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第28回 合田香氏・前野一隆氏対談
プログラム構成について

--プロとしてはプログラムにどのような意味合いを持たせて組むのですか?

合:まず、今一番の流行として「なんとかイヤー」っていう、作曲家の生誕何年とか没後何年とか、そういうのに合わせて特集が組まれることがありますね。他に大きな要素としては、そのオーケストラの能力がいかに鍛え上げられていくか、スキルアップされていくかを前提に曲目が選ばれるっていうことがあります。例えば、そろそろこのオーケストラはこういうものをやってもいいな、ってことを想定してやることがあると。

 あと、プロのオーケストラの場合は集客をしないといけないよね。だから例えば有名どころの曲をどうしてもやるっていうのはよくある。全部モーツァルトばっかり、全部ベートーベンばっかりやってると、そればかり聴きたくない客もいるので、たまにストラヴィンスキーやったりするとか。

 ベートーベンをやるにしても、1番・2番のシンフォニーをやったら客は来ないけど、3番っていっても来ないんですけど「英雄」って付くとお客は来る。「運命」っていうと、人がたくさん来る、と。ところが7番・8番なんていったらマニアックなお客さんしかこない。そういったことも考えたうえで、曲が決まっていくというようなことはあります。

 プロフェッショナルなオーケストラの場合は、お客さんたちがいかに何を聴きたいかということと、自分たちが何を表現していきたいか、どうスキルアップしていきたいか、自分たちの能力をどう聴いてもらいたいかということを想定して曲が選ばれる、ということがありますね。

--ポルタビアンカのようなアマチュアの団体は、どのようなスタンスで演奏会(選曲)に取り組んでいくべきですか?

合:マンドリンのオーケストラでも吹奏楽でも合唱団でも、最終的にはレベルアップをしていかなきゃいけない。だから、内容だとか色んなものをきちっと表現できるような曲を選ぶべき。ポルタビアンカであればポルタビアンカの「活動を世に問う」っていう姿勢のもとに曲を決めるべき、ということになりますね。

前:僕は、団体の音楽の方向性をどこにおくかによって選曲って変わるものだと思っているんです。メジャーな曲をやりたい、聴いている人が楽しいものをやりたいっていうのか、弾いている人たちがシンプルに楽しいっていうものを目指すのか、それともある程度しっかりと音楽とは何でしょうかといった根本に踏み込んでそれを表現するための選曲をするのか。

 演奏会という場をどう考えるかという意識の問題であって、単純なアミューズメントのひとつとして考えるか、癒しを与えるためにやるのか、それとも弾いている人と聴いている人の精神的な共有・共感というものまでもっていくのか。この団体がどれを目指しているのかによって、どういうスタイルの選曲をするのかが必然的に決まってくる、と。そういうことを、それぞれのやり方に合ったコンテンツ=曲なり作曲家なりを抽出して選んでいくといったことが基調になってくるのかな。

--演奏会も4回目を迎えて、なんとなく合田先生がおっしゃった「ポルタビアンカとして世に何を問うか」っていうスタンスでやっていきたいと思うんですよね。何ができるかということを考えたときに、もっとチャレンジングな選曲にするべきだと考えているんです。チャレンジングっていうのは、演奏機会が少ない曲をやるとか、クラシックの編曲でももっとマンドリンに合う曲を合田先生に相談するとか。この曲をポルタビアンカが取り上げたから斯界で有名になったと言えるくらいの選曲をしたいな、と。

合:僕自身はね、選曲自体が大きな意味を持つんじゃなくて、与えられた曲をいかにちゃんと練習して良い演奏にしていくかが大事だと思ってるんです。今回特に僕たちが感じているし、皆さんも感じていると思うことの第一は、今まで中大でさんざんやってきた鈴木静一の曲を改めて深める度合いがすごいし、滅びし国なんかも学生団体レベルの本番の域に達してはいるのにまだまだ求められて、完成させるために与えられている課題がたくさんあるでしょう。つまり選曲は大事なんだけど、与えられたものが全てではなくてその先に何をやってどのように表現していくかが大事なのだと思いますね。

 それこそ難易度が初心者レベルの曲ばかり並べて、「えー、ポルタビアンカって期待したのに、こんな曲ばかり?」というような人達が聴きに来たって、僕たちはその完成度がピカピカに研ぎ澄まされた曲・磨き上げられた演奏を並べる。選曲が一つの要素ではありますけど、大事なのは仕上げなのかな。

2005年9月23日更新
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