私が所有しているキーボード

ここでは私が使用しているキーボードを紹介しています。
まぁ、もうすでにお役ご免となって手放してしまった物もありますが。
あなたのキーボード選択の際の参考になればと思います。
でもここで紹介した物はほとんどが絶版…。
ヤフオクにちらほらと出ることもあるのでウォッチしておきましょ。

★メーカー・モデル名
 FILCO・Stealth(FKB-92ERG)
★スイッチ種別
 ALPSメカニカル・簡易白軸
テンキーレス、エルゴ、そしてメカニカル。
○○○○○■■■■■(5点)

★説明
 10年ほど前に生産された旧型マック用のADB接続キーボードです。 多くのエルゴノミクスキーボードに通常使われている廉価なメンブレンスイッチではなく、なんとメカニカルのALPSスイッチ簡易白軸(クリック音とタクタイル感の両方あるタイプ)が採用されています。 標準のALPSスイッチではないのは残念ですが、テンキーレスコンパクトタイプでエルゴノミクス、そして簡易軸とはいえメカニカル採用というのは日本国内で流通した物でMX5000以外ではなかなか無い希少な品物です。 しかしながらコンパクトタイプといっても幅は40センチあります。 ちょっと大きめという印象を受けますが、ホームポジションに体の中心をおいた場合に右にテンキーなどがないためにその分マウスが近くなるのですね。 これは非常に楽でいい配置といえます。 こういった利点のあるStealthですが、残念ながら物自体の出来はあまりよくありません。 スイッチがALPS製とはいえ簡易軸なので信頼性は残念ながら下がりますし、なにやらキートップの不安定感というかガタガタした感触も見受けられます。 簡易軸ゆえに精度が低いということで仕方のない事なのでしょうね。 打鍵時のケース内に響く残響音も多少気になります。 タッチパッドが付属しますが、これはちょっと反応が敏感すぎて使いづらい上にクリックボタンが異常に堅くて、とても常用に耐える物ではありません。 本格的に使用するとなればタップによって代用するしかないでしょう。 分解してみたところタッチパッドはSynaptics製品でしたので汎用ドライバをインストールするか、ThumbSenseを使用してやるのもいいかもしれません。 配列は無難といえば無難な仕上がりになっていますがカーソル周りにEnterやバックスラッシュを配置してあるのは押し間違いを誘発するので少々使いづらい。 しかしこの辺はキートップを外した上でキー認識を無効にしてやればどうにでもなるので許容範囲内でしょうか。

 私が現在所有しているステルスですが、先日総緑軸化を行いました。 結果、恐ろしいほどまでに良キーボードに変身してしまいましたよ。 詳しくはこちら



★メーカー・モデル名
 CHERRY・ErgoPlus MX 5000(G80-5000HPMUS)
★スイッチ種別
 CHERRYメカニカル・MX茶軸
文字を打つのが楽しくなる、MX5000。
○○○○○○○○○○(10点)

★説明
 今のところ私が知る限り最強中の最強ともいえるキーボードです。 中央でパックリと割れる形式の、いわゆるアジャスタブルキーボードという奴。 こいつにはCHERRYの茶軸スイッチが使用されているので、とにかく打鍵感覚が軽くて非常によろしい。 茶軸ですのでクリック音はもちろんしませんが、底付きのコツコツという音が非常にリズミカルに打鍵できて気持ちが良いです。 そして当然のようにコントローラーボードにNキーロールオーバー採用で無駄のない高速打鍵が可能。 キースイッチは基板に直付けで鉄板マウントではありませんが、不思議と剛性感が確保されているのはフレームがしっかりと支えられるような構造になっているからでしょうか。 CHERRYキーボード全般にいえるのですが、ケースを開けてみると縦方向の仕切りがたくさん配置されていて、それで基盤を下支えするような仕組みでした。 これが微妙な安定感を醸し出しているのでしょう。 構造関連ではネジをほとんど使用せず(わずか4本)パーツの微妙な組み合わせで強度を確保するなど、ドイツらしい合理的な設計が数多く見受けられます。 裏面に6カ所も装備されたスタンドも二段階に高さを調節できるなど、自分の体格に合わせて左右の角度はもちろん高さ角度すらも変更できるという便利さ。 キー配列も理想的で初めてこれに触れた方でも特に混乱することはないでしょう。 カーソルキーの上にHOMEとENDが水平配置されているなどテキスト打ちの際に非常に便利に使用できるよう良く考えられた配列になっています。 Windowsキーは少々堅めのスイッチを使用しているようで、間違えて押してしまう心配も軽減されるなど細かい部分への配慮も見逃せません。 またCHERRY製品にしては珍しいテンキーレスタイプってところも重要でしょう。 これならマウスが遠くなることもないですし、どうしてもテンキーが欲しい人には専用のテンキーパッドすらも用意されているくらいです。(別売) おそらくこれ以上のキーボードを求めるとなるとKINESISのContouredに走るか自作する以外にはありえないと思います。 似たようなタイプのアジャスタブルキーボード(MAXIMなど)がないわけではありませんが、メンブレンスイッチだったり配列が複雑怪奇だったりして、どれも満足のいくものではありませんでした

