ちゅんちゅん 九 × 愛September 13, 2006 - April 17, 2009

written by ちゅんちゅん




夕食後の茶の間。
九太郎はテレビを観ていた。
横になり、手を伸ばした先にブックカバーのかかった本。
「……?」
パラパラと捲ると挿絵からして妊娠に関して書いてある様だった。
“フーン…… 妊娠中の…… SEX…か… ??後背位???…んだそりゃ”
ページを捲り、挿絵を観て顔が熱くなる。
“あ…、 後から って事か”
焦って本を閉じる。鼓動が早くなる。
台所で片付けをしているハルコと愛が気になりながらも、再度見入ってしまう。
「そんな所に寝てたら踏んじゃうわよ」
蜜柑の入った籠を手に、ハルコが茶の間に入って来て九太郎の腹の上に蜜柑を乗せた。
慌てて元の場所に本を置く。
「キュータの読む本はこっち。本屋に頼んであったでしょ、貰って来といたわよ」
ハルコが本を一冊、九太郎に渡す。
「あ… サンキュ……」
一応、勉強するつもりで買った参考書。
「もう2学期なんだし、頑張りなさいよ?」
「言われなくても頑張ってるって……」
返事をしながらも頭の中はさっきの本の内容で一杯だった。
“そっか… 大丈夫なんだ”
夏休みの初め、ハルコが不在だった2日間の間に自分と愛の間で起きた出来事。
その後、元の生活が戻り今までと変わらなく過ごして来た。
愛はともかく、九太郎は“今までと変わらなく”過ごすには努力が要ったが……。
“あの日”以来、2人には何もない。愛はそういう事など初めから無かったかの様に九太郎に接する。九太郎は、というと夏休みの後半は友人の誘いでバイトをし、ハルコが外出する日が予め判っている日は帰宅時間を少し遅くしたりしていた。
出来るだけ2人きりになる時間を少なくしようと自分なりに考えていた。
常に愛を意識している自分に気付く。
が、いい事も有った。バイトのお蔭で以前から欲しかったマウンテンバイクを手に入れた。
蜜柑を食べながらボンヤリとテレビを眺める。
「それじゃ母さん、先にお風呂入ってくるから」
ハルコが茶の間を出る。擦れ違いに愛がやって来る。
「愛ちゃん、お風呂お先に」
「ハーイ」
茶の間にはテレビの音だけが流れ、手持ち無沙汰になった九太郎は参考書を開く。
活字を目で追うだけで、内容は頭に入って来ない。時折愛を見る。
愛はテレビを観ながら洗濯物をたたんでいる。
「ごめん…テレビ、消そうか?」
愛が九太郎に話し掛ける。
「あ… いいよ、俺、部屋行くから」
参考書と蜜柑を手に茶の間を出て行った。

勉強に集中出来る筈も無く、椅子に座りボンヤリとしていた。
茶の間から聞こえていたハルコと愛の話し声がいつの間にか静かになっている。
時計をみると23時を過ぎていた。
“もう寝たのかな……”
壁一枚隔てただけの距離に愛がいる…気にならないわけがない。
あの日の記憶は鮮明だ。八郎太の事を考えると複雑な気持ちになるが、後悔はしていない。
愛はどう思っているのだろう、気になる。

愛は寝る前に八郎太へメールを送るのが日課になっている。
都合上、八郎太から送られて来るメールは週に1回だが、愛は毎日の出来事等を日記感覚で書き込んでは送っていた。出来れば直接話をしたい…声が聞きたい。
仕方の無い事だと分かってはいても、寂しい気分になる。
そんな気分になってしまう夜は布団に入ってもなかなか寝付けない。
眠りが浅いのか、目が覚めてしまう。
“……八郎太さん……”
寂しいのは心だけでは無い……下半身へ手がいく。
「ン……」
仰向けのまま、パンツの上から指で触れる。
八郎太と過ごした夜の事を頭の中で反芻する。更に悶々とした気分が高まる。
やがてパンツの中に手を入れる。
「ン…ン……」
“声…… 聞こえちゃうかな……”
布団の中に潜り、声を潜める。
“もう少し… もう少しなのに……”
イけない。
やがて記憶は九太郎との事に辿り付く。
さっきまで触れていた所が疼いて来て、熱くなっていくのが分かる。
さっきよりも濡れてきている中に指を入れた。
クチュクチュと音を立て、頭の中ではあの日の快感を必死に反芻する。
「……九太郎クン…… ァ…… ンン……ッ!!」
指の動きは早くなり、久し振りに味わう快感に気が遠くなった。

参照:スレ2 >>33,34




愛のあの日の表情や肌、唇の感触は今も鮮明な記憶だ。
そしてその後の愛の変化を期待していた。しかし、ハルコが居る時でも居ない時でも全く変わらない
愛の態度に正直言って“期待外れ”だった。
その“期待外れ”がもう一度愛に触れてみたい、という気持ちを一層強くさせる。
机の上には開いただけの教科書。まだまだ子供だ、という現実。
“明日テストなのに… 結局何もしなかったな ―― ”
時間だけが過ぎて行く。少しは何か頭に入れないと、と教科書の活字を追う。
追うだけ。何も頭に入って来ない。
“他に勉強しなきゃいけない事があるでしょう?”
あの時の愛の言葉が重い。軽く頭を左右に振る。
“でもその後も続けたんだよな ―― ”
九太郎の腰の動きに合わせて声を漏らし、徐々に身体を反らせた愛 ――
教科書に触れていた右手は下半身へと下りて行く。
“また愛さんを誘ったら…… 怒るかな”
“……怒らないよな、愛さんだって結構 ―― ”
“嫌がっていなかったよな…… 気持ちイイって言ってたし……”
“今度はもっと… 上手く出来る…はず”
“自分でするよりイイよな…愛さんは…どうなんだろ……”

