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タイトル田母神論文の背景
投稿日: 2009/03/09(Mon) 07:07
投稿者波方鵜晏
参照先http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jcast-27291/1.htm


以下、引用。

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従来の日本の保守には、単に「共産主義には賛同できない」というだけで

「結局当時の日本人は馬鹿だったのだ」と最終的には日本を軽蔑し、侮蔑する人たち

 と、田母神論文にあるように

 「日本は素晴らしい国だ」「侵略国家ではない」と考える人たち

 の2種類の流派から構成されていた。前者が、半藤一利氏、保阪正康氏、北岡伸一氏、五百旗頭眞氏、秦郁彦氏であり、後者が中西輝政氏であり、西尾幹二氏であり、小林よしのり氏であり、渡辺昇一氏であり、櫻井よしこ氏であった。この二種類の流派の人たちをよく見れば、興味深いことに気がつく。前者の人たち、例えば防衛大学学長の五百旗頭眞氏などは、インテリジェンスの役割に否定的である。秦郁彦氏に至ってはヴェノナのヴの字も知らない有様である。これは余談だが、もうつぶれる「諸君!」での秦VS西尾対談では、秦郁彦氏が無様な無知振りをさらしていた。ニコルソン・ベーカーも知らない。膨大に出ているベノナの研究文献も知らない。だいたい、ハリー・デクスター・ホワイトの戦後の活動も知らないのだから、「ホワイトがスパイではない」という方が今やトンデモである。

知らない方が「陰謀論だ〜♪」と叫ぶ

のだから、始末に負えない。それに対して、後者の人たちは、日本に対する思いが強いのは当然であるが、何よりもインテリジェンスを重視しているという特徴がある。一つ例を挙げるならば、前者の人たちの本には、コミンテルンに対する言及は実に少ないのだ。日本の軍部だけがひたすら悪者なのである。またコミンテルンに関する文献は左翼の学者によるものがほとんどで、世界中でコミンテルンがどう活動していたのかその実態はさっぱり分からない。なぜ、日本が「侵略国家ではない」といえるのか。その答えはインテリジェンスにあるのだ。

 そこで、今回紹介するのが『世紀の大スパイ・陰謀好きの男たち』(柏原竜一著、洋泉社) である。

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作者は、以前に紹介した佐藤優批判論文の作者でもある。この本は、そもそもはインテリジェンス入門という位置づけの本なのだが、実は田母神論文でも問題になっている戦間期のソビエト情報活動に詳しいのである。張作霖爆殺事件などへの直接の言及はないものの、簡潔に当時のソビエト・インテリジェンスの重層的な構造が解説されている。一口にコミンテルンといっても、ロシア革命勃発前後から相当活動を行っていることが分かる。ネタバレになるので、あまり詳しくは書けないが、戦間期、少なくともスターリンの大粛正の前までは、赤軍情報部(GRU)が大きな役割を果たしていたのだ。従来の左翼の学者の研究では、ゾルゲの上官としてしか記述されないベルジンの辣腕ぶりも紹介されている。ネタバレになるので細かくは書けないが、「清掃人」に「靴の修理屋」の果たした役割も、実に興味深いものだ。ドイツ共産党での活動履歴があったゾルゲが、ナチス党員を装って日本にまでくることができたのも、彼らのおかげだったのである。

 その他にも、SOEやJIC、ドイツのアプベーアなどの記述も充実している。ルーズベルトの青年期の失敗には、後の行動様式の原型が見いだせる。手軽にインテリジェンスの生々しい実態を知るには手頃な入門書ではないだろうか。なんと言っても、田母神論文の背景を知るにはもってこいの本だろう。
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http://www.nikaidou.com/

- 関連ツリー

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