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各回あらすじ
【VOL.1】「危険なお見合結婚」
30を目前に控えた美和は、父・常雄の勧めで地元仙台に帰り、エリート銀行マン・冬彦と見合いをする。
当初は全く気の進まない見合いであったが、徐々にまんざらでもない気持ちになる。冬彦を東京へ見送った
後、美和は母校の高校へ足を運ぶ。そこではなんとかつての恋人、大岩洋介がラグビー部のコーチをして
いたのだ。二人はしばらくとりとめのない話をして、その日はそのまま別れた。
仙台から帰って一週間、美和は東京のレストランで冬彦からのプロポーズを受ける(冬彦さん名言集参照)。
結婚に対して美和は少しづつ腹を固めていく。その一週間後、熱を出して寝込んでいる美和に冬彦が見舞
いに来て食事をつくってくれた。美和の心はますます浮きたっていく。
それからしばらくしてついに美和と冬彦は結婚する。しかし結婚式会場で美和は別の式に出席していた洋
介とバッタリ遭遇してしまう。呆然と立ち尽くす二人。複雑な感情を抱いたまま式は終わった。
【VOL.2】「セックスしない夫」
「味噌汁は・・・」(冬彦さん名言集参照)で始まった新婚生活だが全く性交渉のない二人の関係に美和は
悩みを深めていた。今後の生活への不安感を募らせていったある日、美和が買い物から帰ってくるとそこ
には冬彦の母・悦子がいた。冬彦からもらっていた合鍵で中に入っていたわけだが、そこで美和は「風邪
の看病」は冬彦の発案ではなく、悦子の差し金だったことを知り愕然とする。
その日、洋介と偶然多摩川沿いで美和は会う。沈んだ美和を元気付けようとする洋介は、次の日の自分
のラグビーの試合を冬彦と一緒に見にくるよう持ちかける。美和は応援に行くことを洋介に約束して、その
日は別れた。
しかし運の悪いことに冬彦は上司の孫娘のピアノ発表会が重なってしまい、しぶしぶ美和も付き合う羽目
になる。発表会が終わると「今からでも間に合う」と美和は冬彦をラグビーに誘うがすげなく断られる。仕方
なく一人で洋介の応援に向かう美和。そこで衝撃的なシーンに出くわす。高校生の時に美和がプレゼントし
たお守りである人形を洋介はまだ大事に使っていた。胸が一杯になる美和。そんな様子を背後の通路から
じっと恨めしそうに見つめる人影があった。冬彦であった。
【VOL.3】「氷の微笑」
未だに何もない冬彦と美和。夜中に涙を浮かべる美和を見かねたのか冬彦は翌日の夜一緒に外食へい
くことを約束して床につく。そして翌日、悦子がやってくる。外食の話を聞いて悦子もともに行きたがるが、美
和は、冬彦と二人だけで行きたいと言って断る。
その晩、約束したレストランで美和は冬彦がくるのを待っていた。しかしいくら待てども冬彦は来ない。待
ちかねた美和は冬彦の職場へ電話する。冬彦は、悦子を断った美和を責め、レストランへは行かないと言
って電話を切る。落ち込む美和だが帰途で会った洋介の「俺が西田のお守りになってやる」という言葉に救
われる。
翌日、美和は友人の知子を呼んだ。知子に冬彦をけしかけてもらうことで荒治療を施そうとしたのだ。知
子は冬彦に、美和をしっかり愛するように諭して帰る。
帰る知子を見送った美和が部屋へ戻ってくるとカーテンがズタズタに切り裂かれ、美和が買ってきた花も
めちゃくちゃにされている。部屋にとじこもっている冬彦を問い詰め、どうして何もしないのと迫る美和だが
僕の言うとおりの妻になっていない、という言葉の後にグサリとくる台詞(冬彦さん名言集参照)を冬彦に言
われ、呆然とする。
【VOL.4】「妻の過去は許さない!」
衝撃の夜が明け、美和は一度里帰りをしたいと冬彦に申し出、冬彦も快諾する。美和が実家に帰って
みるとなんと悦子がいた。冬彦が事前に電話をしていたのだ。気を休める暇もないまま美和は大学時代
の洋介が載っている新聞のスクラップブックをバッグに入れ、帰りの新幹線へ向かった。
ちょうどその時、高校のコーチの為仙台にやってきていた洋介と駅で美和は遭遇する。そのまま洋介と
なごやかな時間を過ごす。美和はその日のうちに東京へ帰れと父・常雄に忠告されていたものの躊躇し
て帰れず、そんな美和をほっとけない洋介は恋人の律子が東京の自宅で待っているとも知らずにそのま
ま海岸で夜が明けるまで二人きりでいたのだった。
