ユーリ × フィーMay 14, 2005

written by 173氏 (1スレ)




宇宙ってこんなに広かったっけ…
いつものシートに座り、ふと目線を上げて宇宙空間を見つめた。
そこには何にもない。ただ宇宙という名の闇があるだけ。
ピッ――ピッ――
安定軌道に入り船外活動員の帰りを待つだけのこの船は、静かだ。
無機質な船の活動音だけが、規則的になる。
ピッ――ピッ――
管制官との通信も今はない。どうやら向こうでちょっとトラブルがあったらしい。
ピッ――ピッ――ピッ――ピッ――
ハチのやつ、今ごろ何してるんだろ?タナベももうすぐ予定日だっけ…
ピッ――ピッ――
出産祝いとか、何にしようかな…
「フィー?どうしたんだ?」
ハッっと目を開けるとユーリの顔がすぐ側にあった。
どうやら宇宙を見ているつもりで、いつの間にか目を閉じていたらしい。
「寝てるのかと思った」
クスっと小さく笑いながら、ユーリの顔が遠のく。
「ちょっとボーっとしてたみたい。ていうかユーリ、いつ帰ってきたのよ?」
「いつって随分前だよ。フィー大丈夫か?」
呆れ顔のユーリが、コーヒーのボトルを投げる。
重力に拘束されないそれは、ゆっくりと私の手に落ちてきた。

「何かあった?それとも疲れてるのか?」
すぐ側のコンソロールに軽くもたれ、コーヒーを飲みながらユーリがきいた。
そういうユーリの作業着を半分はだけさせた姿も、なんだかしんどそうだ。
ハチもタナベもいない今、このトイボックスの船外活動員はユーリ一人だけ。
当然作業量は増えるからしんどくないわけがない。
「いや、そんなことはないよ。確かに人手がなくて大変だけどね。
 ったくこんな時ぐらいラビィたちも手伝えっつんだ」
「あはは。でもかえって仕事が増えそうな気もするなぁ」
私の悪態にユーリが笑う。
その声と横顔…あぁ、この感じ。やっぱりこうして――
「ん?」
「やっぱり一人は嫌だな。こうして誰かがいてくれないと……参りそうだよ」

シートに深く沈みこみ、片腕を顔の上に置く。
正直、かなり参っていたのかもしれない。
いつもはユーリが外に出てからも、管制官とのやり取りは続くしやることはある。
でも急にその全てがなくなって、一人この船に置いてけぼりにされて…淋しかったのかな、私。
ユーリの顔を見てやさしい声を聴くと、なんでか泣きたくなっていた。
そんな気持ちをユーリに悟られないように顔を隠した。闇は人を惑わせる。
ふいに何かが覆い被さり、コーヒーの匂いがした。
「えっ?ユーリ?!何やってるの?」
慌てて起き上がろうとする私の手を、ユーリは強く掴み押し返した。
さっきと同じく自分の腕を顔に乗せているから、前は見えない。
自分の腕で目隠しされた状態で、シートに押し倒されたのだ。
「ちょっ…ユーリ?」
「フィーこそ、どうしたんだ?そんな弱気になって…」
至近距離で響く声にドキドキする。まるで初恋の時のように、体が熱くなる。
「こんなフィーを見てると…もう、耐えれないよ」
一際強いコーヒーの匂いと同時に、何かが私の唇に重なった。

唇に重なった何かが退くと、押し付けられていた手も解放された。
だらしなく両腕は落ち、代わりに視界が戻ってきた。
その中心にユーリがいた。私の上に跨ぎ乗り、ただただ私を見降ろしている。
「一人だなんて言うな、フィー。俺はいつでもここにいるから…」
ゆっくりとユーリの顔が近づいてくる。
今なら、嫌だと言えるのに。まだ、押しのけて逃げ出せるのに。
私はユーリを見つめ返すしかできなかった。
ううん違う。ユーリの真摯な瞳から目が逸らせなかったのだ。
再び香るコーヒーの匂い。
そっと目を閉じて、ユーリを待った。
さっきより長く、熱い感触。
「フィー」
お互いの息遣いがわかるほどの距離で、ユーリのやさしい声が聴こえる。
「俺はフィーが好きだよ。フィーには旦那もアルもいるってわかってる。
 でもここには…今この広い海には俺とフィーしかいない。
 フィーが淋しいと言うなら、その淋しさを埋めたいんだ」
見上げたユーリの目は、潤んでいるようにも見えた。
まるで迷子を探す母親のように、愛情のこもった瞳。
そこに嘘は見つけられなかった。