 これらの条件があまりにも素晴らしすぎて常用しまくりなのですが、できれば破損時に備えて予備がいくつか欲しいところです。 でもさすがにマニアの間でも人気の物らしく中古市場にもまったくブツが出てきません。 もう10年以上も前に生産されていたビンテージ物と言ってもいいものであり、もちろんとっくに生産中止になってしまっているので新品での入手は絶望的。 物がない以上、金を出せば手にはいるわけじゃないっていうところが辛いところ。 現実問題としては中古ショップやオークションで出物を探すくらいしか選択肢はなさそうです。 うーん、海外のどこかにUS配列でなくてもいいからデッドストックが眠っているといいのですが、そうそうそううまくはいかないかな。 ちなみにYahoo!オークションでの相場は使用済みの中古品は状態にもよるけど2万円中盤、新品は3万円くらいだったのですが、この前は新品未開封物に8万円という値がついてました…。 やっぱり物が物だけにそれなりの値段はしますなぁ。 これからも値段が上がることはあっても下がることはなさそうです。 来年あたりには10万円を超えたりもしてしまったりして…。 最悪、壊れてしまった場合にはベースだけを流用してコントローラーを別の物から移植して復活させてやるしかなさそうです。 キーマトリクスをテスターでひとつひとつ調べたりしなくてはなりませんのでかなり手間と時間がかかるのですが、もう仕方がないかも。
(*)ステップスカルプチャー
キーの配列が奥に行くにしたがって高さが上がっていき、真横から見るとキートップが微妙なカーブを描くことによって打ちやすくする構造のこと。 ステップスカルプチャー1と2があり、1はキースイッチを取り付けてある基盤自体が湾曲していてキーの軸も角度を変化させて打ちやすくしてあるもの。 2は平面の基盤にスイッチが固定されていて、キートップのほうの高さを変化させて取り付けることによって湾曲を擬似的に作り出しているものを指す。

★メーカー・モデル名
 COMPAQ・MX11800(G80-11801LPAUS)
★スイッチ種別
 CHERRYメカニカル・MX茶軸
茶軸+トラックボールの万能選手。
○○○○○○○○■■(8点)

★説明
 COMPAQのサーバ機についていたらしいキーボードです。 CHERRYのOEM生産品で、型番から構造、キースイッチにいたるまで全てCHERRY製品です。 外観が同じ物でG80-11802がありますが、これは製造時期と型番が違うだけで内容的には同じ物のようです。 トラックボール一体型のために省スペースでの利用が可能になっていますが、これはイマイチ使い勝手がよくないのでサーバ機につないだ際の非常用と考えるのが順当なところでしょうな。 キーボードのほうはCHERRY茶軸で最高の打鍵感覚であり、まったく文句がありません。 鉄板などで補強はされていませんが打鍵時にもキーボードがたわむような違和感も感じられず、しっかりとした感触です。 テンキー付のうえにコンパクトに詰まっていながらもカーソルキー群などには余裕を持った配置がなされているために、フルキーボードからの移行組の場合でもあまり混乱をすることなく使用することが可能でしょう。 ただ、周辺のキー配列はちょっと特殊なので注意が必要です。 特にファンクションキーなどが2列配置になっていたりするのでファンクションキーをブラインドタッチで多用する方には慣れが必要になってくると思います。 それとトラックボールのブロックが盛り上がっているために、テンキーのゼロを押す際に指がその盛り上がりに引っかかってしまうというストレスも。 なお、同型のものにもトラックパッド版はあるにはあるのですが、こちらは同じCHERRYスイッチでも黒軸を採用していて打鍵反発力はかなり重いですから、やはり茶軸のこいつがって感じです。 注意することは、トラックボールがロジテックセンサーを使用した光学式トラックボールなのですが、これがマザーボードのチップセットによっては動作しないという不具合が数多く報告されているということです。 nForce2マザーはその最たる例で、まず動作しないと思った方がいいでしょう。 どうしても使用したい場合にはPS/2→USB変換コネクタを使用してトラックボールだけUSB接続にするなどすれば可能になります。 ちなみにキーボード側は問題なくPS/2で使用できます。 なお、これは現在いちばん手に入れやすい茶軸採用のCHERRY純正生産品でしょう。 ヤフオクでも定期的に出品がなされ、だいたい10000〜15000円くらいで落札されています。 海外サイトで中古品60〜80ドル、新品100〜200ドル程度で売られているようです。 また、このシリーズにはG80-11802PAJAという日本語版も流通してます。(CHERRYは日本語版のみならず、各国語版を製作しています)


