「ポルタ ビアンカ」についてメンバー募集/メンバー登録フォーム演奏会案内プロの目アマの目みんなの目掲示板練習予定メンバーリストリンク


第32回 合田香氏インタビュー
「5年目を迎えて」

--5年目を迎えてどんな感じですか?

合:これは前野さんも同じ意見だと思うんですけど、ポルタビアンカには、 僕や前野さんが大学でコーチをしていた頃の人がいて、それ以外の人がいてっていう中で、 演奏状況が整えられていなかった部分があったと思うんですよ。そこがだいぶ改善されて、 言ったことに対してすぐに反応できる状況になってきた。 具体的に言うと、これまでは僕たちが言ったことの意味自体を理解できない、ついてこれない人がたくさんいたんですね。

 それがちゃんと理解できるようになって、演奏にあらわれるようになってきた。 確かに弾くという部分ではつらい人はまだまだいます。でも、去年までは、 言ったことをちゃんと理解しているかどうかががとても不安だったんです。 そういう部分がずいぶん減ってきたような気がしますね。これからは、 理解できたことに自分達で近づく努力をすることが必要かもわかんないですね。

--合田先生がこの5年間でポルタビアンカに伝えようとしたことというか、 一緒にやっていこうとしたことは、どういうことだったんですか。

合:うーん。大学のコーチをしていたときと大差なく、音楽を楽しんでほしいと思うけど。 大学のオケを教えているときとは、音楽への向かい方とか楽しみ方とかっていう話をしていたけど、 ポルタビアンカの人たちはもう楽しみ方を知っているから、今は、もっと本格的なレシピ、 もっと本格的なアプローチの仕方を紹介しているということはありますね。

インタビュー
合田氏をかこんで

 例えば今日、楽譜にばかりとらわれずに、ちゃんと周りの環境を分かりながら演奏しようというようなことを言ったけど、 大学の時だと、ドラとチェロは自分達のパートナーがどこにいて、どのバランスでどう弾かなければいけないか、 でも、弾く能力だけじゃなくて――っていうのを、いちいちこちらが実践して教えてなくちゃいけなかった。 でも、ポルタビアンカでは、僕が直接的な表現をしなくても、とたんにパッとできてすぐ良くなる。

 だから今はその先のことをお話ししてます。例えば、「小節線のすぐ隣には音楽の重さがある」とか 「音楽の拍間はおなじじゃない、方向性がある」といったこと。これは、 ポルタビアンカ以外の団体に行ったときにも使える基本的な話ですね。

--僕らは、そういったことを技術的に処理していかなくてはいけないんですけど、 プロのオーケストラの中で、その役目をする人は誰になるんですか。

合:正確にいうと全員が出来なくちゃいけないですよね。リードする役はトップ。 それとコンサートマスターですけど。同じことを結果として出すときでも、楽器によって処理の仕方が違ってくる。 弦楽器と管楽器とでは、当然違う処理をしないと同じ結論に達しない。高い音域と低い音域の楽器もそう。 同じ行為しても同じ結論に達しないっていうのがオーケストラ。

--そこらへんは各奏者が理解しておくべきことなんですね。

合:もちろん。僕はゴルフをやらないんですけど、この距離に飛ばすにはあと何ヤードですかって聞くと、 キャディさんから、あと何ヤードですねって言われる。そしたら、何番アイアンだとクリアできるっていうことが、 キャディさんと自分でお互い分かっているっていう、共通の認識が必要ですよね。

トップだけ分かっても、自分だけ分かっていても処理ができない。トップが例えば5番アイアンを使いましょう、 7番アイアンを使いましょうと言ったら、「あっここは刻むんだ」というのが分かる。 「このフレーズは、アップ・アップ・ダウンでいきましょう」って言ったら、すぐにその意味がわかる。 前野さんが、あれはああいう風に処理してって言って、トレモロにしようってことになって、「トレモロ4回くらい入るよね」 っていう話をするじゃないですか、その4回入ることに求められている音楽性を各奏者が分かることが大事なんです。

2006年7月14日更新
その31へ  その33へ   戻る


お問い合わせ トップページ