丸めたティッシュをゴミ箱に投げ入れ、ズボンを上げる。
「もういいや… 風呂入って寝よう」
赤点は覚悟、とスタンドの灯かりを消す。
襖を開け部屋を出ようと廊下へ出た途端、愛と鉢合わせになる。
九太郎は思わず視線を反らす。
「まだ起きてたんだ?」
愛はパジャマの上にカーディガンを羽織っていた。
「勉強してた…もう風呂入って…寝るよ」
下を向いたまま九太郎は愛の後を歩く。
「愛さんも起きてたの?」
「あ…、何だか眠れなくて…本読んでた」
“声…聞こえてないよ…ね”
何となく気まずい。愛は九太郎が起きているとは思わなかった。
「チョットお茶飲んでから寝ようと思って」
「フーン」
お互いに顔を合わせないまま会話をする。
「カモミールってお茶知ってる?飲むとリラックス出来て良いのよ。一緒に飲まない?」
愛はお茶の入ったカップを手に茶の間へ行く。
「ンだよ……分からねーよ……」
九太郎は茶の間の入り口に立ったまま呟いた。

参照:スレ2 >>42




カップから柔らかな湯気が立ち上ぼり、茶葉の香りが部屋に拡がる。
一口飲み、縁側の方へ視線を向けた。外が薄明かるくなっている。
愛はカップを持ったまま縁側の硝子戸を開け、空を観た。
雨が上がり、雨雲の隙間から三日月が顔を覗かせていた。
徐々に雲は流れて行き、やがて月は全形を現す。
庭の隅にある水溜まりに写った三日月は時折小さく揺れていた。
虫の音が心地好い。
初秋の夜風は昼間の残暑をわすれさせてくれる。
“…上手く撮れるかな”
デジカメを手に茶の間に戻り、庭に出た。
暫くの間白く柔らかい光に見とれていた。
濡れた髪を拭きながら茶の間に九太郎が入って来た。「…? 何やってんの?」
庭の真ん中で空に向かってカメラを構えている愛に声を掛けた。
「…月、綺麗だから。」
「もう寝たかと思ったのに」
愛はシャッターを押し、画像を確認する。
「またダメ… どうしてもブレちゃうのよね」
撮った画像を削除すると、再び空に向かってカメラを構える。
「下手クソだなー、貸してみ」
九太郎は愛からカメラを取ると、数回シャッターを切った。

参照:スレ2 >>104




「ホラ、撮れたよ」
九太郎はデジカメのディスプレイを愛に見せた。
「見せて見せて… ウワー、綺麗に撮れてる」
愛は九太郎に駆け寄ると、嬉しそうにディスプレイの画像を覗き込んだ。愛の肩が九太郎の腕に触れる。
「スゴーイ 九太郎君、撮るの上手ね」
「簡単だよこれ位」
一歩後退し、僅かではあるが愛との距離を置いた。
「……そんなの撮ってどうすんの?」
九太郎は縁側に腰掛け、首に掛けていたタオルで再度髪を拭く。
「八郎太さんにね、送るの」
「? 今の?」
「うん」
「フーン… あのさ、」
“今更月の画像を送って、兄ちゃんが喜ぶか?”
九太郎は言いかけて言葉を飲み込んだ。
「…? 何?」
愛が振り向く。
「イ、いや…何でもない」
“……!”
九太郎は愛に歩み寄り、愛の手から再度デジカメを取ると、数歩下がってカメラを構えた。「? 九太郎君?」
「月の画像なんか送っても、兄ちゃんは喜ばないと思うけど」
「そう?」
愛は少しムッとした表情をした。
「愛さんの姿が写っているのが一番喜ぶんじゃない?」
「そう、かな…」
「いいから、動かないで」愛はガラス戸に写った自分の姿を見た。
「……ちょっと着替えて来る」
縁側に戻り、サンダルを脱ごうとした。
「? いいじゃん、そのままで。んじゃ、そこ座って」
「うん…」
愛は縁側に腰掛けた。

参照:スレ2 >>109




「どお?こんな感じで」
「うん… ありがとう」
九太郎からカメラを受け取ると、愛はディスプレイを眺めながら言った。
九太郎は愛から少し距離を置いた所に立つと、大きく延びをして空を見上げる。
月明かりに照された雲がゆっくりと流れていた。
静かな時間。
「…久しぶり…だよね…」九太郎は空を見上げたまま言った。
カメラに触れていた愛の手の動きが一瞬止まる。
「…そうだね…… ずっと雨だったし」
九太郎は空を見上げたまま黙っている。
愛は九太郎の背中を見つめながら、治まっていた下半身の疼きを思い出していた。
“ヤダ… また”
落ち着いていた火照りがまた起こりそうだ。
無意識の内に内腿に力が入っている。
……“あの日”、味わった快感は今でも寂しくなった身体を慰める
事が出来る位に覚えている。何度あの瞬間を反芻した事だろうか。
足元に視線を移すが、再び九太郎の背中へと視線は戻って行く。
大きな背中に太い腕…もう既に大人と大差のない逞しい体格。
もう一度あの腕に、という気持ちが沸き起こって来るのを感じた。
寂しいから、という短絡的な気持ちで起こしてはいけない行動なのは十分にわかっている。八郎太の事を想えば当然だ。

