施設の概要
千曲衛生センターは、し尿及び浄化槽汚泥などを衛生的に処理し、真水と汚泥肥料として環境に還元する施設です。
ここでは、千曲衛生センターの工場内をご案内します。
受入室
収集したし尿などを受け入れる部屋です。
自動ドアを設け、臭気が外部に漏れない構造になっています。
さらにトップライトの採用で部屋全体が自然採光に包まれた明るく清潔な部屋です。
沈砂除去設備
スパイラルコンベアを利用して、より安全で衛生的に効率よく汚泥中の砂、小石類を回収します。
前処理設備
し尿に混在している布きれや紙などを細かく砕いて、ドラムスクリーンで取り除きスクリュープレスで圧縮し水分を除去し外部の焼却施設に搬出します。
また、し尿は貯留槽を経て、脱窒素処理工程に送られます。
中央操作室
各処理工程の運転状況は、グラフィックパネルとコンピュータにより集中管理制御を行っています。
このシステムにより万一の故障や事故の発生にも素早く対応することができ、多様化する施設の運転をスムーズに行っています。
脱窒素槽
わずか1ccの中に含まれた数十億個もの脱窒素菌が、し尿中の有機物を栄養源にして活躍。
硝化槽から循環してくる硝酸を窒素ガスに変えて取り除きます。
硝化槽
脱窒素槽から流出されるアンモニアを硝化菌が硝酸になります。
この硝酸の80%を脱窒素槽へ循環、残りの20%を次の工程で処理します。
二次脱窒素槽
ここに送られた20%の硝酸は、栄養源としてアルコールを添加され、脱窒素菌の働きによって窒素ガスに変えられます。
再ばっき槽
前段の脱窒素工程で発生した窒素ガスをばっきによって抽出し汚泥の沈降性を高めます。
沈殿槽
大量の活性汚泥(微生物の集合体)に変わった有機物を、ここで自然に沈降させます。
沈殿した汚泥の大部分は脱窒素槽に送り、残りは汚泥処理工程に送って処理します。
凝集沈殿槽
混和槽と凝集槽でフロックにした汚泥をこの槽で沈殿させます。
リンやSS、COD、色度成分などはこの工程で同時に取り除かれます。
オゾン反応槽
凝集沈殿槽の上澄水に残っている色度成分を強力な酸化力をもつオゾンの働きで、分解・脱色します。
←オゾン発生装置
酸・アルカリ次亜塩脱臭設備
高濃度臭気は、生物処理されており、昼間は乾燥設備で燃焼分解しています。
水処理施設および汚泥再生施設の臭気は中濃度臭気として、酸、アルカリ洗浄により処理し、低濃度の臭気は活性炭脱臭塔により臭気成分を除去しています。
活性炭脱臭塔
万全の臭気対策として、中濃度及び低濃度臭気それぞれに活性炭脱臭塔を設置して、無臭のガスとして大気に放出しています。
砂ろ過機
凝集沈殿槽でわずかに取り残された、SSをアンスラサイトや、ろ過砂によって取り除きます。
フィルタープレス型脱水機
汚泥は濃縮後薬品を使ってフロック状にしたあと、脱水機にかけます。
この脱水機は、濾布を使い機械的に圧力をかけて水分を除去します。
乾燥設備
脱水ケーキは乾燥機の火力により水分を取り除かれ、汚泥再生のための原料となります。
篩分機&剪定枝破砕機
剪定枝は、篩分機にて大小の枝に分けます。大きいものは剪定枝破砕機で破砕します。
脱水汚泥・乾燥汚泥投入ホッパ
堆肥の原料である脱水汚泥と乾燥汚泥を各ホッパへ投入します。
一次発酵槽
攪拌機で撹拌して空気を送り込むことにより好気性発酵を14日間行います。
分別機
1次発酵した堆肥を返送チップ・返送粉体および製品に分けます。
二次発酵槽
堆肥化をさらに安定させるために約30日かけて2次発酵させます。
ロボットパレタイザ
堆肥を袋詰めするロボットです。袋詰め作業からパレットに積む一連の作業は自動で行います。