ユーリ…何を言ってるの?――好き?私を?…なんで?
旦那…アル…あぁ、そういえば私には家族がいたな。でも……
言いたいことはいろいろあったけど、どれも上手く言葉にはならなくて。
搾り出したのは間抜けで素っ頓狂な声だった。
「っへ?私、ユーリに何かした?」
クスっとユーリが笑う。最近よくこうやって笑うなぁ。
「特別にナニというわけじゃないけど。
 辛いとき、嬉しいとき、いつでも一緒にいてくれたのはフィーだよ」
そう言って頬に添えられた手は大きくて、暖かい。
「だから…俺も側にいたい」
その手も瞳も、ユーリの何もかもが「愛してる」と言っているような気がした。
そんなわけがない。ユーリには最愛の人がいた。私にも大切な人たちがいる。
でも…私にとってはユーリも大切な人であることは間違いない。
この果てない海で一番信頼出来るのは、ユーリだ。
きっと求めているのに、遠い。お互いのことを良く知ってるからこそ距離を感じる。
見詰め合ったまま何も言えなかった。
ユーリの重みと温もりをこんなにも感じているのに、どう返したらいいのかわからない。
「……ごめんな」
ふいに体が軽くなった。ユーリの視線と体が離れていく。
「急にこんなこと言って困らせて。でも側にいたいのは本当だから。
 だから…何もしない。ゆっくり休めよ」
どんどんユーリが遠ざかっていく。
何か言わなくちゃ。呼び止めなくちゃ。置いてかないでっ――

「ユーリ!」
シートから体を起こして、部屋を出て行こうとしていたユーリの背中に飛びついた。
低重力のこの中では、何かにつかまらないとすぐに体が浮いてしまう。
しっかりとユーリを背中から抱きしめた。
「ユーリの言うとおり、ここには私とユーリしかいないんだ。
 だから……一人にしないで」
ユーリの背中はすごく大きくて、温かい。
「ユーリの大事なものも、私の大事なものもわかってる。
 でも、ここで今一番大切な人はユーリなんだよ?だから――」
この温もりをもっと…ずっと感じていたい。純粋にそう思った。
こうやって呼び止めることでナニが起こるか分からないほど、若くはない。
でもさっきのキスで、長いこと忘れていた「女」の私を思い出したのも事実。
今ユーリを愛し、愛して欲しいと思うのは単なる性欲なのかもしれない。
だって旦那を愛してる。
理由はハッキリしないけど、もう止められない。
腕に力をこめて、ユーリの背中に胸を押し付けた。
このもどかしさや緊張が伝わればいいのに。
「……フィー、いいんだな?」
ユーリがゆっくり向きを変え、私を正面から見た。
こくん、と頷くとユーリの手が私の腰を抱きしめ、3度目のキスをした。
もうコーヒーの匂いはしない。その代わりにユーリの体温が私の口内を刺激する。

お互いいい歳なので、まぁそれなりに経験もあるわけで。
ついつい他の人と比べてしまうんだけど……ユーリは優しいくせに上手かった。
誘われるようにユーリの舌に自分の舌を絡ませ追いかけていると、
いつの間にかシャツとブラがずらされていて、ユーリの大きな手が乳房を撫でた。
「んっ」
胸を揉まれるなんて、何年ぶりだろうか。アルがまだ小さかった頃だから、随分久しぶりだ。
脇の辺りから徐々に乳首へ――
刺激を強くする度に舌は私から離れ、息継ぎのタイミングを与えてくれる。
「あぁっ」
クニッと乳首をつねられ、年甲斐もなく鳴いでしまった。
そんな私を見て、ユーリは小さく笑いながら揉みしだいていく。
「…っん…ユーリ……最近、よく、笑うよね?」
「そうか?」
意外そうな顔をして、私を見つめる。
けれどすぐに視線を外し、ユーリの口は私の首筋や鎖骨に触れた。
「うん……気づいてないの?すごく優しい顔…してる」
くすぐったくも心地よい、ユーリの唇。
「……それはたぶん、フィーを見てたから。じゃないかな」
すっと胸元からユーリの手が滑り落ち、ズボンのファスナーを開けた。
そのまま下着ごとズボンがずり落とされる。
私もユーリのシャツを脱がし、そっと胸板に触れた。
「フィーが可愛かったからだよ」
そういいながら私のお尻を持ち上げて、ユーリに跨るような体勢にした。
お尻を撫でながらゆっくりと、ユーリの手が秘部に迫ってくる。

