Carniphillipsia aff. timorensis | |
カーニプィリップシア aff. チモレンシス |
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谷口俊一氏は気仙沼市の「畑」より小型のPseudophillipsia の完全体を採集した。 2002年春、私は同産地を追調査し本種を含め少なくとも2種の未報告のPseudophillipsia が産出することを確認した。 即ち、本種とPseudophillipsia cf. azzouzi である。 2種ともに同産地から既に知られている Pseudophillipsia spatulifera と比較すると、本種とは大きさの他 細かな特徴の相違があり、全くの別種と見做すことが出来る。 P. spatulifera の幼体の可能性もあるが、これだけ多くの標本を産するとなると否定せざるをえない。 P. spatulifera は小さくてもP. spatulifera のカタチをしているし・・・ また、私の古い標本の中に戸屋沢から得た正体不明の小さな頭鞍があったが、これは本種のものかも知れない。 これが産出したのは違うポイントなので 本種はもっと広い範囲で産出する可能性がある。 P. spatulifera との特徴の差異は頭部に於いては 「周縁が薄く、頭鞍は縁に達するが突出しない」 「頭鞍と頸環の間の3つの突起が小さく目立たない」 「頭鞍側葉がないか、極めて小さく目立たない」 などがある。 尾部は P. spatulifera によく似るが、中軸がP. spatulifera ほど細く高くなく、丸みを帯びている。 変形を受けた方向によって後端が丸みを帯びたものと、やや尖ったものが見つかるが 同一種かどうかは更に検討を要するだろう。 日本の各地から報告されている Pseudophillipsia 各種との比較検討しなければならないが 恐らく新種として間違いないと思われる。 |
2005.6.3 |
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その後、故小泉氏が遺した資料の中に本種の記述を見つけた。それは上八瀬産のもので Acropyge と称し 頭胸部と尾部の写真が添付されていた。また、ぱきおさんの父上も上八瀬から本種を見出しているほか 東京のO氏も米谷から尾部を、私も「ペルムの森」から頭鞍と尾部を採集しており比較的広範囲に産出することが 分かってきた。 |
2012.9.2 |
関連ページ【北上巡検2002】
Last update 2012.9.2 |
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