――2002.8/5〜8/7――
あかじそファミリー《また!》海に行く


@「鬼のカクラン」



 私の知らないところで、今年の夏もまた、
私の両親と私たち家族が旅行に行くことが決定されていた。
(私の夫については、「仕事のため不参加」と、両親は勝手に断定)

 私(あかじそ)の両親(じじじそ&ばばじそ)と、
私の子供たちの間で話し合われた結果、
「去年とまったく同じコースを回る」ということになったらしい。

 ・・・・・・と、いうことは、
1日目は海に行き、
2日目は教会のような弟の家でバーベキューをし、
鴨川シーワールドでイルカショーを見て、
3日目は車中で大喧嘩しながら帰宅・・・・・・
と、いうことなのだろうか?

( 参照:2001年度版「あかじそファミリー海に行く」 )
      

 旅行が近づくと、去年と違うことが次々と発生した。

 ひとつは、アカンボが生まれた弟一家も、この旅行に参加するということ。
 これは嬉しかった。
 姪っ子の成長を旅先で見られる楽しみと、
人数が増えることでじじじその独走態勢が崩せるかもしれない。
 なんせ、私の父という人は、
「唯我独尊」「わが道を行く」「俺の俺流」「俺の靴に口づけをしやがれ」
という人なので、本当に周囲の人間は閉口してしまうのだ。
 ひとことで言えば、「61歳児(だだっこ)」である。

 ただでさえ傍若無人なこいつを、旅先でどのように扱うか、
これが私と母の最大のテーマなのだった。

 ところが、ここへ来て発生したもうひとつのできごととは!

 「ばばじそ、はじめての夏パテ」。

 毎年へろへろに夏バテしてしまう私を横目に、
「私は夏に強いのよ。逆に食べすぎで太るくらいよ」
と言っていた母が、生まれて初めて夏バテしてしまった。
 暑くて連日眠れない日が続いたのと、風邪と、ハードな趣味の旅行が続き、
起きていられないほどのひどい偏頭痛に苦しめられていた。

 「あたしは行かないけど、楽しんできてね」

 そう言うばばじそのことばを、肩を落として聞いていたのは、
私だけではなかった。
 子供たちも勿論ガッカリしてしまったが、誰より泣きそうになっていたのは、
ばばじそを好きで好きで死ぬほど好きでたまらないじじじそだった。
 「ばあさん、行けないんだって・・・・・・」
 前日、力なく報告しに来て、そのままうちの車に乗ってじじじそは自宅に帰った。
 今年は、うちのシャリオ(7万キロ超)で行くことにしたのだ。

 昨年じじじそは、自分の片腕だった、ワンボックスカーを泣く泣く処分した。
 「釣りに行った時、車の中でクソできるからよぅ」
という理由で10年乗っていたが、
結局車で「クソ」は1度もしないまま、新車に買い換えた。
 新しい車はトヨタのビッツで、夫婦ふたりの移動という用途に絞って選んだらしい。
 勿論、ビッツでの「クソ」は、ご法度だ。

 ああ・・・・・・

 今年も長い長い2泊3日のドライブが始まる。
 すべての要となるばばじそは、そこに居ない。

 どうする、どうなる?
 61歳児・じじじそと、じじじその天敵あかじそ、そして、4人の息子たち!
 0歳児を囲んでラブラブな弟・おあじそ一家との合流まで、あと30時間。

 一触即発状態のまま、出発の午前5時半が近づいていく。

                    (Aに続く!)
2002.08.08 作 あかじそ