★メーカー・モデル名
 CHERRY・MX1800(G80-1800LPMEU)
★スイッチ種別
 CHERRYメカニカル・MX黒軸
テンキーがありながらもコンパクト。
○○○○○○○■■■(7点)

★説明
 リニアタイプのCHERRY黒軸を採用した純正のキーボード。 黒軸なのでトップからボトムまで引っかかり感の一切ないスムーズな打鍵が可能になってます。 スプリングの設定が少々強いために使う人によっては少々重い打鍵感覚だと感じるかもしれませんが、これに慣れると底まで押し切るのではなく半押し状態でぽんぽんと入力するという非常に疲労蓄積度の低い打鍵が可能になるのですな。 コツとしてはキートップから指を離さずに表面を滑らせるように移動させてクイっと押し込んでは引くといった感じで、一般的な叩くというのとは違う打ち方が最適でしょう。 底まで打ち切るような感じの使用ですと指に負担がかかって非常に疲れます。 ただ、半押しを習得した場合、一般的に高速入力には黒軸が最適といわれているようで、この黒軸を好んで使用する方も多いようです。(それゆえにか黒軸は一番ラインナップが充実している) しかもクリック音もしませんし、キー自体のカチャカチャ音もかなり静かな設計になっていますので深夜にも気兼ねなく打鍵することができるでしょう。 キーレイアウトは非常にコンパクトで、ちょうどカーソルキーの部分を縦に詰めたようなレイアウトになっています。 デリートキーが押しづらい位置に行ってしまっていますので修正にはバックスペースを多用することになると思いますが、どうしても使用したい方の場合はキーレイアウト変更ソフトなどを使用してマッピングすればいいので特に問題はないでしょうな。 型番が示すとおりユーロ配列モデルですが、基本的にユーロ通貨記号マークが追加されている以外はUS配列モデルとなんら変わりがありません。 コントロールキーなどのオプショナルキー群が1キー分という小さなものしか用意されていないので、多用する方の場合は多少戸惑いがあるかもしれません。 まぁ、すぐに慣れると思いますが。 私としてはもーちょい軽めのスプリングの方が好みなので、時間がとれたらスプリングを一段軽いものに交換したりして遊んでみたいと思っています。 理想を言えばこの配列でテンキーとWinキーを排除してくれたなら、かなりポイントが高いのですけどね。


★メーカー・モデル名
 CHERRY・MX3000(G80-3000LSMUS)
★スイッチ種別
 CHERRYメカニカル・MX青軸
青軸のスタンダード。
○○○○○○○■■■(7点)

★説明
 CHERRY青軸を採用したスタンダードな形状のフルキーボードです。 青軸ですのでスイッチタイミングに合わせてチッという小さなクリック音がするのですが、下品なほど大きな音って訳でもなく適度な音で非常によろしい。 クリック音の他に底付き音もするので、ゆっくり押すと「チッ、コン」って実質二回音が鳴る感じです。 もちろん普通の打鍵時には二つの音は混じり合って聞こえますけどね。 タッチは茶軸に近い感じで、押し下げ力も軽く疲労が蓄積しないような設計になっています。 現在でも新品が比較的容易・安価(といっても1万円ちょい)で手に入る物ですから、価格が暴騰するって事もないので安心感があります。 ただ、問題も少々。 どうも他のMXシリーズとは少々違う設計のようで、中央あたりのキーを押すとわずかに基板がたわむ様な打感があります。 強く打鍵する人にはこのたわみが不快に感じられるかもしれません。 軽くなでるように打つ人には全く問題がないのかもしれませんが、底付き感がはっきりしないっていうのは高速打鍵時にミスタッチを招く原因となるので、次期モデルがあるのならばぜひとも改善を求めたいものです。 これは購入する前に店頭で実機を試し打ちしてみて確認するのが良いでしょう。 それらを除けばかなり完成度の高いキーボードとなっています。 現行製品で英語配列のフルサイズキーボードをお求めの方の場合にはこれが一番のオススメになると思います。