参照:スレ3 >>9




疼きを鎮めようと両腿に力が入る。
自分を“慰める”…布団に潜り、声を殺しながら得る快感…SEXとは違った興奮と快感があった。
その時、八郎太ではなく、歳相応以上に逞しく成熟した身体…九太郎との事を思い出すだけで身体が熱くなり、下半身が疼いた。
八郎太と付き合い始めた頃の、一緒に居るだけでドキドキした気持ちに似たものを再び味わっている様で、罪悪感を感じながらも楽しんでいる部分があった。
“あの日”から数日後、九太郎はバイトを始めて帰宅が遅くなる日が増えた。
元々口数の少ない九太郎は何処と無くよそよそしく、会話を交わす時が少なくなった。
理由は当然わかっている。自分達の事がハルコに悟られない様に、九太郎なりに平静を装っていると。勿論、自分も同じだった。
しかし、2人きりになると視線すら合わせなくなった九太郎の態度は愛にとっては辛く感じた。あの日以来、九太郎の事を異性として意識する様になって、気持ちが弾んでいる自分とは違っていたからだ。
やっぱり、あの告白は嘘だったのだろうか。
自分の性欲を満たす為の嘘に、まんまと引っ掛かっただけなのだろうか。
あの2人だけの時間は何だったのだろう。
“嬉しかったのに”…
「イヤ… そうじゃなくてさ……」
九太郎はスウェットズボンのポケットに入れている手を握り締めた。
「……クシュッッ!!」
愛がクシャミをして肩をすぼめる。
「寒いんじゃないの?」
九太郎が振り向く。
「大丈夫… …ねぇ、九太郎君……」
「ナ、なに?」
「あの…」
愛が立ち上がったと同時に、茶の間のテーブルに置いてあった九太郎の携帯が鳴った。
「? なんだろ」
九太郎は携帯を取りに茶の間へ行く。
「…イヤ、まだ起きてたけど。つか、何で俺の番号しってんの……」
茶の間に戻って来た愛と目が合うと、背中を向けた。

参照:スレ3 >>17




「イヤ、もう寝る。今更慌てても頭入んないし…」
クラスメートからの電話だろうか、どうやら明日はテストがあるようだ。
愛は縁側に戻ると空を観た。月に薄雲が掛かり、星明かりが際立つ。
ガラス戸に写る九太郎の後ろ姿。自分に背中を向け、話しに夢中になっている。
手持ちぶさたになり、冷めたハーブティーの入ったカップを手に、茶の間を出る。
シンクにハーブティーを流すと、カップを濯いだ。
内腿に力が入る。相変わらず火照りと疼きは治まらないままだった。下着の中
が今、どういう状態なのか確かめなくても判っている。
今触れられたら、一気に理性がとんでしまうかもしれない……
カップをシンクに落としそうになり、慌てて両手で掴んだ。
“危なかった…”
カップを拭き、後ろを振り返る。
茶の間からは話し声が聴こえ、九太郎は話に夢中な様子だった。
壁に凭れながら再度カップに注いだハーブティーを口にする。
自分の体を見る。お腹の膨らみが増し、ふっくらと誰が見ても妊婦だと判る体つ
きになって来た。八郎太が居たら、きっと毎日が穏やかで幸せな日々に違いない。
八郎太が居ない寂しさ以外に今の生活に不満は無いが、その寂しさを癒す方法が見付けられないでいた。
何かにつけて“これで八郎太さんが居てくれたら…”
と考えてしまう。ハルコの姿を見ると、何時かは慣れてしまうのだろうと思うの
だが、愛には未だそんな気持ちには成れないでいた。
カップを片手に茶の間に戻ろうとするが、何となく行きにくい。今の自分の心の
中を見透かされる様な気がした。
“…まさかね。まさか私がそんな事考えてるなんて”
当たり前の事だが、自分から誘う事は出来ない、許される事ではない。
しかし…あの夜、九太郎と過ごしてから、幾度となく身体が欲するのは八郎太では無く、九太郎だった。
夜、下着の中に手が伸び絶頂に達する時、思い出しているのは必ずと言ってもい
い程あの夜の事だ。八郎太とは違う愛撫や腰の動きに酔った。
罪悪感を抱えながらも身体は反応し、幾度も快感を味わい、一瞬、妊婦である事
も忘れた。そしてその夜以降、就寝時にオナニーに耽る事が多くなった。
“八郎太さんが…私を…1人にしたから……”
罪悪感を感じながら得る快感に興奮した。
トットットットッ……
鼓動が早くなり、僅かながら手が震えた。思わず両手でカップを持つ。
“幾らなんでも、この姿じゃ九太郎君だって……”
カップをシンクに置き、お腹の膨らみに軽く触れてから茶の間に戻った。

参照:スレ4 >>49




茶の間に戻った所で特に用は無い。普段なら既に眠っている頃だ。
何処と無く自分に素っ気ない態度の九太郎と二人きりになった所でどうするというのだ。九太郎にとっては自分とのSEXは単なる好奇心と性欲の解消だったかもしれないのに。それでもいい…それでもまたあの快感を味わいたい、今燻っている火照りと疼きを鎮めて欲しい、と思った。
“ア……”
下着に微かな湿潤感を感じ始める。
愛はカーディガンのボタンを外した。精一杯の挑発……
「……?」
九太郎の話し声は縁側から聞こえて来る。縁側に腰掛け、通話の途中だった。
「う…ん、時間があったら行くよ。近くの海岸からも観られるし。……んじゃ」
友人との通話を終えて携帯の電源を切ると、愛の気配に気付き振り向いた。
「……寝ないの?」
携帯をスウェットズボンのポケットに仕舞い、立ち上がった。
「もう…寝るけど…」
愛は小さな声で返す。
「妊婦は規則正しい生活しないといけないんだろ?疲労が溜まると、脚が浮腫むんだってさ」
縁側でサンダルを履き、九太郎が言った。
「エッ……?」
愛は思わず両脚に触れる。
「ハハッ… 慌ててやんの」
愛の様子を見て九太郎は笑った。
「よく知ってるわね、そんな事」
「アレに…書いてあった」
九太郎はテーブルの下に置いてある本を指差した。
「! こんなの読まないで、他にあるでしょ?」
愛は急いで本を手にする。
「そんな所に置いてあるからだよ」
ムッとした顔をしながら庭の中央まで出る。
「……それに……」
「?」
「…その…どうなのかなって思ってさ……」
「え?」
「イヤ、何でも無ぇ…」
互いに視線を合わせず、会話が途切れた。
「…先に寝るね…戸締まりヨロシク」
九太郎から何も行動を起こして来なかった事に、愛は物足りなさを感じた。

