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岡部の探偵としての素質と閃きは、

「岡部という人物にはどことなく、いわゆる”探偵”としての洞察力、推理力、解析力が秘められているように思えた。」(死者の木霊)

「それにしても、事件捜査を“面白い”と表現する、岡部の感覚は、野崎の理解できるものではない。この男は、殺人事件をゲームの対象ぐらいに考えているのではあるまいか。(死者の木霊)

「そう言った瞬間、岡部の心臓に痛みのようなものが走った。何か、まったく思いかけなかった着想が芽生える前触れだ。岡部は緊張し動かなくなった。動けば脳漿からせっかくの着想がこぼれ落ちる。」
(萩原朔太郎」の亡霊)

このあたりの記述からは、なんとなく光彦のイメージがうかがえますね。

「いえ、これはひょっとして、”自殺に見せかけた殺人”ではなく”自殺に見せかけた殺人と見せかけた殺人”ではないかと思ったのです。」(萩原朔太郎」の亡霊)

「ひょっとすると、われわれは”ババのいないババ抜きをしていたのではあるまいか−」(萩原朔太郎」の亡霊)

これは、内田節といってもいいんではないでしょうか!

岡部の非凡さをあらわしてはいますが、でも、まだまだ、岡部と光彦のイメージを重ね合わすところには至りません。

萩原朔太郎」の亡霊に次の記述がありました。

「浮浪者の中に、白いテニス帽にサングラスという格好の、比較的若い男はいませんか」

「いや、しかしそういうスマートな男はおりませんよ。」

センセは、普段から帽子を被っていますが、帽子イコールおしゃれという感覚があるんでしょうね。

光彦にテニス帽を被らせるのは、このときに閃いたのでしょうか。少なくともセンセには、テニス帽がスマートだという意識はあったはずです。

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