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今回からも続いて合田香氏のインタビューをお送りします。
(5月5日 中大マンドリン倶楽部合宿、岩井 大謙館にて)

第7回 合田香氏インタビュー
アマチュア団体における指揮者

--今回は「アマチュア団体における指揮者」についてお伺いしたいのですが…

まずプロにおける指揮者っていうのは、 例えば同じフレーズでも、拍の頭を「ブンッ」って入れる人もプロだし、 「ウン・タッ・タッ・タッ」って裏打ちを入れる人もプロだし、 それからダーッと延々進んでいって「ティンッ」とだけ入れる人もプロだし。 全員がプロっていうことで成り立っているから。

指揮者っていうのは、要は解釈の統一っていうのが本来は基本なわけ。 で、アマチュアオケの指揮者の場合は、基本としては”トレーナー”である必要がある。 だから、その辺の差は大きいんじゃないですかね。 学生をコーチしてて思ったのは、アマチュアの場合、 指揮者とオケの技量の差があまり近すぎると、 やっぱりあまりオケはうまくならない。 力の差が近いとそれ以上うまくならない。 なあなあで終わってしまうから。 だからやっぱり、普通のバイオリンオケや吹奏楽なんかでもそうだけど、 学生団体がある程度うまくなってきた時に、 どうしても外部からプロを呼びたがる傾向があるのは、 そういうことが一つの要因かもわからないですね。

合田先生
練習にて

例えばボクみたいなコーチ(注 現在、中大マンドリン倶楽部音楽監督)の人がやることが必要なのは、 指揮者をレベルアップさせること。 オケだけレベルアップしても、本番に振る指揮者がそこのレベルに達していないと、 2、3回その棒で振られたらオケはすぐそのレベルまで落ちてしまう。 だからどうしても棒を引き上げなきゃいけないんだけど、 しかし棒を引き上げるというのは相当至難な業。 やっぱりある程度の経験値と年数が必要だね。 だから学生時代に「えっ?」とか思ってても、 やっぱりたくさん経験していくとどんどんよくなる。

どっちにしても、 アマチュア団体の指導者や指揮者がどういうレベルにあるのかっていうことは、 その団体がいかに成長していくかに大きく影響するよね。 でも、オケも棒の”良さ”がわかるオケにならないといけない。 指揮の表現の違いとか、それがわからないと結局どんなにやってもダメ。 オケもそこまで成長させとかないと、 どんなに指揮者一人が上手くなったって意味がない。 で、オケがどんなに上手くなったって、指揮者が下手だったら意味がない。 だから、その辺のバランスをとりながら成長させていくっていうのは難しいかもわからないですよね。

--結局、指揮者はどうコンセンサスをとるかですが…

一つはオケのレベルが均一であるかっていうのが問題なんですよね。 プロの場合でも、やっぱり良いオケと悪いオケがあって、 良いオケっていうのは8〜9割は良いメンバーでできているから良いオケなんです。 で、その率が減っていくとやっぱり悪いオケだし、 三流のオケっていうのはメンバーの7割くらいが三流なんですよ、やっぱり(笑)。 だから三流のオケは全体が三流だし、一流のオケは全体が一流なわけ。 そうするとコンセンサスも三流のところは三流のところに、 一流のところは一流のところにスタートがある。 だから、OB団体ならみんなある程度経験値が豊富だから、 学生よりもスタートが早いはずなわけ。 レベルによって物事の進度に影響がでるよね。 やっぱり音楽的な蓄積とか経験値、テクニックが甘いと、どうしても一瞬にし て「ピッ!」と反応できるものの差が違うんじゃないですかね。

2002年6月6日更新
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