「……あのさ」
九太郎は愛を呼び止めた。
「? なあに?」
「さっきの話……」
ズボンのポケットの中で手を握り締めた。
「え?」
「イ…いや、あのさ……」
愛は縁側に置き忘れていたデジカメを手にすると、九太郎を見た。
「…明日、近くの実験場からロケットの打ち上げがあるんだ…都内の大学の」
「へぇー、そうなんだ」
「さっき、バイト仲間から情報もらって…」
九太郎は月を見上げたまま、愛と視線を合わせない。「打ち上げは何時?」
「えーと、14時」
「明日のテストは午前中だけでしょ?急いで帰ったら間に合うわよ?」
「うん… そうだね」
時折、愛に視線を向ける。
「近くの海岸からも観られるね。観に行こうか?」
「ゥ…うん… それでさ、」
「? なあに?」
「あー、イヤ、何でも無い」
話の本題への糸口が見付からない。愛の顔を見ると、言葉に詰まった。出来るだけ愛から視線を反らして話を続けようとした。
「先ずは明日、テスト頑張って」
「自信無いけど…まぁ、そこそこ頑張るよ」
「自信満々のクセに… おやすみー 九太郎君も早く寝ないとダメよ」
「…うん…おやすみ……」
愛は茶の間を出た。
“アーッ 畜生!”
九太郎はクシャクシャと前髪を掻き上げる。乱暴にサンダルを脱ぎ捨て、縁側に寝転んだ。仰向けのまま月を眺める。
“さっきの愛さん…綺麗だったな”
いや、可愛いという方が合っているだろうか。
起き上がってガラス戸を閉め、部屋へ戻ろうと廊下に出た。愛が洗面所から出て来た所だった。
「戸締まり、しといたから」
「あ… サンキュー」
「明日…天気だといいねー あ、もう今日になっちゃったね」
愛が九太郎の前を通る。追い抜き際にフワリといい香りがした。あの日、愛を抱いた時にも感じた香りだ。愛は下を向き、九太郎の前を通り過ぎた。顔を見られたら、今の淫らとも言える胸の内を知られてしまう様な気がした。
九太郎は愛の後を歩いた。廊下を歩き、九太郎の部屋の前まで来た時だった。
「?!」
背後から九太郎が愛を抱き締めた。
「ビックリした…ッ どうしたの?」
九太郎は腕の力を緩め、右腕で愛の肩を抱くと、無言のまま自分の部屋へ連れて行った。

参照:スレ4>>53-54




参照:スレ4>>68

九太郎は愛の肩を抱いたまま襖を閉め、再び愛を背後から抱き締めた。
「エ… ちょっと…」
突然の九太郎の行動に、愛の体は緊張する。しかし悪い気はしなかった。
九太郎は愛のパジャマの胸元に手を入れた。指先が乳首に触れ、愛の下半身はキュウッと反応し、疼きも増大する…待っていた瞬間でもあった。
“……?”
九太郎の手が止まる。
「……胸、大きくなった?」
問いに愛は小さく頷いた。
「……ウン……妊娠すると…大きくなるんだって……」
「へぇ…そうなんだ…」
人差し指と中指、親指で乳首を玩ぶ。
その度に愛の身体は弱い電流が走ったかの様にピクッピクッと反応し、徐々に息遣いは早くなる。
九太郎は愛の首筋に顔を寄せ、スッと息を吸った。あの日と同じ香りがした。
胸元から手を離して再び抱き締める。
ドッドッドッドッ……
力強い九太郎の鼓動が背中を通して愛にも伝わって来た。次第に腕に力が入る。
「……苦しい……九太郎君……」
愛は九太郎の両腕に触れ、離れようとした。
「……愛さん……」
九太郎は腕の力はそのままに、下半身を愛の背中に密着させた。
“……?!”
一瞬、愛の身体が硬直する。
“……九太郎君……?”
愛は九太郎から離れようとするが、腕を解く事が出来ない。
「…コレ…何とかしてよ」
「……何とかって……」
腕の力が少し緩み、愛は九太郎から少し離れた。
九太郎の身体の変化は、スウェットズボンの上からでも分かる位だった。
「しても…平気なんだろ…まだ」
九太郎は机の引出しからコンドームを出す。
「えっ…?」
「その… ちゃんと…付けるからさ…だから…」
引出しを閉めようとするが、上手く閉まらない。もう一度閉めようと引出しを押す。
引出しは何かを挟んでいるのか、動かなくなった。
“クソッ…何だよ、こんな時に”
開いた引出しをそのままに、九太郎は愛の方を向いた。
「……今日はダメ」
愛は襖を開けようとする。
「なんで」
九太郎は襖を抑えた。
「こんな所見付かったら」
愛は襖を開けようとしたが、動かなかった。
「平気だって…起きて来ないよ、愛さんが声出さなきゃ」
九太郎は愛の手を握った。
「…私…そんな声なんて…」
愛は慌てて答える。
「隣の部屋だと分かるって…兄ちゃんが帰って来た晩とかさ…やってるって」
愛は顔が熱くなった。
「隣には受験生が居るんだから、ちょっとは気ィ使えっての」
「…そうだよね…ごめんなさい…」
愛は下を向き、小さい声で言った。
「愛さんが悪いんじゃないよ」
九太郎は覗き込む様にして愛の顔を見た。
愛も九太郎の顔を見る。このまま九太郎に身を任せれば、間違いなく望み通りの展開になる。でも、もしも…と最悪の事態を考えると自分からは動けなかった。身体はこんなに欲して居るのに……。

