合:皆さん、特に今日はマンドリンをお弾きになる方がたくさんいらっしゃるから鈴木静一という作曲家は多くの方がご存知でしょうが、「火の山」とか「邪馬台」とかいろんなものがあって、いかにも日本の情緒があるんですけれども、今回これを聴いていただくとわかるんですが、鈴木静一にしては意外と、意識して「静一節」から外れたハーモニーを使っているなという感じがたくさんするんです。 だから、シルクロードを聴いていただいて、あぁちょっと違うという感じも味わっていただけたらいいんですけれど。 前半の3曲は、いかにもイタリアの歌い方。だから鈴木静一節じゃないイタリアの、特に「ナポリ」なんかはイタリアの民謡のようなしゃべり方とか、「チェチリアーナ」は今のイタリアの人がどんな感じの音楽の捉え方をしているんだっていうものを聴いていただけたらな、という感じはありますね。 --なんとなくイタリア、ということでテーマを決めてますので、その辺も聴いていただければなというふうに思います。 イタリアでも、「麗しきイタリア」と「ナポリの風景」なんて、僕みたいな素人から見ると似たような曲かなと思っていたんですけれど、全然違うように作っていまして。特に「チェチリアーナ」から「ナポリの風景」の変わるときの、その感じを大事にしようっていう話をずっとされて、その辺も含めて当然音楽作りもしているので、そういった所をお聴きいただければと思います。 「シルクロード」も10年に1回くらいしか演奏されない曲なので、私も存じ上げなかったんですけれども、とてもいい曲で、普段の鈴木静一先生の作品とは少し毛色が違ったかなというふうに思っております。十分、マンドリンを知らない人でもお聴きいただける内容だと思いますので、是非お楽しみいただければというふうに思います。
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