★メーカー・モデル名
 CHERRY・MX3700(G80-3700HQU)
★スイッチ種別
 CHERRYメカニカル・MX黒軸
黒軸採用の渋いタッチが魅力のテンキー。
○○○○○■■■■■(5点)

★説明
 CHERRY黒軸を使用したテンキー。 黒軸ゆえに茶軸に慣れた指には少々キーの反発力が重いのが難点ですが、そこはさすがにCHERRYスイッチ。 ストロークの中間くらいで確実な入力が可能なので奥まで押し切らなくても確実に入力が可能だから指への負担も軽減できてます。 非常にいい打鍵感覚と間違いのない入力。 デザインも他のCHERRYキーボードと統一性が取れていていい感じです。 背面にはPS/2ポートがありますので、こいつを経由してキーボードを接続することも可能です。 同型の物に茶軸の物があるそうなんですが、ぜひ手に入れたいところですね。 コントローラーは残念ながら3キーロールオーバーですが、片手打ちが基本のテンキーですので特に問題はないでしょう。


★メーカー・モデル名
 TG3 Electronics・BL82
★スイッチ種別
 CHERRYメカニカル・MX黒軸
軍事用キーボード?
○○○○○○○○■■(8点)

★説明
 なんとなくFILCO配列に似たコンパクトキーボードといった面持ちのブツですが、実はこれには多くの秘密が隠されているのです。 まずキースイッチですが、これにはCHERRYの黒軸メカニカルが採用されています。 しかもキースイッチのマウントはアルミ板にがっちり固定されているので、実に剛性感がある非常に良いキータッチ。 アルミに反射するカンカンって音も非常に良い感じです。 しかしこれだけではないのです。 じつはCHERRYスイッチには元々穴が開いていて、そこにLEDを埋め込むことが出来るようになっているのです。 CAPSLOCKなどのキーにLEDが付いているのがありますね? ああいったことが出来るような設計になっているのですがBL82の場合はCAPSLOCKだけではなくて、なんと全てのキーにLEDが埋め込まれているのです。 電源を入れるとこんな感じに光ります。 ですから暗闇でも文字が赤色の光で浮かび上がって実に視認性がよろしい。 こういったイルミネーションキーボードというのは他にも数多くある物なのですが、全てメンブレンスイッチですし構造もELバックライトシートを背面に貼り付けて発光させるためにキー全体が光ってしまい、暗いところで使用すると周りとのコントラストで眩しく感じてしまうし、なにより安っぽいイメージであまり格好がよくない。 その点このBL82は文字だけが発光するっていう最高レベルの格好良さと品質です。 どうもこのキーボードは車内などで使用するために製作された物らしく、光をなるべく外に出さないように(窓に光が映り込むと外が見えなくなってしまうため)しながらも、視認性は最高の物にと考えられた末に完成した代物のようです。 秋葉HotLineなどでは軍事用キーボード?などと報道されていたようですが、車内での使用のほかプラネタリウムなどのオペレーターが使用するものとして作られた様な気がします。 暗いところではあまり外部の光を使えませんのでこういった物が役に立つとか…。 光の強さはFnキーを押しながら矢印の上下で変えられるので好みに応じた光加減の設定が可能。 これは出物があればとにかく買っておけといった良品です。 海外のサイトではだいたい200〜250ドル程度で販売されています。 日本ではほとんど出回っておらず入手が困難…というかほとんど不可能に近いので、ヤフオクなどを気長に探してみてください。 以前は一時的にネオテックで少数の物が13000円ほどで販売されていたようですが、現在は完売してしまって再入荷の予定はないようです。 ちなみにDATALUXやTELXONといったキーボードメーカーブランドでもTG3からOEM供給を受けて販売されている模様。 ただ、これは総合的に見れば非常に出来の良い物なのですが、キートップがステップスカルプチャーではなくて単に平坦な形になってしまっているのが残念。 QWERTY列や数字列が非常に遠く感じてしまいます。 何かスペーサーをかましたいところなのですが、それをするとLEDの光が遮られてしまって…。


