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[7910]濱12中(11〜15日)
=八卦(関東)
=10/12/28(Tue)12:01



敬称略です。




1.雪見ほのか

 舶来のお人形さんのように可愛らしい衣装、黒い生地で仕立てて白いレースでふわりとラッピング、埋もれるように包まれます。
 ゆるやかな出だしから、軽やかに技巧的なステップ。ワルツを挟んでロシヤ民謡風の旋律が出てから、変則的なリズムでときおりリタルダンド。氷上のスケートのようになめらかに動きます。
 放心してうつろな目、しんみりとした歌声。白っぽいシースルーのベッド着をガウンのように羽織り、物憂げにベッド入り。弦楽器群がブラームス風のセレナードを奏で、せつなく麗しく、世紀末的退廃に身も心も溺れます。
 その響きに揉みしだかれるようにして、エロティックな描写が、ほの暗い光の下で繰り広げられます。
 真に迫る演技で、映像を見ているかのような立ち上がりへ。濡れそぼる黒い瞳が印象に残ります。



2.桃華ほたる

 お高くとまったOL風情で、キュッと真一文字に唇結び、細身の眼鏡のつるに手を添えて、知的な表情をひけらかします。
 しかし3曲先では黒いストッキングの脚をさらして、白のYシャツ羽織っただけでのフェチなスタイルへ。どエロでドMな本性をさらけ出します。
 豊満な胸をしめつける、ひと回り小さめのスーツ、上からふたつめまでボタンをはずして広げたVゾーン。流れるような美脚のラインの上で、タイトスカートで締めつけている腰を、くねくねと揺らしてみせます。
 リズムボックスがうつうつとして流れる曲に、理性の自戒作用が引き起こされます。
 ポーズベッドは負担のかからないポーズ、余裕を持たせた選曲と、デビュー作に似つかわしくシンプルに。
 まっすぐに天を指して伸ばす腕、仰向いて反らす胸、スリムな体をいっそうのびやかに見せました。



3.長谷川凛

 盆にうずくまった姿を背後から照らして、白いバレエ着をオレンジ色に染め上げます。
 最愛の男性の印象を、椅子に掛けたスーツでかたどります。
 不安げに、おびえながら、後ずさりためらいがちに振り下ろした脚がフロアを踏みしめて、ダンスシューズごしに硬い感触をつかみます。
白鳥を思わせるコスチューム。途切れがちに、よく揺れるリズム。ステップが切れ味を増してからは、アーバンでジャジーなサウンドに。
 硬質なピアノがさざなみのように寄せては返すなか、心地よい旋律がその隙間をくぐり抜けて耳に届きます。
 純白のレース地のベッド着を、はらりと脱ぎ捨ててしなやかなポーズベッド。しっとりと歌う女性ボーカルに耳を傾けながら、3段階で積み重ねるようにして腰の位置をせり上げて、仕舞いにはぴんとはりつめたように伸ばした脚を、高々と掲げます。



4.翼裕香

 なめらかな生地で肌をすべるように流れる衣装、ベッドまで全て白で揃えます。
 1曲目はその衣装の袖や裾で流水の軌跡をなぞり、2曲目はアイドル風のショートスカートに白のブーツでノリノリのパーフォーマンス。汗びっしょりの手にマイクを握り締め、愛らしい仕種に手振りで、自ら率先してライブ・アクトの主役になりきって感情移入すれば、客席も押すな押すなのコンサート会場、立見席にワープしたもよう。
 欲求に一挙に火をつけて、客席は異様な興奮状態に包まれたままですが、コンサートの合間にノド休めのバラードを挟むように、静かな曲目で爽やかなベッドに進みます。
スポーティーにかっ飛ばした後での旋律を歌わせる優しい曲に、包み込むようなていねいな振りで応えます。
 終曲は総立ちでアンコール曲を迎えるように、盛り上がります。無理な体勢に耐えて柔軟な体を駆使してのポーズ。身体能力で余裕のあるところを窺わせます。



5.HIRO

 着物は舞台衣装然とした、破格の色の取り合わせで、白地に黄緑や紫と、モダンな彩色を施します。花魁道中風にそろり、そろり素足をおひきずりの裾から差し出します。
 手にした扇子は右に赤、左に青、ぱたり、ぱたりと交互に倒して可愛く振れば、てふてふの舞。曲が一段と活気を帯びてからは、柔らかく手首のスナップを生かして波立たせたり蛇行させたり、飛翔する野鳥の姿を移します。
 フラッシュ浴びて、衣装を着崩して乱れて、ベッド入りへ。
 児童合唱を含んでのどかに始めた曲が、いつしかヨーロッパのフォークロア調の曲に変わり、牧歌的な雰囲気で包みます。
 長襦袢風のベッド着に銀色の小枝を張りめぐらせたような髪飾り。じらしながら這いずり、音の息遣いに合わせるよう。
 脚を浮かせて立てて、大胆なポーズで静止します。



6.加瀬あゆむ

 冒頭から白い襦袢風、両の手に獅子扇、B4サイズほどもありそうな2枚重ねの紙扇が、鈴をくわえ込むようにはさんで、振るたびに、カラリカラカラと透き通った音色を響かせます。みやびな和物の世界を広げたあとは、血潮漲る活発なダンス。
 般若はカッと目をむいてぐっと口元を歪め、近寄りがたい顔。それでもそこはかとないユーモアに、深い哀しみを湛えます。憤怒の形相、般若の面で2曲目を踊りきり、早着替えで裸舞、ベッド。照明の具合を意識して、ほの暗い花道でなまめかしく演じます。
 盆入りからはバレエ仕込みの立ちポーズも交え、大胆な展開に果敢に挑みます。
 般若役のホットなダンスと、雪女役のクールで静謐な世界とが、手を携えて扇の両面のように引き立てあいます。両極端のふたつの世界をつなぐ間奏曲として、「教授」の耳慣れた映画音楽が、ピアノ主体にアレンジされてとうとうと流れ、しめやかに舞台を引き締めます。




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