翌日の夜、美和が東京へ帰ると冬彦が自宅で待っていた。美和が風呂から出てくると、冬彦は仙台で
の美和の行動を逐一述べだした。何と冬彦は美和のあとをずっとつけていたのだ。さらには、美和が風
呂へ入っている間に、バッグの中に入っていたスクラップブックをベランダで焼いていた。激怒した美和
は家を出て行った(冬彦さん名言集参照)。
【VOL.5】「涙の誕生日」
家を出た美和はとりあえず知子の家に泊まった。その翌日の晩、常雄から電話が入った。常雄に指
定された喫茶店に向かうと常雄に冬彦、そして悦子がいた。冬彦が頭を下げたものの、美和はもう帰ら
ない旨を伝え、離婚の意志も伝えた。しかし悦子は「必ず帰ってもらう」と強気であった。
そして美和は知子の夫・啓一の紹介で仕事に就き、アパートも見つけて一人暮らしをはじめた。しかし
「必ず帰ってもらう」という悦子の執念は本物で、卑劣な手段で美和を仕事をやめるハメに追い込む。
その数日後の夜、洋介のマンションに律子が訪れる。洋介の留守を確かめると律子は美和のアパート
へ向かった。美和が以前に洋介に引っ越した旨を伝えた電話した際に律子が取り次いでいたため住所
は分っていたし、それに既に一回、洋介を誑かさないように美和にクギをさしにも来ていた。律子はイヤ
な予感がしていたのだ。
同じ晩、アパートにいた美和は人の気配を感じて外に出た。そこには洋介がいた。美和の誕生日プレ
ゼントに洋介は自分のジャージをもってきたのだ。洋介に泣きながら抱きつく、いやそれを通り越して”し
がみつく”美和。そこへ律子がやってきた。その場が凍りついた。
【VOL.6】「離婚裁判」
それからしばらくして美和のもとに速達が届いた。家庭裁判所からの調停の通知だった。冬彦側が夫
婦の同居義務をたてに申し立てたものだった。新たな職を見つけ、一人暮らしに慣れてもきた美和は仙
台の悦子に調停の取下げを求めに行く。しかし悦子の姿勢は強硬で冬彦のもとへ帰れと突っぱねられ
るだけだった。
そんな中で洋介の会社のラグビー部はシーズン限りでの廃部が決まる。洋介は仙台の高校ラグビー
部の監督を引き受け、職を探すことにする。。
そして調停が始まった。しかし美和は肝心なことを主張しないままその日は終わってしまう。
翌日、会社の書類をもってぼんやりと歩いていた美和は洋介と彼の会社の前で偶然出会う。洋介は
仙台へ帰って暮らそうとしていることを美和に伝える。美和の胸に一抹の寂しさがよぎった。
洋介が仙台へ向かう新幹線のホーム、洋介がいなくなることへの寂しさに耐え切れなくなった美和が
走り出す新幹線を追いかける。美和に気付き、いつまでも窓の外を見ている洋介。すると車内で聞きな
れた声が洋介の耳に入る。律子が洋介を追いかけ、同じ新幹線に乗ってきていたのだ。遠ざかる新幹
線を美和はいつまでも見つめていた。
【VOL.7】「ビデオテープの告白」
洋介と律子が仙台に着く。律子は洋介から高校時代の事件、つまり洋介が美和と朝帰りしたのを聞
いた女の子がショックを受けて自殺し、それきり二人が会えなくなった件について聞く。高校の監督を
引き受けるつもりだった洋介だが踏ん切りをつけることができず、とりあえずその話は先延ばしにした。
美和の二回目の調停の日がやってきた。別居の事情について必死で話す美和だが、洋介のことで
つい後ずさりしてしまう。冬彦側は次回調停に洋介の出席を求めた。その日の晩、美和、冬彦、常雄、
悦子の四人で話し合いが行われた。あくまで洋介の出席を求める悦子に対し、美和は洋介に迷惑を
かけたくない一心で、もう洋介とは会わない旨を誓って一筆したためる。またその日、美和は常雄と悦
子が二人きりで話す現場に遭遇し、銀行の融資の件で常雄が悦子に頭が上がらない事実を知る。
数日後、冬彦が自分のミスを隠すために架空取引をした件で上司に呼び出されているところへ悦子
がやってくる。冬彦は何の断りもなく押しかけてきて自分の為に頭を下げる悦子に、嫌気が差していた。
ある日美和が家へ帰ると、郵便受けにビデオテープが入っていた。そのビデオテープは冬彦が涙な
がらに美和に対する自分の非を認め、謝っている内容だった。美和の心が少し揺れた。
三回目の調停がやってきた。美和の知らないところで洋介にも連絡が入っており、洋介も出席した。