★メーカー・モデル名
 Apple Computer・Apple Adjustable Keyboard(M1242)
★スイッチ種別
 ALPSメカニカル・旧白軸

○○○■■■■■■■(3点)

★説明
高い…だけかも?
 アップルがこのアジャスタブルキーボードを出したとき、何に驚いたかっていうとその価格。 なんとこれは4〜5万円もしました。 末期には安くなっていたとはいえ、それでも3万円は切ることがなかったようです。 この写真は本体のみのために写ってはおりませんが、その価格にふさわしく着脱可能なパームレストや専用のテンキーユニットも付属していました。 さらにALPSのメカニカルスイッチ、アジャスタブル構造、部品点数も多くてフレームにふんだんに鉄板が使用された重量感あふれる安定したボディなど、細部にわたるまで非常に奢った造りのものでした。 まさに憧れのキーボードだったわけです。 そしてそのアジャスタブル構造のおかげで自分の体格に合わせたポジションに持っていけるというのは最高としか言いようがありませんでした。 ちゃんと数字の6キーが右側に位置しているのも好評価。 この高級キーボードも今や中古とはいえ程度のいいフルセットがオークションなどでなら1万円程度で買える時代。 いい時代になったもんですな。 コネクタは旧型マックに使用されていたADBコネクタですが、iMateというADB→USB変換コネクタを使用すればPCでもこいつを使用することができます。(ただし日本語配列版はアンダーバーとバックスラッシュが無効になるという欠点はある。 英語配列版は未確認。) 贅沢な仕様なのですが、打鍵感覚は決して良いものではないのが残念。 私の手に入れたものはそこそこ使用されていたものなので経年変化があったのかもしれませんが、タイプするたびになんだか引っかかるような感触が強くて、流れるようなタイピングができるってわけにはいかないのです。 キースイッチは旧型のALPS白軸で、タクタイル感が強くクリック音のないタイプです。 押し心地はラバードームのメンブレンに似ているかも…。 同じALPSスイッチでもリニアタイプの黄軸か緑軸を採用してくれていたらもっと評価も高かったのかもしれませんがね。 本当は黄軸にでも入れ替えて使いたいところなのですが、このタイプの白軸はキートップの軸との接合部が他のALPS軸と異なり特殊な形状をしているために黄軸と互換性がないので、やろうと思ったらひとつひとつ加工しないと取り替えることもできないのが残念。 それと本体のみなら非常にコンパクトでいいのですが、付属のテンキーが少々デザイン優先のきらいがあって、今ひとつ使い勝手が良くないのも残念なところ。 ファンクションキーもプチボタンなので押しづらい。 …このキーボードは使用するっていうよりも棚にでも飾って「エヘヘ、ウチには5万円のキーボードがあるんだ〜」ってニヤニヤするってのが正しい使い道なのかも…。


★メーカー・モデル名
 Apple・Apple Extended Keyboard2(M3501)
★スイッチ種別
 ALPSメカニカル・消音クリーム軸
 ALPSメカニカル・消音白軸

たったの300円で、こんなにいい打鍵感。
○○○○○■■■■■(5点)

★説明
 このキーボードは実におすすめです。 なんと言ってもあまりウィンドウズユーザーには存在を知られていないし、またマックユーザーにはあまりにも普通すぎて人気がなく、けっきょくジャンク屋(この辺の)とか各地にあるハードオフとかで数百円とか高くても千円程度で売られています。(2007年現在、残念ながらジャンク屋からは低価格の物は枯渇状態。5000円ほど出しても状態の悪い物しか手に入りません。ネットオークションではマレによい物が出る事がありますので、そちらを当たった方がいいと思います) しかしそれにもかかわらず上質な打鍵感と剛性感あふれる造りの良さ。 それもそのはず、新品価格では3万円弱もしていた品ですので作りが雑なはずがないのです。 このキーボードはまぎれもなく当時のアップルが本気を出して作った珠玉の逸品です。 マック用だからと敬遠されがちなのですが、Griffin TechnologyのiMateというUSB変換コネクタを使用して英語版ドライバを選択してやればウィンドウズでも使用できるので、まったく問題なしだし。