参照:スレ4 >>49




九太郎は再び背後から抱き締めようと愛に近付いた。
“アッ……”
少し身体が触れた位でも、愛の下半身は過敏に反応し、内股に思わず力が入る。
「…お腹が邪魔するからコレが丁度いいや」
九太郎は愛を背後から包み込む様に抱き締めた。
“ウッ……”
愛の身体が下半身にぶつかり、咄嗟に腰を引く。
僅かな刺激にも過敏に反応した。
「……もう寝なきゃ……テストなんでしょ?」
愛は九太郎の下半身の変化に気付きながらも、平静を装った。
「このままじゃ寝られないって…」
九太郎は両腕に少し力を入れ、愛の背中に下半身を押し付けた。
“あっ……”
背中を通して九太郎の身体の変化…僅かに拍動も感じた。片手を背後に回し、そ
っと触れてみる。その瞬間、九太郎の身体がビクッと動き、愛を抱き締める腕の
力が更に強くなった。
「ぁ…愛さん…触んないで」
「!?…痛かった?」
愛は慌てて手を戻す。
「イ…いや、痛くはないけど…その…」
九太郎は再び愛の胸元に右手を入れ、項に軽くキスをした。
「フッ……」
愛の口から声が漏れ、身体に力が入る。
「…その…爆発寸前ってやつ…」
“…こんな事ならさっきヤるんじゃなかった”
ゴミ箱に視線を向け、思った。
“ま、いっか…ここまで来たら”
九太郎は反対側の手で愛の下半身に軽く触れる。
“エ… 爆発寸前って……”
愛は反射的に脚を強く閉じた。
ふと窓に視線を向けると、2人の姿が写っていた。
愛の胸元ははだけ、下半身を触られ虚ろな眼でこっちを見ている。
慌てて窓から視線を反らした。
九太郎は下半身に触れている手の人差し指と中指をゆっくりと動かす。
「んっ…」
愛の身体がブルッと震える。カーディガンの裾を掴み、爆発寸前の理性を声を殺
して堪えた。火照りを更に増した愛の下半身は拍動を感じ始めた。心と身体が反発する。
このまま九太郎に身を任せてしまえば、待っているのは快感…火照りを鎮め、あ
の快感をまた味わう事が出来る……が、“八郎太の妻”“妊婦”という自分の立
場が邪魔をする。自分はこんなにも性欲が強かったのか、と我ながら驚く。
床に落としたコンドームを拾おうと九太郎の腕の力が解けた。その隙に愛は九太
郎から離れ、衣服の乱れを直そうとする。
九太郎はポケットにコンドームを仕舞う片方の腕で愛を抱き寄せた。下を向く愛
の顔を覗き込む様に顔を近付けた。同時に愛が九太郎の口元を抑える。
「!?… ナ、何?」
九太郎は顔から愛の手を外す。
「…もう寝ないと」
気持ちとは正反対の言葉を発する。九太郎の下半身の変化が気になるが、やはり
自分から誘う事は出来ない。
“まさか、 して なんて私からは絶対に言えない……!”
“こんな所、御義母さんに見られたら……”
頭ではそう思いながらも、身体は動かなかった。

参照:スレ4 >>124




九太郎は愛の手を握りしめると自分の方へ引き寄せ、下半身へ再び触れる。
“アレ… ここ…だったかな……”
不慣れな手つきでゆっくりと、探る様に九太郎は指を動かす。
逸る気持ちを必死に抑え、徐々に身体が熱くなる。
「…ウ…」
過敏になった所に九太郎の指が触れる度、愛は声を殺す。
「…どお…?」
九太郎は愛の耳元に顔を近付け、言った。愛は下を向いたまま黙っている。
九太郎は再び指をゆっくりと動かした。すると愛は無言のまま、九太郎のスウェットズボンを強く握り締める。九太郎は愛の顔を覗き込む。
「…どお?…愛さん…」
愛は固く目を閉じ、顔はやや紅潮していた。
九太郎は握っていた手はそのままに、項にキスをした。少し強く吸う。
「ァ…… ちょっとっ……!」
愛は九太郎から離れようと体を捩り頭を左右に振る。唇が離れると項に触れた。
「平気だって… そんなに強くしてないよ」
九太郎は再び愛の下半身に軽く触れる。僅かな指の動きにも愛は反応し、興奮度が高まる。息遣いも少しずつ早くなっているようだった。
ズボンの中に手を入れ、下着の上から触る。
「……フッ……ウ…!」
愛の唇から微かに声が漏れる。
“……!?”
九太郎はズボンの中の人差し指と中指に僅かな湿潤感を感じた。
「……愛さん…気持ちいいの?」
再び愛の耳元で言う。
「…濡れてるよ…ここ」
内腿の付け根から下着の中へ2本の指を滑り込ませる。温かい粘液が指に絡み付き、うっすらと汗ばんだ内腿は小さく震える。
九太郎はゆっくりと指を前へ移動し、クリトリスを探した。
“この辺…かな… あった……”
人差し指が粘液の中に小さく硬い突起を見付ける。
濡れた指で軽く撫でる様に触れた。
「ッ…!!…ア…ア……!」
「!?チョッ…やばッ……愛さんッ…」
九太郎は慌てて愛の口を塞ぐ。
「……ア… だって…」
愛はよろけそうになり、机に両手をつく。
「…そういう声、時々出してるよね」
触れるか触れないかの力で小さな円を描く様にクリトリスに触れながら、片方の手でズボンを下げる。
「エ……」
“聞こえてた……!?”
愛は更に顔が赤くなった。「…愛さんも…その…こういう事、するの?」
愛の下着の中は九太郎の指が動く度にクチュクチュと音を立て始めた。
硬く突起となったクリトリスは指で摘まれ、転がされる。弄ばれ電流に似た刺激が下半身を襲う。やがて下着も降ろされ下半身が露になった。
“あ… ヤダ…”
「そういうの…なんか…スゲー意外」
オナニーに耽る女…それは九太郎にとってはADサイトやソフトの中での事で、その姿と愛は結び付けられなかったが、愛の声がPCの中の女の姿と重なった。
「…するよ… 寂しいもん…」
一瞬躊躇うも、九太郎からの愛撫には勝てなかった。
下半身に刺激が襲う毎に、意識がボンヤリとする。机に両手をつき、膝まで降ろされた下着を虚ろな眼で見ていた。
粘液に濡れた下着は九太郎の興奮度を更に高めた。
「…九太郎クンだって…するんでしょ……?」
愛は片方の手を九太郎の下半身にまわした。

