2.Dave
Evans / The Words In Between ( Weekend Beatnik 9039
) レコ−ドに黴を生やした前科のある僕。その犠牲になったのがこのアルバム。棚にギッシリと詰め込んでいたから、地震では束で「前かがみ状態」になっただけで割れる事もなかったが、その変わりその時に気がついたのが「黴」であった。
ウイズ・ジョ−ンズやイアン・アンダ−ソンと同じく「Village Thing」から71,2年頃リリ−スされていたデイブの同タイトルのアルバムにボ−ナスを加えたありがたい代物だ。
「Village Thing」は、イアン・アンダ−ソンの設立していたレ−ベルで、短命に終わったがスティ−ブ・ティルストンやウイズ・ジョ−ンズ、そしてデイブといずれもアメリカン・フォ−ク・ブル−スに強い影響をうけたフィンガ−・ピッキング・スタイルのシンガ−がイギリスという風土の中で陰影の濃い作品を多く手掛ける人々を輩出したレ−ベルとして、今も記憶する人は多い。
デイブその範疇に入る人なのだが、彼の場合付け加えるなら これに「泣き」が入る事だろうか。
嬉しいリ・イシュ−ではある。
5.City
Folk / In Another's Eyes ( No Number )
優しく丸味を帯びた声、それでいて陰影に富んだ作品を提供してきたケイト・ウルフ。彼女亡き後の西海岸の女性シンガ−として注目を集めるのはアリサ・ファインマンとスザンヌ・マクダ−モット。
シティ−・フォ−クは、そのアリサ・ファインマンのバッキングを務めてきたトリオとして彼の地で熱心なフォ−ク・ファンの間で、その存在が知られるようになった。
ギタ−2本とマンドリン(曲によってはドブロ)、最小編成のアンサンブルに「CSN」を彷彿とさせるコ−ラス。これは、忘れかけた「ウエスト・コ−スト・サウンド」の良質の「上澄み」がこの地に残っていた事を証明するもので、デビュ−作「Shadows
On The Wall」(Thunderbird 5003 )は、その意味では今も忘れがたいアルバムである。今回は、自主制作の趣が強いが前作に比べリズム・セクションも付き、曲によっては管楽器も導入されたりしているが、それとて作品の中の予定調和のようなものであくまで「色付け」程度のものだ。
「シティ−・フォ−ク」なんて今時センスのない名前なんて、と頭から馬鹿にしていら横っ面を思い切りはたいてくれる。
未だに「ウエスト・コ−スト・サウンド」に執着する方には一聴をお奨めする。
To 岩崎昌樹 たとえ初めて出会うCDだとしても、そのアーチストの音楽系譜が読みとれるのは、それともずっとフォークを聞き続けているからなのでしょう。源流をたどろうとすると、どこまでもさかのぼることが出来る音楽がフォークだし、またそれが楽しくもあります。岩崎さんのコメントを読んでいると、いつもそんなことを思います。よそ見もせず、浮気知らずの耳の強みですね。今回もまた、思わずボクにも巣くっているフォーク心がムズムズと動きました。(大江田)