洋介は美和との関係をきっぱりと否定する。調停のあと、冬彦は悦子を振り切り美和と二人きりで話
をし悦子と距離をおくこと、銀行を辞めたあと新しい会社に就職したこと、それに美和への心からの想
いを伝えた。
夜、アパートに戻った美和の電話が鳴った。洋介からであった。洋介は自分の最後の試合のことを
伝え、高校時代にもらったお守りを美和に返し、気持ちの整理をつけた。
翌日美和は冬彦のもとへ帰った。そして結婚後初めて関係を持ったのだった。
【VOL.8】「性生活の不一致」
洋介は仙台の高校の監督の話を断り、ラグビーを引退する決心をする。そして以前からの約束どお
り律子にプロポーズした。
ある朝、冬彦はふとしたことから美和に返された「お守り」を見つけてしまう。前の夜の美和の言葉と
あわせて(冬彦さん名言集参照)、美和への不信感と洋介への嫉妬を募らせた。
冬彦から美和への不信感を聞いた悦子がやってきた。美和は悦子と話をする中で、常雄の店の融
資の縁で冬彦と見合いをしたことを知ったのだった。
そんなある日、冬彦は律子が会社からでてくるのを待って声をかけた。「お守り」が自分の家にある
ことを伝えて律子の不安を増長させる冬彦。二人は洋介と美和を含めた四人で翌日に食事をする約
束をした。
そして翌日、既に冬彦と美和がついていたレストランに洋介と律子がやってきた。相手のことを「友
達」としか伝えられていなかった洋介と美和は愕然とする。美和とのことを遠まわしに洋介に聞く冬彦。
冬彦の度を越した失礼な言葉に洋介は怒り、退席した。その後律子は洋介に問い詰められるが律子
は泣きながらいくら洋介を信じても、美和とのことは不安だったと言った。一方、冬彦宅では、冬彦が
謝りながら美和を書斎へ連れていった。そこで冬彦が美和に見せたビデオはSMクラブの映像だった。
冬彦は以前、会社の手下に連れて行かれたそこでSMに目覚めていた。美和の目の前にSMグッズを
差し出す冬彦。美和は震えが止まらなかった。
【VOL.9】「悪夢の妊娠」
洋介と律子は会社のロビーに呼び出された。呼んだのは悦子だった。悦子は洋介に「美和にまだ未
練があるのか」と聞く。相手にしない洋介だが否定もしない。律子は言い返さない洋介にもどかしさを
感じていた。
美和の不幸せそうな表情や姑までが自分の会社に押しかけてくる状況を見かねて洋介は会社まで
冬彦を「美和は本当に幸せなのか?」と問い詰めに行った。手下達につまみ出される中で「美和はオ
レが守る」と洋介は叫んだ(冬彦さん名言集参照)。
一方美和は妊娠が発覚する。嬉しい反面、胸のうちでは冬彦の子を産む怖さが同居していた。
洋介はついに律子との婚約の破棄を決心する。律子の兄・健治に謝罪にいった洋介は雨の中ずぶ
濡れになりながら美和の家へ向かった。
美和の家の電話が鳴った。洋介からだ。出てこないならこちらから行く、との洋介の迫力に負け、美
和は洋介に会いに行った。やって来た美和に自分の12年間の気持ちを伝える洋介。「私だって」と美
和がこたえる。そこに律子の悲鳴が聞こえた。事情を健治に聞いてやってきたのだ。美和を突き飛ば
し、洋介にしがみついて彼を責める。突然、美和がそこへへたり込んだ。つわりだ。「あの人の子よ。
もう大岩君を好きになってはいけない。」帰っていく美和を洋介はやり切れない気持ちで見つめていた。
美和が帰ると冬彦が待っていた。妊娠の報告をする美和。しかし冬彦はお腹の子は大岩の子だ、
と美和に冷たく当たる。美和は言葉も出なかった。
【VOL.10】「人形の家」
美和が仙台に帰った。美和は冬彦との生活に限界を感じ、離婚したいと言い出す。その後、悦子と
冬彦もやって来た。しかし美和の離婚の決意は変わらずお腹の子もおろそう、と考えていた。
そして美和は東京へ帰った。冬彦は離婚の申し出に首を縦に振らない。その時、電話が鳴った。知
子からだ。すすり泣く知子の声に不安を覚えた美和は慌てて彼女のところへ向かった。知子のお腹の
子が流産してしまったのだ。そんな知子を見て美和は自分一人でお腹の子を育てる決心をする。
洋介は律子に婚約の破棄を伝えた。その帰り道、美和と会う。美和の離婚の意志を聞き、洋介はお
腹の子を一緒に育てようという。二人は洋介のマンションへと帰っていった。
二人が中にいることを知らず、律子はドアの前に立っていた。洋介のためにつくったお守りをドアノ
