前野氏(以下 前):僕はアマチュアで音楽をしているものなので、そんなに難しい理論とかそういうものはわからないんですけど、ホールで響きを作るというのを普段の練習とかでやろうというのはやっぱり難しいことです。しかもマンドリンみたいな楽器は、実際にやられている方はわかると思うんですけど、音がすごく減衰してしまいます。弾いた瞬間は音が出るんですけど、その後は響きがあまり無いですね。
同じように弦を叩いたり弾いたりする楽器でピアノなんかは、非常に伸びやかな「母音」って僕は呼んでますけども、があるんですけども、マンドリンとかギターってものは結構音の減衰が激しいです。
そういうものをこういう空間の広いところでやろうとする時に、一番大きいのはやはり「弾く人の意識」ですね。音をこのへん(手元を指しながら)で弾いてるんですけど、あまり手元で音楽をやらない。遠くへなるべく飛ばすようにすることをいつも意識しています。
そのへんが上手くできていると、音が減衰してちっちゃくなってっちゃうんですけども、そういう響きのかたまりみたいなものは、ちゃんとホールの一番奥のほうまで届くんじゃないかな、というようなことをやってまして。本当は今日それができているといいんですけども、できているかは、合田さん、
合:うまくいけばいいな、と(笑)。
前:よくわからないんですけど(笑)。
合:そうですね。希望ですね(笑)。
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プレトークより |
--1200人というホールで、少しマンドリンでやるにしては大きいホールだね、ってみんなで言っているんですけれど、今日鳴らし切れればと、本番鳴らし切りたいなというふうに思っております。