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この本の始めに、「我が子たちに」という献辞が挙げられています。そして序文の終わりには、「献辞に挙げた者たち(わが子たち)には、本書の精神に則るなら、感謝とは別の仕方での責を私は負っている。」作者は、この本を著わすこと、そして、これからの子供たちのために地球環境問題に対する責任を果たすことを義務として引き受けなければならない。そして、すべての人々が・・・

序文

第1章 人間の行為の本質は変わった
 1.古代の例
 2.従来の倫理学の特徴
 3.責任の持つさまざまな新しい次元
  1.自然の傷つきやすさ
   2.道徳の中で知が果たす新しい役割
   3.自然に固有な道徳的権利?

 4.人間の「使命」としての科学技術
 5.古い命令と新しい命令
 6.「未来倫理」の従来のさまざまな形
  1.彼岸で完成されるという倫理
   2.政治家の未来への責任
   3.現代のユートピア

 7.技術の対象としての人間
  1.生命の延長
   2.行動制御
   3.遺伝子操作

 8.技術の進歩が持つ「ユートピア的な」力学と、過度の責任
 9.倫理的な真空状態

第2章 基礎問題と方法問題
 1.「未来倫理」における理念知と現実知
 2.好ましい予測よりも好ましくない予測を優先しなければならない
  1.大きな冒険に際しての蓋然性
 3.行為の中にある賭の要素
  1.私が他者の利害を賭金とすることは許されるか
  2.私が他者の利害を丸ごと全体として賭金とすることは許されるか
  3.改善主義の理由で全体を賭金とするようなことは、正当化できない。
  4.人類には自殺する権利はない
  5.「人間」の生存が賭金とされてはならない

 4.未来に対する義務
  1.未来倫理では相互性は要請されない
   2.子孫に対する義務
   3.子孫が存在することに対する、また子孫の在り方に対する義務
   4.人間という理念に対する存在論的責任
   5.存在論的理念が生み出すのは定言名法であり、仮言名法ではない。
   6.二つのドグマ−「形而上学的真理はない」、「(ある)から(べし)へ至る道はない」
   7.形而上額の必要性

 5.存在(ある)と当為(べし)

第3章 目的と「存在の中での目的の位置」について
 1.ハンマー
 2.歩行
 3.消化器官
 4.自然現実性と妥当性−目的問題から価値問題へ

第4章 善(良さ)、当為、存在−責任の理論
 1.存在(ある)と当為(べし)
 2.責任の理論−さし当たりの区別
 3.責任の理論−際だった範例としての、親と政治
 4.責任の理論−未来の地平
 5.政治的責任はどの程度まで未来へと及んでいるか
  1.あらゆる政治は、将来も政治が可能であり続けることに対して責任を持つ
 6.「責任」はなぜこれまで倫理学説の中心に据えられなかったか
 7.子ども−責任の原初的対象

第5章 今日の責任−危機にさらされる未来と進歩思想
 1.人類の未来と自然の未来
 2.ベーコンの理想には不吉な脅威がある
 3.危険によく対処できるのはマルクス主義か資本主義か
 4.抽象的な見込みの具体的吟味
 5.これから現れる「本来の人間」というユートピア
 6.ユートピアと進歩主義

第6章 ユートピア批判と責任の倫理
 1.地に呪われた者と世界革命
 2.マルクス主義的ユートピア
 3.ユートピア批判から責任の倫理へ

訳者による解説
 ハンス・ヨナスの短い紹介
 思想的生涯を振り返って
 「責任という原理」の読み方

各章の始めには梗概がありますので、まずこれだけでも読むと全体の理解の助けになります。

主要目次だけでは、本書の内容がわからないのでサブタイトルを無断で載せました。(すべてではありません。)