【研究史】 Phillipsiidae gen.et.sp.nov. (荒木・小泉、1968)
Ditomopyge sp. (小泉・佐々木、1978)
Ditomopyge densigranulata (小林・濱田、1984)
Acanthophillipsia
densigranulata 【ウルリッヒ フリック氏の指摘による】
石切場跡は、私が初めて化石を採集した場所であり最も多く通った産地でもある。
かつて石灰岩の採掘が行われていた頃には見事な頭足類化石が沢山産出している。
この三葉虫は1968年に報告されたもの(荒木・小泉)が唯一の標本だった。
それは体を丸めた完全体であったが、頭部の後方が摩滅し詳細な特徴は
把握出来るものではなかった。
私は石切場下方(Point 1)に於ける本種の尾部D採集を契機に
これを「幻の三葉虫」と称して追跡を始めた。
そして、一年余りの調査ののち(1976)に私はPoint 3から本種の頭鞍@を発見
付近を更に精査し自由頬B2個.菅野裕喜は頭鞍A1個を追加した。
これらにより頭部の特徴も明らかとなり新種 Ditomopyge densigranulata が提唱された。
なお、モノグラフで Pseudophillipsia aff. binodosa とされた尾部Cはややサイズが大きいものの、
中軸の特徴から本種のものと考えている。
石切場からは、5種の三葉虫報告されているが、他にもモノグラフに載らなかった未報告種の標本も
幾つか得られている。
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