<紅茶の魅力>
 
紅茶はお好きですか?
私が紅茶の味や香りの魅力に気が付いたのは、今から20年以上も前の事で趣味の洋菓子作りが高じて、青山でお菓子教室をしていた頃です。勿論それ以前から紅茶を愛飲していましたし、紅茶のある日常生活と出合ったのは、それよりもっと以前の高校生の時に交換学生として1年間生活した、オーストラリアでした。お菓子教室での試食のティータイムの時には、ストレートで飲んでも、ミルクティーにしてもお菓子の味を邪魔しないのでいつも紅茶を淹れていました。あるレッスンの折、いただいた“ダージリン“という紅茶を淹れた時に、その何ともいえない清々しい、フルーティーな香りにとても驚きました。某ホテルのオリジナルブレンドでしたが、“ダージリン”が“紅茶のシャンパン”といわれる所以とはまさにこの香り、味だったのかと目が開かれる経験でした。

 その後事情で仕事からはなれている間、時間の余裕が出来たので“これはチャンス、もっと美味しい紅茶を味わえるかもしれない!!”と日本紅茶協会が主催する、ティーインストラクター養成講座に1年間通ったのですが、そこで又、紅茶の別の魅力に出会うこととなりました。つまり紅茶の味や香りではなく、その背景にある、文化としての魅力です。私たち日本人は“日常茶飯事”つまり“常日頃の御飯を食べる事や、お茶を飲む事の用にありふれて、平凡な事”という言葉があるくらい、お茶と親しんできました。煎茶道、茶道、と様々な伝統文化も守られています。

その日本茶のルーツは中国にあるのはだいたい想像ができますよね、さて紅茶は?というと紅茶も、もともとは中国が発祥の地である事はご存知ですか?私たちが今現在使っているティーカップとは、日本茶や中国茶で使っている、お茶用の茶碗が原型で作られているという事は知っていましたか?紅茶文化というと、まず英国というように誰もがすぐに思い描くように、伝統的に受け継がれていますが、ヨーロッパに最初にお茶を伝えたのはポルトガル人でしたし、その後しばらくお茶を定期的に輸入していたのはオランダでしたが、では何故ヨーロッパ大陸に紅茶文化は出来なかったのでしょう?アフタヌーンティには付き物の“スコーン”と〜っても美味しいのです!!、さてどのように食べるかご存知ですか?このように次から次ぎへと新しい扉が開かれてゆきました。

紅茶の楽しみは、ただ美味しく飲むだけでなく、例えば美味しいケーキや焼き菓子とともに楽しむ、自分の好みの食器で演出して楽しむ、家族や親しい人々とのくつろぎの一時を作り出す、あるいはそういう人々との楽しい交流の時間を過ごす、等々の楽しみ方もあります。そして紅茶を通しての様々な世界の歴史や、食器などの由来、お花のアレンジの仕方、テーブルのしつらえなどの楽しみもきりが無く、気軽な楽しみから始められるにもかかわらず、とても奥深い世界があるのです。
紅茶党の私としては、その紅茶の美味しさ、楽しさを伝えたいし、多くの人々と共に楽しみたいと切に思うのです。



●美味しい紅茶とは?
●紅茶の産地と特徴
●紅茶の楽しみ方/美味しい紅茶の淹れ方