコン冬彦」が台詞として垣間見えた最初の場面。

「君が淫乱だとは知らなかった。」

  結婚後性交渉のない夫婦生活に、ついに我慢しきれなくなった美和が「どうして何もしないの」と迫った。それに対し冷酷さを感じさせ
  る響きで冬彦が返した台詞。第3話の最終場面で使われた点と二人の会話が締め切られたドアをはさんで行われる点が絶望感をよ
  り大きくしている。あまりのショックで正気をなくしたような美和の表情が視聴者に次週を待ち遠しくさせた。

「ヴヴヴむむぅぅぅううううううーぶむぅ。むうぶヴむヴヴヴヴむむーーううぅぅぅぅぅ。」

  第4話の最後で、冬彦に想い出のスクラップブックを焼かれた美和が激怒して家を出て行く場面で出た台詞。この台詞は佐野史郎
  氏の発案だという。台詞というよりまさに「うめき声」である。あの微妙な唇の形は真似できない。なおこの場面で冬彦がやっているゲ
  ームはファイナルファンタジーWである。

「僕に指図するな!僕のやり方にケチをつけるのか、君は。」

  第8話、冬彦がベッドで美和を抱く場面で美和が何気なく「冬彦さん、やさしくして」と声をかけたところ、美和の真意を誤解して逆上
  してでた台詞。冬彦の異常なまでのプライドの高さがうかがえる。このことはのちのち美和への信頼感に影を落とすことになる。

「その時はオレが美和を幸せにするーーーーーですか?ウヒッヒフフフッハホッホウハッハ
 ハ。笑わせるなー。うらやましいですよ。ラグビーしか知らない人はそんな単純で。そうや
 ってロクに頭も使わず生きてるから高校生の時、人一人殺しても平気なんだ。」
「美和ーー、あんなやつには渡さないからねーー。ヴヴむううううううーー、むうううううううう
 うううううぅぅぅぅぅ。」


  第9話。この回は冬彦節全開であった。佐野史郎氏の奇人変人の極地を行くような演技には脱帽である。この台詞は冬彦を問い
  詰めるために洋介が冬彦の会社にやってきたときのもの。洋介が「美和さんが幸せでないなら、、」という趣旨の台詞を言った直
  後に爆発した。洋介を小ばかにしたようなトーンに加え、手下が洋介を取り押さえている間、遠くからジャブを打つ格好をする姿は
  いつも洋介の影に怯える深層心理が表面化したものと思われる。

「こうなる気がしてた。君たち二人が一緒になろうとすると必ず誰かが犠牲になる。君と大
 岩洋介はまた人を一人不幸にした。あーらーらーあーらーらーしーらないぞーしらないぞ
 ー、フッフッフッフ、フッハッハッハッハッハ、フッハッハッハッハッハ・・・・。」

  第11話。手首を切った律子が病院へ運び込まれた場面で美和と洋介に向かって放った台詞。笑うところが冬彦の狂人ぶりを表し
 ているが言っている内容そのものは至極正しいものだ。このドラマは美和、洋介、冬彦、律子の四人を中心に描いているがこの中
 では律子だけが被害者であとの三人は全て加害者である。

「行くなあ!触るなあ、僕の妻に汚らわしい手でえええ、あああああ、あああああ、あああ
 ああああああああぁぁぁぁぁぁぁ、、、、、。」


  第12話。洋介が美和を冬彦のマンションから強引に連れ出したときのわめきである。子供のように泣きわめいていた。ただ納得
  できるのは「汚らわしい手」である。事情はどうあれ美和はまだ冬彦の妻なのであるから洋介の手が汚らわしいものであることは
  間違いない。いくら綺麗事を並べたところで不倫、略奪愛である。