参照:スレ4 >>175




愛の手が九太郎の下半身に触れる。
“………ッ!”
固く目を閉じ、息を止めた。
九太郎の身体に緊張が走る。少しでも気を緩めたら射精に至ってしまいそうな状態。
出来る事ならコンドームを使わずにあの快感を味わいたい…愛の身体を気にしながらも、そんな事を九太郎は考えていた。
“スゲー矛盾してる…俺”
愛の下半身に視線を落とす。粘液で濡れた下着が膝下で止まり、内腿は粘液で濡れている。スタンドの灯りで鈍く光っていた。
思わず愛の腰に手を置く。今直ぐにでも愛と繋がりたい…中に出したい、そんな気持ちに駈られた。
「…愛さん…俺の…どうなってる……?」
落ち着け、と自分に言い聞かせながら愛に聞いた。
「…エ…あの…」
九太郎の問いかけに愛は口籠ってしまう。愛の指先にはスエットズボンを通して硬く、僅かに拍動を感じるモノを感じていた。
「…こっち向いて…ちゃんと見てよ」
九太郎は愛を自分の方へ向かせた。
愛は九太郎のスエットズボンに手をかけた。九太郎は思わず息を飲む。
ゆっくりとスエットズボンを降ろし、続けてトランクスを降ろした。降ろしたと同時に、勢い良く、飛び出す様にペニスは姿を現した。
「!ァ…」
愛は思わず声を出した。下半身の興奮が更に増す。内腿を生暖かい粘液がゆっくりと降りて行く。
「…どうなってる…?」
一旦視線を反らしたものの、九太郎の問いに再度、愛は九太郎のペニスを見た。
太く大きく上向きに勃起したペニスは、やや赤黒く力強さを感じた。先端は粘液で濡れて光っている。所々血管が浮き出ており、そっと触れると拍動を感じた。
膝まで降ろしたトランクスは、股間の部分が少し濡れている様だった。
“…フフ…男の人も濡れるのね…”
「!」
ペニスの先端からゆっくりと粘液が降りて来た。愛は指先で受ける。
「? …愛さん…?」
愛は指先で受けた粘液を再度ペニスの先端に小さく円を描く様に塗った。そして軽く握ると小さく上下に動かした。電流の様な刺激が九太郎の全身を駆け巡る。
「…ウッ…!!」
思わず腰を引き、射精を必死に堪える。
「ァ…愛さん、今のはキツイよ……」
「……気持ち良かった?」
「…ゥ…うん……」
愛はペニスに再度触れる。
「……九太郎君も…するんでしょ?」
ペニスはさっきの刺激で堅さを増し、拍動も強くなっていた。
「…するよ、毎日。」
九太郎は愛を見詰め、言った。
「今日もやったよ…勉強なんか手に付かねーよ…」
九太郎はスエットズボンとトランクスを脱ぎ、部屋の隅に投げた。
「…?! 九太郎君…?」
少しずつ口調が変わる九太郎に、愛は距離を置こうと後に下がろうとするが、机にぶつかる。九太郎は愛の両脇の下に手を入れ、身体を持ち上げると、机に座らせた。
「前に言ったじゃん…愛さんとヤッてるの…想像してるって」
「………!」
愛は身体が熱くなった。
九太郎は愛の腰の位置を前にずらすと脚を開かせた。開いた脚の奥…粘液で満たれてヒクヒクと九太郎を誘っている様に見えた。

