『30年振りの青春時代』
えー、皆さんこんにちは! マンドラパートの北海亭道産子でございます。
はるかに遠い学生時代は、遠く小樽の地でマンドリンに情熱を燃やしていましたが、東京へ来てからは、マンドラの音色の魅力にハマッテしまい、ドラハマチックに変身を遂げました。
くだらない駄洒落で失礼したついでに、小噺風に去る8月24日(日曜日)のワークショップについての感想をご報告してみたいと思いますので、暫しお付き合いを願います。
<登場人物:近所のご隠居と八っつあん(以下、八)>
八:よう、ご隠居! 「ポルタビアンカ」って知ってるかい?
ご隠居:何? あの魔法使いのハリーポッターかい?
八:違うよ! 「ポルタビアンカ」だよ。
ご隠居:何? あの西洋のお化けのポルターガイストかい?
八:ご隠居、何をトボケてるんだい。
ご隠居:なーにー! やっちまったなー!
八:それじゃ、クールポコだろ。あんたのオトボケに付き合ってたら時間がないから、しばらくは、おいらの話を聞いとくれ!
ご隠居:そうかい。男は黙って聞く! だな。
八:こないだの日曜日にね、あの小澤征爾さんの出身校、桐朋学園のバイオリン系の美男・美女の腕利きの学生さん、学生さんといってもオーケストラで活躍している5人がね、クインテットって言うんだそうだが、夕方じゃないよ、来てくれてね。バイオリン系とマンドリン系の楽器で、響きや奏法にどんな違いがあるかをね、ドボルザークの弦楽セレナーデをダシにしてね、聴かせてくれたんだよ。ためになったねー!
ご隠居:ホー、どんなところがだい?
八:いやね、いろいろあって言い切れないんだけど。バイオリン系はボーイング、あの飛行機じゃないよ、バイオリンの弓で弦を弾くことだよ、がアップとダウンじゃ想像以上に響きが違うんだね。やっぱりここはアップじゃないとダメなんだとつい納得したり。
合田先生が最近よく言ってる、「音楽が前に進む」という感じだとか、音の重さの違いというか、同じ一拍でも微妙にスピード感や重さが違う(例えばワルツの3拍の中での違い)とかいろいろあったね。
それから、改めて中低音の重要性も感じたね。
ご隠居:へー、急に真面目になったね!
八:当たり前だよ! 俺だって一応真面目に合奏やってんだ。
でもね、やっぱり音の繋がりの滑らかさや、流れるようなリズム感や、響きなんかがね、バイオリン系には敵わないと思ったね。それに、皆さん力が入ってなくて軽やかだね。うちの腕利きのコンマスが流石に眼を丸くして、ため息ついてたね。
ご隠居:フー、ってかい。
八:でもね、マンドリンのオリジナル曲のボッタキアリ、ボッタクリじゃないよ、作曲の交響的前奏曲を最後に弾いてくれたんだけど、これがまた凄く良い響きでね。ついうっとりしちまったんだよ。つまりはね、マンドリンの曲にもそういう良い曲があるってことでチョットうれしかったね。
ご隠居:ヒー、そんなことがあったのかい!
八:バイオリンには敵わないって、さっきは言ったけど、それは分かった上で、合田先生や指揮者の前野さんが、本来の音楽的な響きや表現にいかに近づけるかを、踊りあり・芝居あり・歌ありでいつも指導してくれるのが、このクラブの最大の魅力の一つでね。田舎育ちのおいらなんかはね、30年振りの青春時代みたいな新鮮さでいつも楽しませてもらってるのさ。因みにあの名曲「青春時代」の作曲者 森田公一はおいらの高校の先輩なんだよ。
ご隠居:ハー、年甲斐もなく青春してるのかい。でも森田公一は関係なかったね!
八:まー、いいじゃないかい。
それはそーとご隠居、さっきから聞いてれば、あんたの相槌を逆さまに言うと「ハヒフヘホ」になるじゃねーか。真面目に聴いてたのかい?
ご隠居:いやー、バレっちまっちゃしょうがねー。
おあとが宜しいようで!
2008年9月1日更新