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この拙文のタイトルは、「岡部、光彦比較論」と銘うってますけど、そんな大げさなものではありません!

私が、「倉敷殺人事件」を再読したときの印象「これは、まさに浅見光彦刑事編じゃありませんか!」というものを検証しようとしている作業のメモにしかすぎません。

果たして、そのような結論に至るのかどうか今の時点ではわかりません。

処女作の「死者の木霊」では、竹村巡査部長が主役でした。

「本因坊殺人事件」では、ご自身の趣味である碁をテーマにして、「平家伝説殺人事件」では、ふたたび光彦を主役にしていますが、センセは、この作品で光彦シリーズは、うち切るつもりだったようです。(全面自供)

さらに、「その3作目あたりでは、まだ作家になる意思がなかったんですね。作家で食えるという状況が想像できなかっんですよ。」(全面自供)

この頃のセンセは、友人とケンカして、推理小説を書いたものの職業作家になるつもりもなれるという意識もなかったようです。

さて、岡部警部のイメージなんですが、「死者の木霊」と「後鳥羽伝説殺人事件」に登場する竹村部長刑事も野上部長刑事も、ブレーキがきかなくて独走してしまうタイプの刑事なんですが、変化球のつもりで登場させた素人探偵の光彦が読者にうけてしまった。

そこで、「萩原朔太郎」の亡霊に登場させる刑事は、もっとスマートで聡明な論理を展開し、事件を解決する名探偵にしようと思ったんでしょう。(これは、私見ですが。)

その刑事のイメージに光彦を重ねてもなんの不思議もありません。

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