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第41回 第5回演奏会プレトークより
テーマ「イタリア」

--もう一つのテーマなんですけど、「選曲」今回テーマがイタリアということで、1曲目から「麗しきイタリア」「チェチリアーナ」「ナポリの風景」という形ですね。で、幕が入って鈴木静一先生の「シルクロード」という曲を取り上げるんですけれども。

 鈴木静一作品というと純日本的なイメージを持っていらっしゃる方がいるかもしれないんですけれども、これは8楽章に分かれていて、もうざっくりで言いますと、長安からヒマラヤ山脈を越えて緑の都サマルカンドを越えて黒い嵐にあったりしてみんなで一緒に踊って盗賊に襲われて船に乗ってローマに帰ってくる、というテーマなんですね。

 ですから最終的にイタリアに還ってくるというテーマで、ずっと「イタリア」という一本の軸があるんですけれども、イタリアはイタリアでも、日本人から見たイタリア人っていうのはみんな同じに見えるかもしれないんですけど、4曲でやっぱり色の違いがあるので、そこを前野さんにお話いただけたらなというふうに思うんですけれど。

前:また野田さんがすごい難しい解説をしようとしていますが(笑)。単純にですね、最初に決まったのが「シルクロード」でして、これのゴール地点がローマだということだったので、ローマだったらイタリアだから、他の曲はイタリアものにしておこう、という短絡的な発想になっています。

 ただ、イタリアといっても、鈴木静一さんの今日の最後の曲にある感じのイタリアと、前半でやるイタリアというのは、もう明確に違いまして。前半の3曲は完全にイタリアの作曲家がイタリアという地で書いたものですので、日本人が日本の曲を日本で書いた、というのと同じような状態です。で、シルクロードはたまたま行き先がローマであったというだけで、あまり音楽表現上イタリアっぽくはないですね。

 ま、今回の聴き所はどうなんでしょう。1部はやっぱり「イタリアっぽさ」というんですかね。

第5回演奏会より
第5回演奏会より

合:皆さん、特に今日はマンドリンをお弾きになる方がたくさんいらっしゃるから鈴木静一という作曲家は多くの方がご存知でしょうが、「火の山」とか「邪馬台」とかいろんなものがあって、いかにも日本の情緒があるんですけれども、今回これを聴いていただくとわかるんですが、鈴木静一にしては意外と、意識して「静一節」から外れたハーモニーを使っているなという感じがたくさんするんです。

 だから、シルクロードを聴いていただいて、あぁちょっと違うという感じも味わっていただけたらいいんですけれど。

 前半の3曲は、いかにもイタリアの歌い方。だから鈴木静一節じゃないイタリアの、特に「ナポリ」なんかはイタリアの民謡のようなしゃべり方とか、「チェチリアーナ」は今のイタリアの人がどんな感じの音楽の捉え方をしているんだっていうものを聴いていただけたらな、という感じはありますね。

--なんとなくイタリア、ということでテーマを決めてますので、その辺も聴いていただければなというふうに思います。

 イタリアでも、「麗しきイタリア」と「ナポリの風景」なんて、僕みたいな素人から見ると似たような曲かなと思っていたんですけれど、全然違うように作っていまして。特に「チェチリアーナ」から「ナポリの風景」の変わるときの、その感じを大事にしようっていう話をずっとされて、その辺も含めて当然音楽作りもしているので、そういった所をお聴きいただければと思います。

 「シルクロード」も10年に1回くらいしか演奏されない曲なので、私も存じ上げなかったんですけれども、とてもいい曲で、普段の鈴木静一先生の作品とは少し毛色が違ったかなというふうに思っております。十分、マンドリンを知らない人でもお聴きいただける内容だと思いますので、是非お楽しみいただければというふうに思います。

2007年6月27日更新
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