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第16回 合田香氏・前野一隆氏対談(特別版・最終回)
“ポルタビアンカ”の目指すもの その2


--学生時代と比べて、上手くなったところ下手になったところ、変わったこと変わらないこと、気づくことはありますか?


前:みんな大人になっちゃいましたね。 表に出さない。

合:(笑)


--それは音楽をやる上では良くないことですか?


前:良くなくはないですけど、「ぶっちゃけたところはどうなのよ?」っていうのが見えないと、どこまでいけるのかがわからない。 「ここまでは持っていけるよー」っていうのを隠し持っている状態、今は。 例えば一生懸命指揮者が振ると、なんかちょっと片鱗を見せて小出しに出してくるっていう。 非常にズルイなと(笑)。

合:うん、ピュアじゃないよな(笑)。

前:学生はちょっと指揮棒で「ヒュッ」ってやると「うおーっ!」って反応するんだけど、大人になっちゃうと、ちょっとくらい「ピッ」とやっても反応しなくて、こっちがガムシャラに「ガーッ」って振ると、少し「しょうがねぇなぁ、少し見せてやるか」っていうような見え方がする。


--技術レベルはどうですか?


前:いや、ヘタになってる(笑)。

合:あははははは!


--ここはカットしておこう(笑)。 ヘタなものをお客様に見せるわけにはいかないし・・。


前:でもヘタでも、気持ちが入ってるかどうかっていうのが一番問題にするべきところだと思いますけどね。

合:うん。

前:やっぱり下手とか上手いの尺度が、一般的にマンドリン団体にいる人っていうのは「速弾きができる1stマンドリン」とか「一応形になってる合奏」とかね。


--ではこれまでの話の流れを受けて、ポルタビアンカに期待するものとは?


前:それはもう、合田さんから先に言ってもらったほうがいい。

合:う〜ん。 やっぱりだけど、“本当の音楽”を楽しめたり演奏できる団体になれるといいですよね、基本的には。 “本当の音楽”って言うと語弊があるかもわかんないけど。 あのー、“伸びやかな大人の団体”がいいな、音楽的にも団体的にも。


--現状を見ててどうですか?


合:ボクは可能性あるんじゃないかなと思いますよ。 ただね、今さっきも言いかけたんだけど、現役の時と違ってて“先が見えない怖さ”がある。 だって、これから先どれだけ上手くなるか、ダメになるか。 現役の場合ってある程度わかるじゃん、もう何年も(コーチを)やってるし。 ここらへんでまとめないと、どんなにやってもダメだな、本番グシャグシャになるな、ってあるじゃん。 でもこの団体わかんないもん、今見てて(笑)。 今日あれだけ練習してて、最後のほうになったら上手くなってきて「ああ、いいな」とか思うけど、「来週になったらボロボロなんだろうな」とも思うよね。


--例えばさっき前野さんがおっしゃった“現役へのエール”っていうのはすごくいい言葉だと思うんですけど、そういった部分が見せられる演奏っていうのはどういう演奏ですか?


前:うーーん、難しいところを聞くねぇ〜。 まず弾いてる人が、気持ちをオープンな状態にできるかどうかでしょうね。 どうしても舞台の上で緊張してたりすると、やれこの音を間違えた、弾きそびれた、出忘れた、とちった、とかあるじゃないですか。 そういうことにとらわれて、いわゆる集中力が途切れてボーッとした状態になって、でも演奏は続いていく。

今ちょうどサッカーのワールドカップをやっていて、日本のディフェンスがボーッとしている瞬間ってあるじゃないですか(笑)。 でもボーッとしていると点を入れられますよね。 その点を入れられた状態で、でも試合は進んでるじゃないですか。 で、まわりから見ると「ふざけんな!」って思うわけですよね。 「ふざけんな!」っていうのは、下手だから「ふざけんな!」じゃなくて、ボーッとしてるから「ふざけんな!」なんですよ、見ててつまんないのは。 で、下手でチョロッてあたってファウルをとられちゃったとか、そういうんだったら「がんばってディフェンスしてるんだからいいじゃん」って思いますよね? しょうがないと。

演奏もやっぱり同じだと思うんですよね。 ボーッとして弾いているのは、観客が見ててもつまんないんですよ、やっぱり。 で、運がいいことに、観客は「ふざけんな!」とは言わないんですよ、なぜか。 で、曲が終わるとつまらない拍手をする。 まぁ、それが代償なんですけど。 そこでつまんなくない拍手が出れば、みなさんはつまんなくない仕事をして、ちゃんと気の入った演奏をして、音楽的なことができたってことなんじゃないですか?

本番
“ディヴェルティメント”演奏直前


--それがひいては現役へのエールになると。


前:だって演奏会っていうのはそういうものだと思うんですよ。 これも何回も現役に言ったことがあるんですけど、“演奏会”は“発表会”ではないので。 つまり「僕たちはこういう音楽がやりたいです」「こういうふうに問いかけます」っていうものにお客様が応えてくれて、それに対する賞賛なり感動なりをする。 クラシックの演奏会はわりとお行儀が良くて、特に日本の演奏会はお行儀が良すぎるので拍手するだけなんですけど、そういうので表現しかえすみたいな、そういう空間だと思うので。 そういう空間をマンドリンの合奏態でもできるんですよ、って言えることが学生なり他の団体なりに対する問いかけであり、エールであると思うんです。

とにかく、他の団体を否定するわけでもけなすわけでもないんですけど、「みなさん、やっていることは“本当の音楽”ですか?」っていう問いかけをしたいっていうんですかね。 それには、合田さんにいていただけるというのは、非常に大きなポイントになるんですよね。

2002年9月29日更新
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