 このApple Extended Keyboard2は旧モデルほどではないにせよ、なかなかの良いタッチを味わうことができます。 メカキー部分の構造は金属プレートにしっかりと支えられた前モデルとほとんど変わりませんので非常に丁寧なつくりです これにはいくつかのバージョン違いが存在していて、生産国や時期によってスイッチの軸が違っています。 メキシコ製が白軸の消音ゴム入りタイプ、アメリカ製の方がクリーム軸消音ゴム入りタイプです。 個人的にはメキシコ産の方が素直なキータッチで好感を持っています。 そして、中でも初期型だけは別格中の別格です。 ごく一部にしか存在しない初期型には高評価のALPSピンク軸が使用されていますので、見つけたら手に入れておく方がいいと思います。 見分け方にはいくつかあるようですが、背面ラベルの右下に四角で囲った「S」マークがあるのが消音ゴム付き白軸(メキシコ製)かクリーム軸(アメリカ製)を使用した通常バージョン、無い物がALPSピンク軸(アメリカ製)かミツミ軸(日本製)のようです。 …それにしてもこの時代のアップル製キーボードには金に糸目をつけずに高価な部品や設計に奢った品が多いですな。 鉄板にしっかりと固定された上質のスイッチに裏付けられた程よい安定感やフレームの剛性感など細かい作りも丁寧、チルトスタンドも背面レバーを操作することによって上下に10段階ほどの多段可動式になっていたりとギミックも凝っていて非常に好感が持てます。

補足:Appleのキーボードは日本語版もありますが、基本的にはASCII(英語)配列になっています。 単に英語キーボードのキートップに日本語のカナがふってあるだけと考えてください。 Apple Adjustable KeyboardやApple Keyboard2などは例外的に完全な日本語配列になっていますが、それ以外はすべてASCIIです。 ですからブラインドタッチをカナ入力でマスターしている人にとってはムやロの位置が異なってしまうので少々使いづらいものがあります。 ローマ字入力の方の場合は記号の位置が多少違うとはいえ、問題なく使用することができるでしょう。 ウィンドウズで使用する場合にはADB→USB変換コネクタを用意しなくてはなりません。 アテッサなどから出ているPS/2とADB兼用型のものでもいいのですが、iMateというものが非常に高性能でいい感じです。 Appleのキーボードを常用するつもりならひとつ買っておいた方がいいでしょう。 あとドライバが日本語キーボードとして認識してしまう場合があるようです。 この場合にはPS/2ポートに適当なキーボードをつないでから英語ドライバをそのPS/2キーボードにインストール。 その後にUSBにつないだアップルのキーボードをデバイスマネージャーから削除してやります。 そして一度USBケーブルを抜いてからさしなおすと英語キーボードとして認識できるようになります。 これらのADBキーボードを購入して使う場合には本体とiMateのほかにもADBケーブルを購入することをお忘れなく。 この時代のマック用キーボードはADBケーブルがモニタケーブルのように別体になっているものがほとんどですので、iMateだけでは使用できないのです。 あとはコントロールキーやシフトキーなどが左右で別認識になっておらず左右どちらを押しても同じキーを押していると認識されますので、IMEのオンオフに右Altとかを割り当てて使用している人にはつらいかも…。 そういった場合にはAlt+Spaceのマック形式の割り当てにしてやりましょう。 なお機能キーの認識ですが、アップルコマンドキーはWinキー、OptionはAlt、Controlは同じくControlになります。 WinキーボードとはAltとWinキーに当たるものの配置が逆になっていますので、それらはKeylayChange keyなどのキー配列変更ソフトで入れ替えて使った方がいいかも。


★メーカー・モデル名
 SHARP・X6800キーボード(DSETK0016CE02)
★スイッチ種別
 ALPSメカニカル・緑軸
最強の初期型。
○○○○■■■■■■(4点)

