軽さの妙…。そんなセレクションでどうかな、とお題をふられて月日が流れ…。優柔不断であれもこれもと迷ってしまいました。 |
1“I PRESUME”/ THE HI-LO'S 最近ジャズ・ヴォーカル・グループを何となく良く聴いてます。ホント、その辺の知識は皆無に等しいのですが無いなりに聴き続けていると好みのグループも現れてきました。ハイ・ローズはそのうちの一つ。フォア・フレッシュメンも好きだけど、ハイ・ローズの方を良く聴いてます。フォア・フレッシュメンをして“歌唱の実力は自分達より上だ”と言わしめたほど、歌唱力は抜群。そのテクニック故の余裕が曲の至る所に表れてエンタテインメントの美学をこれでもかというほど痛感します。上手さがもたらす遊び心が満載です。その遊び心の塩梅がフォア・フレッシュメンより幾分濃いのがハイ・ローズと感じています。だからよく聴いてるのかな。 |
|
2“alright” / Roger Cook 英国人ソングライターの76年作品。ここに入ってる“BEAUTIFUL
MEMORIES”がなぜか好きで好きで…。いい曲書きます、この人は(「恋に恋して」とか!)。初めて聞いたのは10年以上前のこと。確か萩原健太さんの番組だったなぁ。3年前に上京してから聴き直して、惚れなおして、懐かしくって…。無邪気にラジオのエアチェックしてた頃を思い出したり、遠いところに来ちゃったなあという感慨からでしょうか、浸ってしまった…というかいい人ぶってしまった(恥)。そうそう、東京に来るかどうか悩んでいるときに、大江田さんにはいろいろ相談にのっていただいたんですよ。その節はありがとうございました! |
|
3“THE POINT!” / NILSSON 大のオトナが子供向けの歌を<子供の視点>で書けるってことはマジで素敵なことだと思います。ここに収録されてる曲って、子供達が口ずさんでるのが目に浮かぶんですよ。多才なニルソンが子供向け番組のために書いたサントラ。スタンダード・ナンバーをカヴァーした「夜のシュミルソン」も粋でカッコイイけど、とんがり頭のオブリオ君のことを歌った本作も、彼の軽妙なスタンスが伝わってくるいい仕事です。ニルソンみたいな人が学校の先生にいたらいいでしょうなぁ。歌が上手い大酒飲みの先生(70年代半ば、ジョン・レノンと毎晩呑み歩いてたらしいですよ)! |
|
4“GOODNIGHT TONIGHT” / WINGS ポールです。ビートルズという重荷を背負いながらも、軽やかに活動を続ける彼を尊敬します。彼もニルソンと同じく多種多様な音楽を作り続けています。リトル・リチャードばりのロックン・ロールから、「ホエン・アイム・シックスティーフォー」のようなとぼけたボードヴィル・タッチの曲、「オブラディ・オブラダ」でのレゲエへのアプローチ、そしてついには『リヴァプール・オラトリオ』というクラシック・アレンジのアルバムまで作ってしまう音楽的な幅の広さ。それでいて器用貧乏にはなっていないところが天才です。生き方がロックなジョンに較べて商業主義に走ってるとか、ポリシーに欠けるとか熱血ロック・ファンからは言われてたみたいですが、何ででしょうね。 |
|
5“SINGIN' IN THE RAIN”OST 軽妙洒脱といえばなんといってもジーン・ケリーなのです。ジーンにしろフレッド・アステアにしろ、ミュージカル・スターというのは驚くほど軽やかに、そしてにこやかに、銀幕上を舞います。この52年の『雨に唄えば』でのジーンも御多分にもれず、軽快なステップを“魅せて”くれます。そして主題歌「雨に唄えば」のイントロ! |
|
6“DEVIL MAY CARE” / BOB DOROUGH 2000年の今、粋なアーティストといえばこの人の名前をあげる人も多いのでは。ジャズ、ロック、ポップスと幅広いジャンルで活躍してきたピアニストでありヴォーカリスト、さらにコンポーザーでもあるボブ・ドロウ。とりあえず傑作といわれている56年録音のこれをあげましたが、他の作品もとぼけた妙味がいっぱいで楽しいものです。先日入手したアルバム“OLIVER!”では彼の歌声は聞けないのですが、そのピアノのフレーズがいかにもボブらしく、まるで口で唄っているフレーズがそのままピアノの音で奏でられたかのようでした。この“DEVIL
〜”はベツレヘムから発売されましたが、またこのベツレヘムというレーベルが何とも2000年の今、丁度いい塩梅なのですよ。適度に柔らかい音で和めるのです、何となく。クリード・テイラーがかんでいるからかな? |
|
7“I LIKE TO RIFF” / RIO NIDO こいつらにもやられました! Hi-Fiにはこういう奴らが生息してるからヤバい! |
|
8“BABY YOU GOT IT” / BRENTON WOOD 67年にダブル・ショット・レーベルからデビューしたブレントン・ウッド。チカーノの街サン・ペドロで育った彼は、当地のチカーノたちに愛された黒人シンガーです。同年には「ギミ・リトル・サイン」が大ヒット。この時期に2枚のアルバムを残します。その10年後の77年には3作目『カム・ソフトリー』をリリース。表題曲でのディスコ・アレンジも、彼の軽やかな歌声とあっていてグーです。 |
|
9“SUNFOREST” / TOM RAPP 60年代後期、アシッド・フォーク・バンド、パールズ・ビフォア・スワイン(ブタに真珠!)を率いて活動を続けたトム・ラップがブルー・サム・レコードから出したソロ・アルバムで、やっぱりアシッド・テイストな(?)穏やかな1枚です。アシッドといっても、どろどろ暗〜いのじゃなくて、とてもリラックスした楽園で見る白昼夢のごとき浮遊感漂う風情であります。夏の深山幽谷で鑑賞したくなるパールズ〜のころの作品も魅力的ですが(特にセカンドの『バラクラヴァ』! そこに収録されたレナード・コーエン作の名曲「スザンヌ」のカヴァーは絶品だと思います)、73年に出されたこの作品は、パーカッション、ストリングスなど多彩な楽器が使用された少しトロピカルな部分も感じることがあります。で、前述のボブ・ドロウもピアノで参加しとるのですよ。すごいね、ボブ。 |
|
10“JOHN B.SEBASTIAN” / JOHN B.SEBASTIAN 想像できないものの一つに<ジョン・セバスチャンの怒ってる顔>というのがあります。彼は顔からいい人具合が滲み出ています。60年代中期からグッドタイム・ミュージックを奏でる名バンド、ラヴィン・スプーンフルのリーダーとして数々の名曲を生み出してきた彼。一度でいいからライヴが見たい&会ってみたいアーティストNo.1の座はず〜っと前から揺らいでません(祈来日!)。 |
片島吉章
|
Sounds Zounds !!
|1
| 2
| 3
| 4
| 5
| 6
| 7
| 8
|
9
| 10
|
▲このページのTOP
▲Quarterly
Magazine Hi-Fi index Page
●
Home
| Shop on
Web | How
to Order | Shop
information | Quarterly
Magazine | Topics
| Links
| Mail
| 販売法に基づく表記
|