合:反対に、僕は、ポルタがもう一歩先へいけるかなという気がします。今日も前野さんが指揮していても、ちょっとやったことに対しての汲み取りがあって、言ったことへの理解の度合いも早くて、これだけできるんだったら、前野さんが言った言葉を借りると、みんなを学生だと思って無理にでも作ってみたら意外とその先へいけるのではないかという感じが(前野さんとは)反対に、僕はしています。もっと無理な事をしても、それに応えられることがあるんじゃないかと。そうするともっと面白くなっていくんじゃないかと思います。 反対に学生の子たちには、やっぱり最初から教えないといけないんだなという感じがします。みなさんぐらいまでいくと、言っている事はわかるし、僕と前野さんが同じこと言ったり違うこと言ったりしてもみんなは理解できるけど、現役の学生たちにはやっぱりひとつひとつ教えないといけないんだな、と思います。最近僕がよくないのはそれをやってないから彼たちはしんどいんだな、と。もっと時間をかけないといけないんだな。 前:触れ幅が広いんだと思います。学生は未知数だから。学生に対しては、可能性が広がる瞬間をたまに垣間見るんですよね。合宿とかで。垣間見るけれど、そのあと普通の練習に戻ると忘れてしまって、あれはなんだったんだろう状態になってしまうというのがある。そのまま本番まで終わって、ずるずるといってしまう。覚えてない。残ってないんですよね。 合:結局、熱さを覚えない。前に立って教えていて、みんなを見ていて、悔しさとか不満とか、僕たちがぼろくそ言ったときのできない悔しさとか、なんでそんなことを言われなくちゃいけないんだとかいう、ちょっと膨れた感じとか、感じられない。もっとやりたいという熱さとかエネルギーを感じない。エネルギーの感じなさが僕はしんどいんだよね。 たとえば、(山本)まどかさん(97年卒)がコンマスの席できりっとしているその目つきがいまだに忘れられない。(齋藤)真波さん(95年卒)が、ちっこく、でもギターの席で踏ん張っている姿とか、みんなそれぞれあって、それが忘れられない。そういうのが、今の子みんなに少ないかな。 結局中大を教えに行くって、別に自分の名誉とか収入とかではなくって、どっちかっていうと感じるエネルギーに応えたいというのが一番にあって、いいものにしてあげたいというのがある。向こうからのエネルギーを無駄にしないで、なんとか応えてあげたいというのがあるんですが。
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