『忘れ物を取りに』
はい。
この歳になると物忘れが激しくて。この「みんなの目」も1回飛ばしてた? ええそうですか。
私はポルタビアンカ以外にも社会人団体に所属しており、ポルタビアンカのオフシーズンにはまた別の環境で楽器を演奏しているのですが、中にはやはり、楽器を弾く場所はポルタビアンカのみ、という方も大勢いらっしゃいます。
「去年の本番から、弦変えてないよー」とか。
…え゛。
そんなわけなので、毎度初回の合奏というものは、皆さん弾けないなりに合わせようとして、そのうち勘を取り戻してくるうちに「先輩、そろそろ本気になりましたね」「さすが○○パートの大御所、トレモロの厚みが違います」「あれ? 彼女、昔からあんなに弾けたっけ?」と馴染んでいって、いつとも知れず『ポルタビアンカの音楽』になっていくところが、とってもおもしろいところではあります。
去年の秋の熱気が冷め、毎日に追っかけられるまま忘れていたものが、やっぱりここにはある。そんな危うい魅力がポルタビアンカの初練習にある気がして、毎春に「取りに帰ってくる」、そんな思いがある、のかな?
まぁそんな感じですから、初合奏はさらっといきましょう。
放浪学生の第1楽章、いいじゃないですか。
M野氏「うん、1時間しっかりやると、皆さんここまで来れるんですね。」
ちょっとちょっと、まだ初合奏
某パート員「ここって結局、どういう奏法でいくんですか?」
某パートトップ「それじゃスタッカート付きの音符も、全部トレモロ入れて。もちろんスラー付けないで。」
青ざめた某パート員「いや、あの、これって16分音符……いえ、はい、頑張ります」
…あのー、初合奏…まあ、いいか…
2008年5月25日更新