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第5回目「みんなの目」は、ワークショップ特集第2弾です。
チェロパート キス天磯おろし大盛りさんの執筆です。

第5回 8/24 方南会館ホール

『マンオケならこうやって弾くもんだ』

私の嫌いな言葉の一つです。
何をするにも、まっさらな気持ちでアタマをあげてアンテナを伸ばし、いろんな可能性を探ってみたい。先入観なしに、色々試してみたい。それってプロorアマチュアに限らず、誰にでも与えられている「選択の自由」ですよね。

…いきなり話がでかくなりました。すみません。

ところで、音楽の世界ってスゴく狭いですよね。
私の偏見かもしれませんが、管弦楽に所属する人は管弦楽を聴く、ブラスに所属する人はブラスを、マンオケに所属する人はマンオケを…みたいな。
下手すれば、どこぞの大学の系統やら、どこぞの門下生が集まるからとか。なぜ、自ら価値観を狭めようとしているのか、浮気者の自分にはよく分かりません。いろいろ経験した結果、そこに落ち着くならいいんでしょうけど…(グサッ!)



「しがらみなんか捨てて、色んな演奏家のいいとこ取りしちゃえば?」



今回のワークショップ、自分にとっては鼻血が出るくらい(出てません)刺激的でした。
ドヴォルザークはCDで聴いたことはあるにせよ、ナマの演奏を体験することは今までありませんでした。 何が違うって、見た目が違う! なんというエレガントさ! オールダウン奏法、ダウンアップ奏法、トレモロ奏法を駆使していても、その差が音に表れにくいマンドリン系楽器と比べ、奏法から生み出されるメッセージ性の異なること異なること。(個人的にはバイオリン属がオールダウンになった瞬間が好き。春の祭典サイコー!)
コンサート以外では、あんなに間近で聞くことを今まで経験していなかったので、なおさら実感しました。う、鼻血が…

ボッタキアリに至っては、マンドリン愛が皆無な薄情な自分からすれば、なんという澄んだ美しさ…

「同じ音符を弾いているんだよね?」

マンドリンの演奏を聴くと、奏法という形(枠)に固執し過ぎている気がします。結果として、聞こえている音にさほどの変化がなかったとしても、なぜかその前(奏法段階)で満足してしまっている気がするのはなぜ? 楽器から出ていく音じゃなくて、聴いてくださる方に届く音って、どんな音なんでしょ?

な〜んて、そこまで言い切れるほど私は楽器を使ってうまく音を出せませんし、表現もできません。ただ、いつできるのかは分かりませんが、その道標のヒントのヒントの…を与えてくれたワークショップだったと思います。
昨年はワークショップの存在を知った時点で、すでにワークショップが終わっていました。今年、まさか奏者としてワークショップに参加するとは当時は思っていませんでしたが、ますます浮気癖がつきそうです。

最後になりましたが、今回のような刺激的な経験をさせて頂いた合田先生、桐朋音大五重奏団の皆さん、前野さん、ポルタビアンカの皆さんに感謝するとともに、来たる演奏会に向けて…!!!

ちなみに、今日(9月4日)のチョン・ミョンフン指揮スカラ・フィルハーモニーの東京公演は涙が出るほど(出ました)素晴らしかったです。
特に、マーラー交響曲第1番「巨人」は第1楽章でオケが“蠢く”瞬間を初めて体験し、過去、この曲で印象の残ったインバル指揮フランクフルト放送響を記憶を一気に吹き飛ばしました。
鼻血ぶー! (出てません)

明後日はチャイコフスキーの交響曲第4番です。
今日のアンコールで、明後日のプログラムの一つ、ヴェルディ「運命の力」序曲をやられてしまったのはイテテテですが、ティッシュ持参で頑張ります!

やっぱイタリアのオケはいいです。フランスのオケも好きです。アメリカのオケは今までいい経験はありませんが、来月ロサンジェルスフィル行ってみます! サロネン指揮でマ・メール・ロアです。
それにしても、一度でいいからバーンスタインのライブを聴きたかった…マーラー第9番あたりで…

なにはともあれ、今回経験した刺激を無駄にすることなく、どんな形にせよ残していきたいと思います。

2008年9月7日更新


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