ブにかけ、帰ろうとしたその時、人影が立ちはだかった。冬彦だ。冬彦は律子をがっちりつかまえると
洋介のドアを激しくたたいた。洋介がドアを開ける。律子の視界に入ってきたのは別れたばかりの洋
介とそして美和だった。律子が立ち尽くした。
【VOL.11】「姑の罠」
洋介と美和の二人一緒の姿にショックを受け、走り去った律子。翌日、洋介のマンションへ自分の
荷物をとりにやってきた。律子は美和に、妊娠しているかもしれないと脅しをかける。その晩、悦子が
やってきた。冬彦と話し合いをさせるために美和を連れ戻しにきたのだ。一旦冬彦の家へ帰ったも
のの、美和の意志は変わらない。冬彦を溺愛する悦子の姿は美和のその意志をより強固にするだ
けだった。翌日、洋介も会社で律子に会った際に妊娠してるかもしれないと告げられる。律子は冗談
だと否定はしたが、真相はわからない。洋介は呆然とした。
その日の夜、美和は洋介のマンションへ電話をかけた。そこへ出たのは息も絶え絶えの若い女の
声だった。律子だ。異変を感じた美和は洋介のマンションへ向かった。そこでは何と律子が手首から
血を流して倒れていた、、。
病院へついた美和、洋介、健治の前に冬彦が現れる。冬彦の狂気じみた笑い声が廊下に響き渡
った(冬彦さん名言集参照)。
【VOL.12】「冬彦の狂気」
律子は一命を取り留めた。美和は洋介に、律子のそばにいてやるようにと言って、冬彦について
家へ帰った。翌朝、律子が目を覚ました。律子は洋介に妊娠は嘘であったことを告げ、美和にも謝
っておくように頼んだ。
律子の病室を後にした洋介は冬彦のマンションへと向かった。洋介は冬彦の抵抗をものともせず
に強引に美和を連れ出した(冬彦さん名言集参照)。洋介は自分のマンションまで一緒に行こうとし
たが、美和は中途で立ち止まり、仙台に帰ると洋介に言う。
美和が仙台に帰ってきた日、実家「にしだ」の電話が鳴った。洋介からだ。母・春子は洋介に夕方
高校のグランドにくるように、と伝え電話を切った。仙台に向かおうとした洋介だったが律子の容態
が心配で病院を離れることが出来ず、美和は高校のグランドで待ちぼうけをくって日が暮れた。
翌日、美和が東京へ帰った。洋介の最後の試合を見るためだ。常雄も悦子と話をするために東
京へ向かった。常雄は美和の意志を尊重し、店を手放してもいいと腹を括り悦子にそう伝えた。
洋介の最後の試合が始まった。しかし洋介の姿はない。試合を欠場することでせめてもの自戒に
しようと思ったのだ。そんな中、自宅マンションで物思いにふけっていた洋介の背後で電話が鳴った。
留守電に美和がメッセージを吹き込んでいる。その言葉に揺さぶられ、洋介は試合へと向かい、チ
ームは逆転勝ちする。
その夜、美和と冬彦の話し合いが始まった。洋介の試合を密かに見ていた冬彦は美和の洋介へ
の情熱にあきれ返り離婚を決意する。しかしそれを聞いた悦子は激怒した。冬彦は自分達の結婚
生活に執拗に干渉してくる悦子についに我慢ならなくなり、部屋中のものを破壊して暴れる。そして
床に転がったガラスの破片を手にとり、悦子を刺したのだった。
【VOL.13】「NO SIDE!」
刺された悦子だが大事には至らなかった。冬彦が警察の取調べを受けている一方で、常雄と二
人で見舞いに行った美和は悦子から「冬彦はずっと美和さんが好きだった」と気になることを聞か
される。また洋介は九州の会社にラグビーのコーチとして転職することになった。
病院を出た美和は洋介と会う。常雄は洋介に「娘の力になってくれ」と伝え、その場を去った。美
和と洋介は、翌日の夕方に多摩川沿いで会うことを約束して別れた。
翌日、洋介はニューヨークへ転勤する律子を空港へ見送りに行き、美和は警察まで冬彦に会い
に行った。面会室でガラス板を挟んで会う二人。そこで冬彦は美和が初恋の人でその子供の頃か
らずっと好きだったことを打ち明け、美和には幸せになって欲しいと言い残して去っていった。
夕方、美和は多摩川沿いで洋介を待っていた。遠くから人影が近づいてくる、洋介だ。駆け寄って
抱きしめあう二人。二人は九州へと旅立った。
数年後、グランドで洋介がラグビーの指導をしている。幼い兄妹を連れている美和。練習が終わ
って家路に着く一家四人だが美和は不意に誰かに見られているような気がして振り向いた。しかし
そこには誰もいなかった。ただ蝶が木にとまっていたのだった、、。