★説明
 初期のX68000に採用されていたキーボードです。 実はこのDSETK0016CE02にはスムーズな打鍵感を持っているALPS緑軸メカニカルスイッチが使用されているのです。 緑軸といえばALPSオレンジ軸と共に高い評価を獲得している超軽量リニア。 軽い軽いといわれているCHERRY茶軸やALPS黄軸をはるかに超えて、さらに10グラムの押し下げ力の軽さ。 これはなかなか得がたいものがあります。 リニアですのでもちろん最近隆盛を誇っている白軸や黒軸のようにうるさくも重くもなく、ノンクリックのクリック音無しという物。 この時代のALPSスイッチは成型精度が非常に高いらしく、キーのがたつきもほとんどなく実にスムーズで静かな打鍵が可能のとなっています。 なにより物が物ですので酷使されている物がほとんど無いために、軸もスイッチもヘタることなくなまま保存されている物が多く、非常に得難い物となっています。 しかしながら、これは無改造のままでは現在のPCにはまったく使用できませんし、変換コネクタを自作できたところで特殊なキーが多すぎてどうせまともに使用することなど不可能です。 じゃあ何でこんなものがストックしてあるかというと、こいつを部品取り用にって思っているんですな。 たとえ単体では使えなくても部品だけは良質な物ですので、いくらでも再利用は可能ですから。



メカニカル以外のキーボード。

★メーカー・モデル名
 東プレ・RealForce89
★スイッチ種別
 ラバードーム+静電容量スイッチ
日本で唯一といえる良品メーカーのテンキーレス。
○○○○○○○■■■(7点)

★説明
 国産優良キーボードの雄、東プレのリアルフォースシリーズのひとつです。 通常のリアルフォースはテンキー付きのフルキーボードですが、日本語キーボードに限ってはテンキーレスがラインナップされており、これがその一つです。 構造としてはメカニカルでもメンブレンでもない、静電容量スイッチという独特の構造を持っています。 他のシリーズはテンキーの付いたフルキーボードモデルが大半なのですが、これは配列をそのままにテンキー部分だけを排除したコンパクトモデル。 これはまさに理想的な形態といえますね。 でも同じスイッチを採用したテンキーがないので寂しいところではありますが。 そのコンパクトさからマウスが遠くなることもなく、擬似ではない完全なNキーロールオーバー採用のコントローラーと静電容量のキースイッチのおかげでミスタッチは物理的な打ち間違いをしない限り発生する心配は皆無ですし、構造上キースイッチの磨耗による入力エラーも発生することだってありえません。(静電容量スイッチの詳細についてはメーカーページをご覧になってください) キー自体の反発力も非常に軽くてリニアな感触のために強い押下力を必要としませんので、高速での長時間打鍵においても体力の消耗を限りなく抑えることができるでしょう。 ただ、メカニカルキーボードと違ってキーごとにスイッチが独立していないために壊れた際には丸ごと交換って弱点もありますが。 あとはラバードームってところが残念かな。 東プレはラバードームでのキーボード技術の蓄積がしっかりしているのでまさか変な素材を使用していることはないと思うので不安材料というほどではないかも。 なんせ業務用機器では定番ともいえるキーボードメーカーですし、過酷な条件下で繰り返し正確な入力を要求される世界で生き残ってきたのですから。 このキーボードの魅力の数々は素晴らしいの一言に尽きます。 もちろんその性能なりに約2万円弱とそれなりの価格はしますが、この構造のキーボードが2万円で手に入るっていうのは相当安いと思いますね。 しかも3000万回打鍵保証という長寿命で、実際にはもっと持つことは確実。 メンブレンなどでは到底到達できない領域ですな。 しかし残念なことに私が好きな英語配列がコンパクトモデルに存在しないって事が残念…。 でもまぁ、それを欠点を差し引いたとしても、現在新品で安定して手に入れることのできる国産の良質キーボード(メンブレン除く)といえばこれくらいしかありませんので。 それが一番の問題といえば問題ですな。


 これらのキーボードを買う方法ですが、もはやこれらは生産中止になってしまった物がほとんどで、RealForce以外の物は新品で購入するのは不可能に近いでしょう。 ヤフオクなどで気長に探すしかなさそうです。 CHERRY茶軸でも程度のいい中古品ならけっこう出回っておりますので、ブックマークにでもCHERRYと入れてひたすら待つしかありません。 MX11800(G80-11801LPAUS)ならけっこう定期的に出品され、8000〜13000円程度で落札されている模様です。 正規ALPS軸の物は使い込まれている物が多く、また経年変化の影響を受けやすいので、自分でメンテナンスをするつもりがないようでしたら避けた方が無難です。 現状ではCHERRY茶軸が一番のオススメかつ無難ですな。