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長らく更新を停止しておりましたが、第2回演奏会パンフレットのために収録した『プロの目・特別版』を再びとりあげていきます。 今回も、パンフレットではページ数の都合上掲載できなかった内容などを数回にわたりお送りいたします。 (2003年8月31日収録)

第17回 合田香氏・前野一隆氏対談
第2回演奏会を迎えて

--第2回を迎えた今回は70年代卒のOBが増えたのですが、団体においてどのような変化がありましたか?

合田氏(以下 合): もともとこの団体の出だしは、僕がコーチをし始めてからやってきた人たちが中心で始まったのですね。(ところが)僕が教えたり、前野さんが棒を振ったりでやるのは初めての方々を、メンバーとしてお迎えするわけで、こちらもワクワクとした興味が半分、心配半分というところがあったのですが、とっても助かるところというのが、今でも他の団体で弾いてらっしゃる方々であって、そういう意味では演奏面でも何の抵抗もなく加わってくださった。そうすると反対に、弾いていないと参加しちゃいけないのかなって思われるかもわからないですけど…。

今日の練習の帰り際に、江澤さん(69年卒)と北村さん(72年卒)とが僕と前野さんのところへいらっしゃって、「今回、僕たちの世代を演奏会に呼びます。次回はもっとメンバー増やします、あの若い世代に負けないためには。」と、おっしゃった。それはとても面白い発言で、こちらもよろしくお願いします、と言っていたとこなんです。あの世代(主に70年代)と、今現役の18、19の子たち、この年齢差でひとつの団体を構成してやれてること、それがとっても幸せですよね。それが率直な感想。

前野氏(以下 前): うーん、むずかしいなぁ。僕はまだ、確かに何人か入っていただきましたが、合奏とか音楽作るとかそういうことに関して、一回目とあまり変化が出ていないというか。さっき、次は同じ世代入れますよなんておっしゃってましたけど、まぁそれも言い得ているのかもしれないですけど、今の段階だとまだ、入ったことによる厚さ、音楽を作るうえでの厚さが、感じられないです。

というのは、それぞれ私や合田さんよりも全然、年を重ねてきた方が入ったんですけれど、そこにはいろんな人生経験というのが私たちよりたくさんあるわけなんです。けど、そういうものを音楽に反映させていくっていう癖がまだないので、あんまりその人生経験が表に出てこないという気がして。本当はもっと深みがたくさんあるはずなんだけど、それがあんまり生きていないっていうのは思います。若い人たちのパワーとか、弾ける、弾けないに押されちゃってる。「いや、そうじゃなくて」という主張が出来るとこまでは、まだいけないかなぁと。

逆にその世代の方々にもカルチャーショックだと思うんです、こんなやり方なんて、やってこなかったんだから。それが少しづつわかってきて、何をしようとしている合奏体なんだろうかということもわかってきたんでしょうけど、まだ多勢に無勢なんじゃないかな、と。

江澤さん・楽団長を囲んで
江澤さん・楽団長を囲んで

合: たとえば柄本さん(96年卒・中大アシスタントコーチ)も他の団体で指揮してらっしゃるし、他の何人かも他の団体にいて、それぞれが違う。僕はね、そろそろそういうもの、エキスのぶつかり合いみたいなものは、あってもいいなと思うんです。そろそろ、それぞれの色のぶつかり合いがあって、そのひとつとしてあの世代(主に70年代)の色が出てきても楽しいなという感想を持っているんです。そうしないと、つまんないから。その中で、社会人の団体の面白さは、現役のとき以上に、それぞれの場所で得たものを出し寄って、それをぶつけ合う。でも、いつまでも同じ歩みを続ける必要は、ないわけ。学生のときと違って、同じ時間をすごしているよりも、別の時間をすごしていることの方が多くて、だけどそれを持ち寄ることが面白み。

今日も休憩のときに高橋さん(72年卒・楽団長)が、鈴木先生の話をしてくれて、「先生が来たときにたまに、ドラとかチェロとか取り上げて、山の印象の一楽章のメロディーを弾く。その、なんとなく弾く、あのメロディーが好きだったんですよね」って、僕にお話してくれる。そういうあの世代にとっての「鈴木静一」っていうことを含めながら、だけどそれに僕たちがこだわるってわけではないんだけど、それをまたみんなで取り込みながらっていうのが社会人団体としては面白いステップを踏めるんだろうなっていう感想はありますけどね。みんな、自由にやればいいんです。

前: 曲によって差が激しい。鈴木先生の曲とか、まぁ藤掛さんくらいの曲だと、とっつきがいい。表現も自分でしてるんですけど、完全なクラシックの曲であったりとかオリジナルの曲でもアプローチが違うんで、アプローチが違うやり方をしたときの反応が、まだまだ厳しいかなって感じがしますね。ついてこれないみたいなところは、あります。

今回ごちゃまぜな、多種多様なプログラムなので、それぞれ捉え方を変えないといけない。でないと、出来上がっていかない。でも、そのいろんなものがあるのが楽しいのが今回の演奏会だと思うし、その辺がみんな同じになっちゃう。鈴木先生の曲とか、藤掛さんの曲みたいな簡単に感情移入できるものであれば、ふわっと出てくるんだけど、そうじゃないヨーロッパの音楽になっちゃうと、急に主張のしかたがわからないみたいで。それは、若い人もそうなんですけど。でも、いい方向には向かってると思うんですけどね。

2003年9月11日更新
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