早池峰をいく

  早池峰山頂に至るコースは縦走コースも含めて9つほどもあるらしいが、一般的には河原坊小田越を結ぶコースが採られる。私の場合、縦走などして辛いのはイヤだし山小屋泊は面倒くさい、かといって小田越からダラダラとした登りを気長に歩くジーさん.バーさんコースもご免なのである。従っていつも短期決戦、直登型の河原坊〜小田越周遊コースを選択する。しかも下山後、アスファルトの道を歩くのが辛いので小ナンブトラノオ田越登山口にチャリンコを用意しておくといった ていたらくだ・・・。

 私の早池峰登山はすっかりパターン化している。夕方気仙沼を発ち、河原坊に深夜に着く。そこでおもむろにワインを取り出し寝酒にする。ここで地ワインのエーデルワインもいいが、夜中に酒屋は開いていない。故にあらかじめ好みのワインを用意しておく。たいがいアルザスの秀逸な辛口の白、ゲヴュルツトラミネールになるのだが、独特のライチに似た香りの余韻を楽しみながら眠りにつき、そして朝は体内時計がしっかり働いて予定の時刻にちゃんと起きるのである。

  エスプレッソで朝食を摂り午前5時には登り始める。頭垢離で水をくみ2杯目のコーヒー、頂上でもう一杯。登りよりもゆっくりと高山植物を楽しみながら暑くならないうちに下山。小田越登山口からはチャリンコでアスファルトの路を爽快に駆け下りて河原坊に戻る。わずか数時間で終わる旅。しかしそれは至福の旅でもあるのだ。

早池峰幻想

早池峰をいく  早池峰初登頂記

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