参照:スレ4 >>199




プックリと肥大したクリトリスに軽く触れる。
中指と人差し指で摘もうとするが、粘液で滑って摘む事が出来ない。指で押す。
「フッ…ゥ… ダ…ダメ…」
愛は脚を閉じようとするが力が入らない。声を殺し身体を震わせ、九太郎にしがみ着く。
「……気持ちいい?……」九太郎は愛の耳元で言うと、首筋に舌を這わせた。
「ウ…ウン…気持ちいい…」
愛は九太郎に身体をあずけたままペニスに触れる。粘液でヌルヌルしている。軽く握り、ゆっくりと上下に動かした。愛の手の動きに反応するかの様にペニスの先端からは粘液がゆっくりと降りて来る。
愛は時折チラチラと九太郎の顔を見ながらゆっくりと手を上下に動かした。
「…ッ!…ッ…!」
九太郎は固く目を瞑り愛の手が動く度に腰を引き、必死に射精を堪えた。
「ア…愛さん… …スゲー気持ちいい…」
九太郎は再度、愛のクリトリスに触れる。触れる度に愛は身体をピクつかせ、腰が動いた。
九太郎は更に指を動かす。生暖かい粘液が人差し指と中指を被う。
“気持ちいい…八郎太サンより上手…かも… ヤダ…私…何考えて…”
ぼやける意識の中で愛は思った。
「こういうの…兄ちゃんにもしてたの?」
九太郎の言葉に愛の手は止まる。
「…エッ?」
愛は腕の力を弛める。
「上手だし…慣れてる感じだからさ…」
「ナ、慣れてなんて…」
「…お陰で俺はしょっちゅう寝不足だったけど」
「? …!? ヤダ…!!」
“ソレって…いつも聞こえちゃってたって事だよね…”
ハァッ…と息を吐き、愛は項垂れた。
「…だからダメって言ってたのに…」
ボソッと小声で言う。
「…無理矢理…って感じには思わなかったけど?」
「!?」
愛は顔を上げて九太郎を見た。
「! アッ、イヤッ、覗いたんじゃねーからッ 聞こえた感じで、だから」
その夜、深夜に海岸から戻り、忍び足で廊下を歩いていた。
茶の間から灯りが漏れている。そして鼾…。茶の間の前で思わずため息が出た。
“…信じらんねー コレがマジで宇宙飛行士かよ…”
茶の間を覗くと酔い潰れた吾郎が鯣をくわえたまま横たわっている。その傍らには缶ビールの空き缶が数個転がっていた。
“たまに帰って来るとコレだよ…”
そのまま自分の部屋に向かった。風呂に入ろうと着替えを手に、部屋を出ようとした時だった。襖の向こう…隣の部屋から微かな物音がした。
“? 愛さん、未だ起きてんのかな…”
然程気にも留めずに部屋の灯りを消そうとした時だった。
「……ンッ…アァッ… ハッ…八郎太サン…!」
「シーッ!…声出すなって…!」
八郎太と愛の会話だった。。
“兄ちゃんも帰ってたのか…”
「ンッ…ンッ…!…アァ…」
“!? …何やってんだよ… まさか…”
その瞬間、身体中が熱くなり、バクバクと胸の鼓動が大きくなった。部屋の灯りはそのままに、音を立てない様に部屋を出て風呂場に急いだ。普段より長風呂をして部屋に戻ったが、隣室の様子はあまり変わってはいない様子だった。
九太郎の中に好奇心が芽生える。
布団から立ち上がり、静かに隣室とを隔てた襖に近付いた。僅かに開いている隙間を覗いてみる。時折、何かが動いている。が、よく分からない。
“……何やってんだ俺……”
再び静かに布団に戻ろうとした時だった。
「…アーッ… 私…もぉ…ッ!!」
愛の興奮した声が聞こえて来た。
“…!? ウワ…ヤってるんだ”
九太郎の身体は再び熱くなった。鼓動が激しくなり興奮していた。下半身に目を遣る。ティッシュの箱を手に布団に戻るとズボンを降ろした。
愛の悩ましい声と八郎太の荒い息遣いは暫く続いた。
“ったく… いい加減にしてくれよ”
次第に好奇心よりも嫉妬心が大きくなって行く。
“…畜生…ムカツク…!”
「…アーッ…イク…ッ!」
「……ウッ…ア…!」
絶頂を迎えたであろう愛の声と同時に、九太郎も勢い良く左手のティッシュの中に射精する。いつもの事だが、快感の後は一気に倦怠感に襲われる。
後片付けもそこそこに、布団に潜り込んだ。

参照:スレ4 >>216-217




“親父達の部屋には聞こえないかも知れねーけど…俺には筒抜けだよ…ったく”
八郎太が休暇で帰省する度に、こんな事が数日間続いた。
八郎太が愛と結婚し、一緒に暮らす様になり“母親以外の女性が一緒に生活する”
という環境に慣れて来た矢先の出来事だった。
愛と接している内に今まで抱いた事の無い感情…初めは良く分からなかった。この年頃なら異性云々という事は一番の関心事の筈なのだが、九太郎の場合は違った。友人には恋愛に疎いと言われている。放課後、仲間と過ごすよりも1人、海岸でロケットを弄っている方が充実していた。
早く大人になって、エンジニアになって…吾朗や八郎太とは違う未来の自分を夢見て。
そんな自分が少しずつ変化していく。愛の仕草や、自分と交わす他愛ない会話…
八郎太への苛立ちは実は嫉妬なのだと気付いた。
そして“あの夢”を見る様になった。


「…言っとくけど…別に俺…覗きとかの趣味はねーから」
愛は下を向いたまま、黙っていた。
「あの時は…ビックリして訳分かんなかったけど…」
九太郎は愛の首筋にキスをしようと顔を寄せる。
「…けど?」

愛は顔を上げて九太郎を見た。直ぐ傍に九太郎の顔があり、視線が合う。
九太郎は慌てて視線を逸らした。
「結婚したんだから…当然だよな…その…ああいう事は…」
「……」
「だけど、段々…ムカついて来て…」
「…そうだよね…無神経で…」
再び愛は下を向いてしまった。
「イヤ、違う…その…なんていうか…嫉妬ってヤツ…で…」
“バカか俺は…愛さんに同じ事言わせて…”
九太郎は言葉に詰まり、愛を抱き締めた。
「…普通、ムカつくだろ?直ぐ隣で…だから……」
“ったく…!アーッ俺何言ってんだよ…畜生ッッ!!”
首筋に再度顔を近付ける。軽くキスをすると、愛の身体はピクッと反応した。
“あ……ッ”
九太郎は愛の首筋に舌を這わせながら片手で愛の濡れている所に触れる。
「…ちょっとだけ…いい?」
「えっ…?」
濡れている中へゆっくりと人差し指を入れた。粘液に満たされている為か、抵抗無く入る。指を曲げ伸ばしする様にゆっくりと出し入れした。
「…ア…!」
愛は身体を強張らせ、顔を九太郎の胸に埋める。指の動きに合わせて腰が動いた。 ゆっくりと指を抜くと、それまで強張っていた愛の身体から少し力が弛み、乱れた呼吸を整える様に大きく息を吐く。愛の内腿は粘液で濡れていた。
脚は僅かに震えている。
「気持ち良かった?」
「…ウ…ウン…」

愛は九太郎の胸に顔を埋めたまま答えた。
「…じゃ、こっちは?」
濡れた指をクリトリスに移動させ、動かした。
愛の身体に電流に似た刺激が走る。
「! ンンッッ…ァ…ァ…!」
九太郎の胸に顔を押し付け、しがみ付き、必死に声を抑えた。
粘液に濡れた下着が右脚に引っ掛かっている。愛が動く度に下へずり落ち、床に落ちた。息を飲む九太郎。興奮度も更に高まる。
逸る気持ちを抑え、愛の額や頬に軽くキスをしながら片手を取り、自分の下半身に触れさせた。

