「ここは好き」とか「ここは嫌い」とか、 「ここは激しく」とか「ここはやわらかく」っていうのだけでなく、 それをどの順番でどう組み立てれば一つのストーリーになるのか。 正しいかどうかは別として、自分の思いをキッチリ確認する。 だって自分の思い、どうやりたいかが確認できなかったら、 オケに要求することもできないんだから。 その次に必要なのは、 その自分のやりたいことを“いかにメンバーに伝えるか”に必要な棒のテクニック。 それが後についてくる。 どんなに図形がきれいに振れたって、 どんなにちゃんとアインザッツがとれたって、それは何を表現したいかがなければ意味が無い。 メトロノームといっしょになってしまうから。 だから、一にも二にも“どうやりたいか”。 それから“どう組み立てていくか”。 そしたらそれを的確に表現するのに“どう振るか”。 それと、問題はそれを処理するための、いろんな基礎や知識。 例えばこの前のインタビューでも、 ボクに足りないものとして言ったけど、マンドリンの音の処理の仕方について。 みなさんのほうが詳しいよね。 あと、音の重ね方とか。 なんていうのかな、指揮者におけるテクニック的な基礎知識っていうのも必要。 だけど、例えばボクが練習をやってて、 「ターターター」っていう音を「ここはピッキングじゃおかしいからトレモロにしましょう。」 とか言う。 でもそれは逆算して言うと、 「ターターター」ってやってほしいという要求に基づいて処理されるんだから、 やっぱりまず“何をやりたいか”。 それと、それを表現するための棒と、テクニック的なノウハウが必要。 それは、ブラスバンドを指揮する人も、バイオリンのオケを指揮する人も同じ。 バイオリンなら、かたい音がほしい時に「もう少し駒のほうで弾いて下さい」とか。
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