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今回から3回にわたり、第5回演奏会で開催した「プレトーク」の内容を掲載していきます。なお実際のプレトークについては、第5回演奏会CDにもボーナストラックとして収録されております。

第39回 第5回演奏会プレトークより
その三点吊りの上のあたりに

--今回、ポルタビアンカの演奏会も第5回を迎えるということでですね、5年間今までやってきたことがあるんですけれども、そういったことを演奏会だけでなくて、少し、合田先生と前野さんにいつもどういう音楽作りをしていて、どういうことを目指していて、今どういう団体になっているかという話を少しお話できたらと思って、こういうプレトークという企画を立ててみました。よろしくお願いいたします。

 ではテーマは2つほど考えているんですけれども。

 最初に、普段マンドリンやっている方は同じだと思うんですけれど、狭い部屋で練習していて、ぱっとこういう大きな空間で本番を迎えることになるんですけれど、そういうことに当たってポルタビアンカはどういうことに気をつけて、どういう音楽を作っていって、今日どういう音楽をできるように目指しているかという、その辺のことを合田先生に話していただこうかなと思っております。

 あとは少し僭越になるんですけれども、お客様がどういうふうな形で音楽を聴いたら、より楽しめるのかななんて話をしていただければと思います。

合田氏(以下 合):プレトークをしようという話になったんですけども、実は今日のつい今までお題目が決まっていなくて、僕と前野さんで「何しゃべるの?」とか話をしていて、野田さんがこんなに高尚なテーマを出すものですから、僕はとっても困っているんですけども(笑)。

 僕は普段仕事で音楽大学の教員をしていて、それからプロのプレーヤーなんかと仕事をする関係で、指揮を振るよりもどちらかというとアコースティックなチェックをしたり、いろんなバランスのアドバイスをしたりするのが僕の仕事だったりします。

 実は正直言うとこの杉並公会堂が新しくなってからはじめて使うんですけれども、とっても良いホールですよね。まあ今日聴いていただいて、僕たちも本番を体験してみないとわからないんですけれど、まだきれいですし、それから、思ったよりワンワン残響が無い。だけど、ちゃんとした暖かい響きがあるというホールだと思いますので、これからこのホールはどんどん愛用されていくんじゃないかと思うんですけど。

プレトークより
プレトークより

 まあ最近はプロのオーケストラもどんどんフランチャイズ化が進んできてですね、新しいホールができるとそこでやるようになってきていますね。

 実は僕はスタート当初から四ツ谷の紀尾井ホールというところで紀尾井シンフォニエッタという室内オケのアドミニストレーターという責任のある立場をやっていて、あそこは練習を全部ホールでやるんですね。だから、その期間は「練習日」って公演カレンダーにも書いてあるぐらいなんです。

 そういうことの一番の強みは「響きに慣れる」ということなんです。演奏するほうとして大変なのは、こういう響きの違うところに来たときに、早くそこの「響きに慣れる」ということがとっても難しいんですね。

 お風呂場で歌を歌うと上手く聴こえるのと同じように、こういう場所に来ると随分違ってくるので、演奏者も早く耳を慣らすということですね。

 僕たちがここへ来て今回も言ったんですけど、僕の大学の学生たちにも同じようにいつも言っていることは、とりあえず「空間を目で見る」ということをよくやります。舞台の上から一番奥の調整室とか、非常灯のマークまで目視する、と。目で見ると、とりあえず人間は空間を目で捉えることができるので、まずは斜め上を見るということを必ず僕たちもしますし、それから音楽の専門家もよくする手法ではあります。

 聴いていただくときに、一つ今日チャレンジしていただけたらなと思うのは、これはよく音楽大学の学生たちとか、今日もゲネプロを聴いていた中央大学の学生たちに言っていたんですけども、ここのホールにも三点吊りというマイクがあるんですが、(舞台と客席間の空間の上方を指しながら)このマイクのちょっと上あたりに少し目線を開けていただくと、人間っていうのはおかしなもので、目で見るとそこにフォーカスが当たるんですね。

 だから、1stマンドリンがメロディーをやってますと、そこに目を向けると、つい1stマンドリンが聴こえる。自分がギターのパートだからといってギターを見ていると、ギターはよく聴こえてくるという、おかしなものですけど。

 少し、本番の最中に、特に朗々と皆さんがトレモロしているあたりのとき、この三点吊りの上のあたりの空気に目をやっていただくと、全体的に上に上がってきている音を見ることができます。

 これは、どの楽器のことをやるときにも僕たちはよく言われています。特に、コンチェルトですね。ピアノコンチェルトとかヴァイオリンコンチェルトのバランスを最終的にチェックするときには、よくその三点吊りの上のところに目をやって、上に上がっている空気中の音のバランスを目で見るっていう作業を僕たちはよくやりますので、ま、こういうプレトークをした機会ですので、ぜひ一度そういうものをしていただければと思います。

2007年6月23日更新
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