Diary 2004. 4
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4月27日 (火)  呆れはてることばかり

年金制度改革をめぐる国会論議が大詰めを迎える中で、三人の閣僚が国民年金の保険料を納めていなかった。
未納期間の最長は、中川経済産業相で、20年以上も保険料を納めていなかった。納めていなかったどころか、加入すらしていなかったのだ。麻生総務相は3年10ヶ月、石破防衛庁長官は1年7ヶ月それぞれ未納していたということだ。石破長官は「政府に入ると、国家公務員共済に入ると勘違いしていた」と説明したようだが、真実だとすれば、こんな無知な閣僚に政権を任せている我々国民は何という恥ずかしい存在なのか。
いずれも「まったくのミス」、「切り替え忘れ」による手続き上のミスなどと釈明しているのだが、呆れるばかりの話で、閣僚のたがの緩みということで簡単に済まされる問題ではない。
将来、充分な議員年金が受け取れるのだから、国民年金は納める必要がないとの考えが根底にあるのは間違いのないところであろう。

政府が国民の負担増を求める年金改革法案を提出し、国会で審議されているさなかのことであり、将来の年金制度に対する国民の不信と不安が高まっている時でもある。
国民年金の未納は、政府が最も頭を悩ませている問題のはずであるし、2002年度の未納率は40%近くに達しているのであるから、このままでは制度自体が崩れかねない。
社会保険庁は悪質滞納者に強制徴収に乗り出しており、資産の差し押さえも視野に入れ国民に納付を迫っている。
こんな時期に、閣僚が国民の義務を怠っていたのだから「うっかりミス」などで済まされるほど、閣僚の責任は軽くはない。年金改革法案を提出している政権の閣僚としての政治責任は免れないはずだ。
社会保険庁は大臣らに督促をしなかったのか、政治家に「遠慮」していたのか、許される問題ではないと思うのだが、国民の間に年金制度に対していっそう不信が広がることは間違いないところだろう。

首相と閣僚が一体となった内閣を束ねる立場の小泉首相のコメントは「うっかりしていたんでしょう」「今後直せばいいでしょう」と問題視しないものなのだが、これでは、政府がいかに年金財政の危機を訴えて、国民の負担増を盛り込んだ改革案を示して国民に理解を求めても、説得力はまったくなく、首相の対応からは、なんの重みも伝わってこない。

厚生年金、国民年金あわせての年金財源不足は480兆円という現在、ずっと年金問題を提起せず、危機的状況を国民に隠し通し、選挙の為の先送りというか、何もしてこなかったつけがまわってきているというのが現況なのである。

一事が万事というか、国民は舐められ放題というか、まさに政権担当者の開き直りの場面ばかりに接するとんでもない昨今である。この小泉政権の、権力者に甘く一般の国民には厳しくの構図は、とても民主主義国家とは思えない誠に情けない危機的状況である。


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