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第29回 合田香氏・前野一隆氏対談
第4回の選曲について

--選曲の意図は?

前:うーん、曲そのものには意味はないと思います。ただ、そこに対してどう取り組むかってことに意味がある。最初の合奏から言っていることとして、曲をゼロから作っていくということ、そして全体の雰囲気だけでなくてディテールまでこだわってやりましょうということ。それで、そのディテールをほじくって何か新しい形にすることが可能な曲にしたかった。

 例えば最初、管弦楽曲の大編成な物をアレンジした選曲案があったんですね。これはお客さんに来ていただくということを考えれば非常に効果的だったんですけど、やめにした経緯があります。それは仮にディテールまでこだわって作っていったとしても、最後の最後で木管や金管、打楽器なりが入って全ておいしいところ、表現できるところを持っていかれちゃう。
あるいは、そういうアレンジしかない。そういうのはポルタビアンカで今やろうとしていることにはそぐわない、取り組みとしてそぐわないからやめているわけで、曲が好きとか嫌いとかでは全然ない。その辺を考えて、今回はいくつか候補に挙がったうちからプロットしたということです。

合:今までもいくつか別の楽器を入れてやってきたことがあったけど、今回もまた新たなものを迎えて共演することで新たな触れ合いや刺激が得られる可能性があると感じたので、バイオリンが入る曲を入れることに対して前向きだったことは確かです。

前:前回のようなソプラノ・ビブラフォン・フル管打楽器編成の曲なんかもやってきたんですけど、リハーサルでの違和感ってゼロですよね。普段の仕込みの通り弾いてくださいっていう話をしていて、木管が入ったからって別の要求をしたかっていうとしてないし、ソプラノが入ったからそこは配慮して小さくしてくださいとかないし、音の重なりとか和声のできかたとかも別に全然影響を受けない。 きっちりちゃんとなじんでいくことができるというのをすでに、私たちなりには体験していて、それを考えると今回もいけるんじゃないかっていうのがある。

 まぁ、バイオリンは声、歌の次に表現が豊かなので、そういう意味ではマンドリンよりかなり表現力がありますからね、そういうものと一緒にやるっていうことでどこまでポルタビアンカがやれるか。違和感がある状態だと、聴きに来ている人には、マンドリンのオケの伴奏で独奏のうまい人がバイオリンを弾いたってことしか印象に残らない。 うまくやれば、マンドリンのオケプラスバイオリンのソロで、こんなものができるっていうのが提示できる。その意味では確かに挙がってきた曲のなかでは、少しチャレンジングなものなのかもしれない。いずれにしても、選曲自体にこだわりっていうのはないです。

2005年10月1日更新
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