参照:スレ4 >>224




“…!? ワ… 凄い…”
力強く反り立ったペニスは硬さも太さもさっきより増している様に感じた。
愛は一瞬、手を引っ込めようとしたが、九太郎に促され、軽く握った。
九太郎の胸に顔を埋めたままの愛はスン、と鼻を利かせる。八郎太とは違う匂い……。
九太郎が触れた事で増していた疼きは更に熱を持ち、ヒクヒクと反応し始めた。
“……ア……”
下半身に力を入れる。
「…俺…汗臭い?」
九太郎の声に愛はハッとする。
「! そんな事ないよ…」
再度、スン、と鼻を利かせる。
「…九太郎君の匂いがするなァ…って……」
「…俺の?」
「ウン…」
九太郎も愛の髪を軽く撫でると同じ様にスン、と鼻を利かせた。
淡いシャンプーの香り…そしていつも感じる甘い様な、何とも言えない惹き付けられる匂い。上体を少し屈めて首筋に顔を寄せると、再度鼻を利かせた。
「…愛さんの匂い…スッゲー興奮する…」
舌先を軽く這わせる。
「 ! ア…くすぐったいッ…」
顔を上げた愛の唇を塞ぐ。
愛はペニスから手を離し、背伸びをして両腕を九太郎の首に絡めた。
少ししてどちらからともなく舌を絡める。
「ン… ン…」
愛の腕の力が強くなり二人の上半身は密着する。
九太郎は愛のお腹の膨らみを気に掛けながらも机に片手を着き、もう片方の手で愛の内腿に軽く触れた。上へ向かってゆっくりと指先を移動させると、脚はピクッピクッと反応した。
「…フッ… ウ…」
重なる唇から愛の声が微かに漏れる。ウットリとした眼…九太郎は更に上へと指を移動させた。生暖かい粘液に満たされた所に再び辿り着く。人差し指、中指が粘液で濡れる。濡れた人差し指の腹でクリトリスを撫でる様に触れた。
「ッフ…! ウ…ウ…!」
再び愛の声が漏れ、九太郎の指の動きに合わせて腰が動く。
熱を持ち、更に硬くなったクリトリスはコリコリとした感触へと変化した。
愛は再度ペニスを握った手を軽く上下させる。その度に九太郎の身体もピクピクと反応した。愛の手も少しずつ粘液で濡れる。
疼きは更に強くなり、今直ぐにでもこの疼きを鎮めて欲しい、という気持ちに駆られた。
「…九太郎クン…ア…あの…」
「? なに?」
愛は内腿に力を入れたまま、ペニスを握る手に力が入った。
「!……ッウ…」
九太郎は身体が硬直し、顔をしかめた。
「…そんなにしたら…直ぐに出ちゃうよ…」
今直ぐにでも、という気持ちを必死に抑えていた。

参照:スレ4 >>280




再び愛はペニスを握った手をゆっくりと上下に動かした。先端から少しずつ降りて来る粘液が潤滑油と化し、手の動きと同時にクチュクチュと音を立てる。
「ァ…愛さん…手ェ離して…もう俺…マジで…ヤバイ…」
「…ェ!? ァ…」
愛は慌ててペニスから手を離す。
九太郎は愛を再び机に座らせると愛の両膝に手を置き、脚を開かせた。濡れた下半身をスタンドの灯りが鈍く照している。
“!? ヤ、ヤダ…”
羞恥心と期待感が入り交じった愛は身体が強張る。九太郎は愛に近付いた。
脚の間に立ち、左手で軟かな茂みに触れる。
生暖かい蜜が指に絡んだ。
「…イ…入れるよ?」
九太郎の問いかけに愛は無言で小さく頷いた。
九太郎は息を飲む。
“…落ち着け…落ち着け…ゆっくり、ゆっくり…”
頭の中で唱える様に繰り返しながら更に近付き、腰を軽く抑えると、ゆっくりとペニスを挿入した。太く、力強く反り立ったペニスはゆっくりと愛の中へ入って行く。密かに待ちわびていた瞬間だった。
「…ハァ…ン…」
愛は吐息と共に身体を仰け反らせた。
暖かく、ヌルリとした感触の後に、ゆっくりと吸い込まれる様な感覚…そして愛の僅かな身体の動きに連動して起こる締め付けは九太郎を苦しめた。
「…ウ…ッ」
九太郎の口から思わず声が漏れる。
愛にとっても密かに待ちわびた瞬間だった。
ゆっくりと自分の中に九太郎のペニスが入って来ている。徐々に早くなって行く息遣いを感じながら、無意識に腰が動いた。小さく前後に腰が動く度に九太郎のペニスは招き入れられる様にして奥へと入って行った。
九太郎は軽く腰を引いた。すると、その動きを追い掛ける様に愛の腰も動いた。
「…奥は…ヤバイんだよね…?」
九太郎は再度、軽く腰を引く。本当ならPCのディスプレイの中で繰り広げられるシーンをそのまま体験してみたいと思った。
「…ッ! …ッ!」
腰を動かす度にゾクゾクと寒気にも似た快感が身体中を駆け巡る。思わず出そうになる声を必死に堪えた。
ジュッ… ジュッ…
薄暗い部屋に九太郎の腰の動きに合わせ、粘液の絡んだ結合部から起こる音だけが聞こえる。
「…ハァ… ァ… ァ…ァ…」
時折、僅かに開いた愛の口から声が漏れる。身体を支える為に机の端を掴んでいた両手の力が緩んで来た。
「…気持ちいい…?」
九太郎は愛の首筋にキスをしようと、更に愛に身体を密着させた。同時にペニスは更に奥へと入って行く。“ア…!”
強くは無いが、下から突き上げる刺激…愛は思わず下半身に力が入る。
「…ァ…!」
急な締め付けに九太郎は腰を引いた。

参照:スレ4 >>345