体勢を変えお尻を撫でられている間は、
まだ私にも余裕があってユーリの乳首を舐めたりしていたが
秘部にユーリの指が到達し、クチュと音がしたあたりからそんな余裕はなくなっていた。
「あっ……」
「こんなに濡らして…やっぱりフィーは可愛いよ」
かき混ぜるようにして、指が少しずつ迫ってくる。
「とても子どもを産んだとは思えないね。……すごく狭そうだ」
「んあっ…」
グッと指が入ってくる。今、私の中にユーリの指がある……
そう考えただけでじゅんと濡れるのが自分でもわかった。
チュ…クチュ…クチュ……
ユーリの指が蠢くたびに音が響く。
甘い刺激に耐え切れず、ユーリの頭を抱きしめるとそっと胸元を舌が這った。
しまった。これじゃ刺激が増すだけだ。でも気持ちよすぎて離れられない。
「…ふぁ……ぁん…ユーリ……ああっ」
突然クリトリスを摘まれて、強い痛みが走った。
「――硬い」
その一言に頬が紅潮する。いい歳してなんて淫らななんだろう。
急に恥ずかしくなり、思わずユーリから逃れようと体を離した。
「ダメ……逃がさないよ」
ふわりと浮いた体の上にユーリが覆い被さる。
お互い軽く浮いたまま、ユーリの熱いものが私を貫いた。

「ふあぁ…あっ……ユーリっ」
久しぶりだったせいか、ユーリのものが大きかったせいか…。
熱を帯びた異物を上手くのみこめず、少し痛かった。
「くっ……すごくいいよ」
ユーリも少し辛そうだ。
「フィー、ほんとに子ども産んだの?すごく狭いや」
「……バカ」
クス。またユーリが笑う。笑ったまま耳元で
「すぐにイッちゃいそうだ」
なんて言うから、恥ずかしいやら何やら……
何か言い返そうとも思ったけど、更に深くユーリが入ってきて何も言えなかった。
奥まで入るとユーリは細かく動いた。
出ていくユーリを引きとめようとしたのか、きゅっと中が締まる。
内壁が擦れて痛みのような刺激が伝わる。
ずっ ぐちゅ ぐちゅ ちゅ
「ぁっ…あん……っ…」
湿った音と私の喘ぎ声、そしてユーリの荒い吐息が響く。
徐々にユーリの動きは激しくなり、更に奥へ奥へと貫いてくる。
「ひゃぁ…んあ……あっ……もう…」
「…はぁはぁ……フィーっ……」
もうダメ。イキそうと言い終える前にユーリが私の中で果てた。
びくびくと波打つ刺激で私も達し、しばらくお互いに動くことが出来なかった。

ずるりとユーリがそれを抜くと、白い液体も溢れ出た。
低重力なのでゆっくり空中で舞う液体を、ユーリが慌てて近くにあったタオルで捕まえる。
ことが終わった後のその姿は可笑しかった。
「あはは。なんだかマヌケだね」
「でもほっとくわけにはいかないだろ」
「まぁね。船が汚れるのも嫌だし」
とりあえずシャツだけ着なおしながら、辺りを見回す。
服が乱雑に浮いてるけど、機械類が汚れている様子はない。
「フィー、良かったのかい?その…中に出して……」
「ん?あーまぁー大丈夫でしょ。外に出すわけにもいかないし」
ここの片付けはユーリに任して、先にシャワー浴びよう。
まだ濡れたままの秘部が動くたびにぬちゅぬちゅする。
「シャワー浴びてくる。――今度はちゃんとゴム用意してね」
そう言い残して私は部屋を出た。
最後の一言にユーリがどんな顔をしたのかはわからない。
けど私はすごく嬉しかったし、満たされていた。
だからユーリもきっと喜んでくれる。

そうだよね?ユーリ。

衣服を軽く整えて、辺りを見回す。
目に付くとこはざっと拭いたし、これでもう大丈夫かな。
パチン。コンソロールの上方にあるスイッチを入れる。
「――こちら管制塔、DS-12、聞こえますか?」
「はいこちらDS-12。聞こえます」
「電波障害があったとの報告を受けてますが、大丈夫ですか?」
「はい。どうやら一時的なものだったようです」
「わかりました。航路その他に問題は起きていません。予定通り、帰港してくだい」
「I copy」
問題なんて起きるわけがない。2人きりになりたくて、スイッチを切ってただけなのだし。
鋭いフィーはすぐ気づくかと思ったが、意外にも孤独を感じて俺に助けを求めてくれた。
やっぱりフィーも疲れているんだな。
俺にとっては、甘えてくれたこともその後の展開も嬉しかったけど。
 今度はちゃんと――
部屋を出るときのフィーの言葉を思い出す。フィーも喜んでくれたみたいだな。
次はどうやって2人っきりになろうか。
それにしても。なんて良い体なんだ。
「ほんとに産んだのか?あれで」
思わず呟くと、再び股間が主張してきた。
そういう俺もまだまだ若いな。

END

参照:スレ1 >>174-177,181-187