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『アマの目』第3回はギターパート、池田工務店さん。長野からご寄稿いただきました。

第3回 池工さんの青春時代
「本当かよ、マーラー!!」

 私が音楽に興味を持ちはじめた中学生のころ、知人からの”台湾みやげ”でクラシックのカセットテープをもらったことがある。おそらくグ○モフォンを意識した目の悪そうな黄色いパッケージに、音楽室で見たかもしれないオジさんの顔が少し斜めに印刷されていた。あからさまに海賊版まる出しである。そして、そのオジさんの顔の下に書かれた文字、

馬 羅。

 なにか地酒の銘柄みたいだ。倫理的にもちゃんとのばして読んでいただきたいのだが、ともかく中国語で”マーラー”とはこう表記するらしい。ではモーツァルトやベートーヴェンはどう書くのだろう?ぜひ調べていただいて当HP上でクイズ大会でもやっていただきたいくらいだ。きっと暴走族の集会のようになるに違いない。

 さて、偉大なる作曲家でもあり指揮者でもあったマーラーだが、彼の遺した言葉の一つに、私にとってはとても印象深いものがある。

「世の中に悪いオーケストラは存在しない、悪い指揮者がいるだけだ」

 私の尊敬するK先輩が高校生の時に書き残していかれた”指揮者ノート”なるものの第1ページ目に、この言葉がでかでかとマジックで書かれていた。(若干違っていたらごめんなさい。)
 当時指揮者になったばかりに私にとって、18点の答案用紙を私に返すときに物理の教師がささやいた「わかってるな?」の一言よりも重〜い言葉でした。
が、指揮者を降りるわけにもいかず、私はマーラーのありがたい言葉を胸に、マンドリン倶楽部で青春を謳歌するのでありました。

すばらしい仲間達とともに。

 明らかに常人と違うテンポで奏者達を惑わし、
「オレに合わせないオマエらが悪い。」
と豪語するギタートップ。

そのためにテンポが崩れた合奏を指揮者に代わり止め、
「こんなに走るんじゃオレ弾けねぇ。」
と、演奏することを放棄しはじめる2nd.トップ。

じゃあ、こうしようよ、と提案する指揮者に
「やる意味がねえ」
と唾を吐きかけるように呟くドラトップ。

そして、みんなが口を揃えてこう言う。
「指揮が悪い。」
ああ。なんだかオマエらも馬羅さんと同じようなことを言うのね・・・・・・。

 いや、プロとアマチュアでは環境が違うということも、マーラーの言葉の真意がそんなことではないということも、ちゃんと理解はしていました。実際、私の指揮もダメダメであったこともわかっています。しかし私は名度も心で叫ぶのでした。

「本当かよ、マーラー!!」

 ポルタビアンカは大人の団体なので、こんな子供のわがままみたいなことはないでしょう。しかしある意味、若かりし日の我々のように自分の意見や主張を激しく交わすこともいいのではないでしょうか。
 すばらしい音楽監督や指揮者がいるからといって、学生の頃の”熱さ”を眠らせてしまうのはもったいないと思うのです。なんかエラそうですけど、私。

「我々の団体」においては、我々が主役です。ちょっとしゃしゃり出てみませんか?きっとマーラーの言葉は本当ですから。

    ちゃんと練習すれば、ですけど。

2003年7月2日更新



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