Aviary/Aviary
(Epic BL35716 /U.S.A.)
ぼくがこんなのを持ってくることが、まず笑えるかなと思って。だってヒョウ柄に胸毛に長髪でしょ。ところがオトがハードロックじゃないんですよ。Mondo3でArt
School Of
Rockと題してちょっとひねくれたポップス、たとえばSparks,Sailorなんかの特集をやるんですけど、そういう系統のサウンドなんですね。見事にひねくれ系のポップスです。でもMondoにも出しにくくって。だってジャケに語らせられないでしょ。ジャケがハードロック、でもサウンドはKlaatuみたいな知性派なんですから。頭悪そうなんですけどね。こういうことがあるからレコード探しは止められない。そういうわかりやすい例です。
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NHKテレビ「ダットくん」
(日本コロムビアKKS4009/Japan)
僕のレコード体験の原点に、中村メイコさんの「日本昔話」の朗読のアルバムがあります。親から買い与えられて、それを繰り返し繰り返し聞いていました。それでこの「ダットくん」なんですが、ぼくはもしかするとたぶん全く当時はこのTV番組を見ていないかもしれないのに、このアルバムを聴いたとたん、自分がまるで幼児期に、番組を見てこのレコードを繰り返し見聞きしていたかのように感じたんですね。初めて聞いたのに、初めてじゃないかのような。
ポップスにもそんな記憶のマジックがあるような気がします。あるコード進行、あるメロディ、あるアレンジ、ある音色、そういったもので、初めて聞いたはずの音楽が、どこかで聞いたことがあるように感じる。それってポップスの素敵なマジックのひとつなんじゃないかなって、思っているんです。
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Stackridge/Do
The Stanley
(MCA/EMI MCF2747/U.K.)
来年の早々にアスペクトから出版予定のMondo3でArt
Shcool Of Rock Vs
田舎紳士と言う特集を組むのですが、このアルバム、ベスト・アルバムだしそこから漏れちゃうかなということで、持ってきました。ジャケも好きですし。まさに田舎紳士です。オリジナル・アルバムには未収の「Ces't
La
Vie」という曲が収録されているんですが、これがまさに泣きの1曲なんですね。センチメンタルな感じの。それが良いんです。このバンド、元々はトラッド出身で、それからプログレ風味が加わり、ジョージ・マーチンと出合ってPopになって、Korgisみたいなバンドになって行くんですけど、このプロセスも面白いですね。
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Vivian
Stanshall/Teddy
Boys Don't Knit(Charisma
CAS1153/U.K.)
そのArt
School Of Rock Vs
田舎紳士の対決なんですが、ちょうど二つの中間くらいのところにBonzo
Dog
Bandが位置すると考えています。彼はそのBonzoのリーダー。もともとアメリカのウエスタン・スイングやノベルティー、カントリーなどのシングル盤コレクターだったらしいのですが、そうした音楽をイギリス的にひねくれさせた音楽が好きなようです。でも彼は自分では音楽はできない。それでVivianのソロの多くはモンティ・パイソン的コメディなんですが、このアルバムだけはまじめに音楽をやっている。そこで登場するのが、かのNeil
Innesです。彼の才能が加わることで、音楽がぐんと充実した。なんだ音楽もできるじゃないか、というアルバムです。Art
School的な音楽も、田舎紳士的な音楽も両方見事に入っているという、全くもって希有な作品です。
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